接合工学・複合材料

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 接合工学・複合材料
科目番号 5MG04 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 溶融加工(田村博著,森北出版)/プリント
担当教員 森園 靖浩

到達目標

1.溶接・溶接法の種類や特徴について説明できる。
2.溶接部における組織や機械的性質の変化について説明できる。
3.溶接欠陥とその原因・対策について説明できる。
4.溶接部における残留応力の発生機構や分布について説明できる。
5.複合素材と複合プロセスについて説明できる。
6.金属系複合材料について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1溶接・接合法の種類や特徴について説明できる。溶接・接合法について簡単に説明することができる。溶接・接合法を理解していない。
評価項目2溶接部における組織や機械的性質の変化について,その原因を含めて説明できる。溶接部における組織や機械的性質の変化について説明できる。溶接部における組織や機械的性質の変化について理解していない。
評価項目3溶接欠陥とその原因・対策について説明できる。溶接欠陥について説明できる。溶接欠陥について理解していない。
評価項目4溶接部における残留応力の発生機構や分布について説明できる。溶接部に生じる残留応について説明できる。残留応力について理解していない。
評価項目5複合素材と複合プロセスについて詳しく説明できる。複合素材と複合プロセスについて説明できる。複合素材と複合プロセスについて理解していない。
評価項目6複数の金属系複合材料のパターンを挙げ,それぞれについて説明できる。金属系複合材料のパターンを1つ挙げ,それについて説明できる。金属系複合材料について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
溶接・接合は,構造物や機械部品の加工・組立にはなくてはならない技術です。本講義では,金属同士を接合する際の種々の接合方法や溶接・接合に伴う材質の変化,欠陥の発生などの基本事項について説明します。また,溶接・接合によって得られる継手や接合体は,複合材料の一つと捉えることが可能であり,それらは「界面(interface)の存在」といった共通項を持ちます。そこで,複合材料の基礎についても本講義で取り扱います。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って進めます。複合材料に関しては,必要に応じてプリントを配付します。4年次開講の「金属材料学1」と関連する項目が多いですので,その内容をしっかり理解しておいてください。
注意点:
中間試験45%,期末試験45%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上の場合を合格とします。再試験は実施しません。
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【新型コロナ流行に伴って中間試験が中止された場合の評価方法】
期末試験90%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上の場合を合格とします。再試験は実施しません。
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評価基準:到達目標に記載した内容を主な評価基準とします。
事前学習:次週の授業範囲を予習し,専門用語の意味などを理解しておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 はじめに 授業の全体像を理解します。
2週 溶接・接合工学の意義 溶接・接合の位置付けやその特徴について理解します。
3週 溶接・接合の原理と分類 溶接・接合の原理について理解します。
4週 熱源 溶接・接合の際に投入されるエネルギー源について理解します。
5週 融接法1 溶接アーク現象について理解します。
6週 融接法2 各種アーク溶接法について理解します。
7週 圧接法 圧接法の原理や種類について理解します。
8週 中間試験
4thQ
9週 ろう接法 ろう接時の基本現象や特徴について理解します。
10週 溶接冶金1 溶接金属内で起こる現象,さらにはそこで発生する欠陥について理解します。
11週 溶接冶金2 溶接熱影響部の組織や機械的性質について理解します。
12週 溶接冶金3 溶接熱影響部に発生する欠陥について理解します。
13週 溶接部の変形と残留応力 溶接部で起こる変形やそこでの残留応力について理解します。
14週 複合材料の基礎 複合プロセスや複合則について理解します
15週 金属系複合材料 様々な金属系複合材料について理解します。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野金属材料純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15
複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。4
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。4
界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。4
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。4
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。4
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。4
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。4
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。4
炭素/ガラス繊維強化プラスチックの使用における問題点を損傷の評価の観点から応用できる。4
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000