品質工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 品質工学
科目番号 5MG06 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 川上 雄士

到達目標

1.品質のばらつきを理解し、その解決に有効な品質工学の考え方を理解する
2.品質工学を理解するための基本である、直交表、SN比、分散分析等を習得する
3.品質工学の代表的手法であるパラメータ設計法を実践する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 品質工学の考え方従来の技術開発手法との違いが理解できる不十分ではあるが、概ね理解できる品質工学の考え方が理解できない
評価項目2 直交表・SN比・分散分析それぞれの考え方が理解でき、かつ計算もできる理解力は不十分ではあるが、計算はできる直交表・SN比・分散分析が理解できない
評価項目3 パラメータ設計パラメー設計法による実験計画が立案できる不十分ではあるが、パラメータ設計法が理解できるパラメータ設計法が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
将来、生産活動の場に直接または間接的に携わる技術者は、社会に提供する製品やサービスに対し、顧客の要求がますます厳しくなることを意識しなければならない。顧客要求の一つである品質に関する知識は、単に「ものづくり」の現場にとどまらず、技術開発・設計・販売・サービスとあらゆる場面で有用である。本科目では、品質の基本を理解することから始め、最終的には、技術開発・設計段階で高度な品質を作り込む品質工学のパラメータ設計法について学ぶ。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は、企業で機械部品材料の研究開発、熱処理・表面処理技術を担当していた教員により、その品質管理に関する経験を活かして現場での技術の事例を含めた講義を行うものである。
授業の進め方・方法:
1.座学、テキストを中心とする講義
2.ものづくり現場における品質に係る話題を提供し、その解決方法について議論する         
3.品質工学のパラメータ設計                                                 
4.パラメータ設計法の実習および解析方法の講義
注意点:
定期試験(中間+期末)80%、課題レポート20%を目安にとして評価
再試験は必要に応じて行う
評価基準:到達目標に記載した内容を主な評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 品質のばらつき(誤差)について 品質がばらつくことが理解できる
2週 ばらつき(誤差)を改善する方法 -QC七つ道具- ものづくり企業で実施されている品質管理手法が理解できる
3週 QC七つ道具:パレート図、特性要因図 パレート図、特性要因図を作成することができる
4週 QC七つ道具:ヒストグラム、管理図 ヒストグラム、管理図を作成できる
5週 企業における品質問題の現状 わが国のものづくり企業で発生している品質問題の実態が理解できる
6週 統計学の基礎 -分散分析- データ解析の基礎である分散分析について理解でき、かつ計算できる
7週 品質工学、特にパラメータ設計とは ばらつきを改善する手法である品質工学、特にパラメータ設計の考え方が理解できる
8週 直交表 -L18直交表、L12直交表- 直交表の意味および応用範囲について理解できる
4thQ
9週 因子の分類 -制御因子、誤差因子、信号因子- 実験因子を正しく分類でき、直交表に割り付けることができる
10週 品質の良し悪しを評価するSN比 -静特性のSN比、動特性のSN比- SN比の考え方が理解でき、さらにSN比の計算ができる
11週 パラメータ設計法による技術課題の解決フロー パラメータ設計法により技術課題が解決する流れが理解できる
12週 パラメータ設計法の実習(1) グループ単位での実験結果について正しくまとめることができ、またその結果について発表できる
13週 パラメータ設計法の実習(2) グループ単位での実験結果について正しくまとめることができ、またその結果について発表できる
14週 品質工学の適用範囲 品質工学の適用範囲が理解でき、かつ実践に向けての課題が理解できる
15週 品質工学事例紹介(2) 企業での実践事例について理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1,後2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1,後2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後1,後2,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後1,後2,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後1,後2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4後1,後2,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4後2,後6
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2後3,後13,後14,後15
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。2後3,後13,後14,後15
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。2後3,後13,後14,後15
社会における技術者の役割と責任を説明できる。2後3,後13,後14,後15
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2後3,後4,後13,後14,後15
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2後3,後4,後13,後14,後15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2後3,後13,後14,後15
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。2後3,後13,後14,後15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後3,後13,後14,後15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4後3,後13,後14,後15
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。2後3,後13,後14,後15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。2後3,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75002500100
基礎的能力3500100045
専門的能力3500100045
分野横断的能力50050010