材料加工実習

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料加工実習
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書: 「安全の手引き」久留米工業高等専門学校。「配布プリント」。「実験実習安全必携」独立行政法人 国立高等専門学校機構 安全衛生管理委員会。参考図書:「要訣機械工作法」和栗 明 他10名 養賢堂。「機械工学便覧β3 加工学・加工機器」日本機械学会編
担当教員 和泉 直志,川上 雄士,周 致霆,細野 高史

到達目標

1.エンジニアとしての基礎的なスキルを身に付けることができる。
2.安全に、簡単な機械や機器の操作ができる。
3.材料・簡単な機械・工具・道具などの基礎知識を習得できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分ばかりでなく周囲の安全にまで配慮して作業ができる。作業服や保護具を適切に着用し、怪我や災害が起きないよう注意して作業ができる。作業服や保護具を適切に着用しない。怪我や災害を引き起こすような作業方法である。
評価項目2指示された加工手順などについて、なぜそのような作業方法であるのかを考えることができる。指示された通りに加工作業をすることができる。指示に従うことができず、適切な加工方法で作業できない。
評価項目3加工に用いる道具の名称や用途を完全に把握している。加工に用いる道具の名称や用途をある程度理解している。加工に用いる道具の用途や名称を覚えていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実践的技術者になるために、低学年から機械・工具・道具・計測器等の実際のモノに触れ、材料加工に関する基礎的な現象を体得・認識する。これを繰り返すことによって、材料加工関係の専門科目等を工学的、かつ工業的に考えることができるエンジニアとしてのセンスを身に付ける。
授業の進め方・方法:
クラスの学生数を5グループに班割りし、図面を基に学習内容に記載のテーマごとに連続6回程度の加工実習を行い、指定した図面の部品を完成する。特に、安全教育、図面の見方、機械の取り扱い方、工具・道具の使い方、測定器の使い方、素材の特徴、加工工程、加工方法、加工条件等を学ぶ。
                                            
関連科目:基礎設計製図、材料工学設計製図工学、 塑性加工学、融体加工学
注意点:
点数配分:5テーマごとの実習に取り組む態度・整理整頓状況・課題(各10%)と5テーマごとに製作した部品の品質(各10%)
60点以上を合格とする。
再試は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体的な説明・安全教育等  材料加工における一般的な注意事項を理解する。
2週 木  型(a.安全教育、木工機械・道具類の説明等) のこぎり、かんなの使い方を理解する。
3週 木  型(b.のこ・かんな等の基本作業) 安全に模型製作を実施する。
4週 木  型(c.割り型の製作1(丸棒)) 安全に模型製作を実施する。
5週 木  型(d.割り型の製作2(丸棒)) 安全に模型製作を実施する。
6週 木  型(e.現物型の製作1(パラレルブロック)) 安全に模型製作を実施する。
7週 木  型(f.現物型の製作2(パラレルブロック)) 安全に模型製作を実施する。
8週 鋳  造(a.安全教育、道具・設備等の説明等) 砂型作製に用いる道具の名称をおぼえる。
2ndQ
9週 鋳  造(b.造形の基本作業) 砂型作製の方法を理解する。
10週 鋳  造(c.造形1(丸棒およびパラレルブロック)) 安全に砂型を作製する。
11週 鋳  造(d.造形2(Vブロック)) 安全に砂型を作製する。
12週 鋳  造(e.溶解、鋳込作業) 細心の注意を払い、事故の起きないように溶解作業を実施する。
13週 鋳  造(f.後処理作業) 安全に後処理作業を実施する。
14週 鍛  造(a.安全教育、道具・鍛造機械等の説明等) 鍛造に用いる道具の名称をおぼえる。鍛造に特有の安全上の注意事項をおぼえる。
15週 鍛  造(b.自由鍛造の基本作業) 安全に鍛造を実施する。
16週
後期
3rdQ
1週 鍛  造(c.角柱の製作) 安全に鍛造を実施する。
2週 鍛  造(d.くさびの製作) 安全に鍛造を実施する。
3週 鍛  造(e.立方体の製作1) 安全に鍛造を実施する。
4週 鍛  造(f.立方体の製作2等) 安全に鍛造を実施する。
5週 手仕上げ(a.安全教育、道具・測定器・機械等の説明等) 手仕上げに用いる道具の名称をおぼえる。
6週 手仕上げ(b.けがき・たがね作業1) 安全に手仕上げを実施する。
7週 手仕上げ(c.けがき・たがね作業2) 安全に手仕上げを実施する。
8週 手仕上げ(d.やすり作業) 安全に手仕上げを実施する。
4thQ
9週 手仕上げ(e.パラレルブロックの製作1) 安全に手仕上げを実施する。
10週 手仕上げ(f.パラレルブロックの製作2) 安全に手仕上げを実施する。
11週 機  械(a.安全教育、旋盤操作、 b.道具・工具・測定器および図面の見方の説明等) 旋盤作業に特有の安全上の注意事項をおぼえる。ノギス・マイクロメータを使用できるようになる。
12週 機  械(c.段付軸の旋削1) 安全に旋盤作業を実施する。
13週 機  械(d.段付軸の旋削2) 安全に旋盤作業を実施する。
14週 機  械(e.段付軸の旋削3) 安全に旋盤作業を実施する。
15週 機  械(f.旋盤によるねじ切り等) 安全に旋盤作業を実施する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。2
レポートの書き方を理解し、作成できる。2
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方がわかる。3
けがき工具を用いて、けがき線を描くことができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
鋳造作業の手順がわかる。3
鋳型の構造と各部の名称がわかる。3
鋳型を製作し、鋳込むことができる。3
ガス溶接で用いるガス、装置、ガス溶接棒の扱いかたがわかる。3
ガス溶接の基本作業ができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱いかたがわかる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能がわかる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削りなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能がわかる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00050050100
基礎的能力000500050
専門的能力000005050
分野横断的能力0000000