到達目標
1.トヨタ生産方式の思想を説明できる。
2.自身の安全と健康を維持しながら社会人として活動し続けるための必要最小限の術を実践できる。
3.現実の生産現場に採用されつつある特殊あるいは最新の加工法について基礎的な説明ができる。
4.実際のものづくりの現場における様々な実践を自分の言葉を使って他者に説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | トヨタ生産方式の思想を正しく説明することができる。 | トヨタ生産方式と「かんばん方式」は異なるということを説明できる。 | トヨタ生産方式について誤った説明しかできない。 |
評価項目2 | 労働法や安全衛生管理を利用して自らの身を守ることができる。 | 労働法や安全衛生管理について最低限の知識がある。 | 社会人に必要な労働法や安全衛生管理の知識がない。 |
評価項目3 | 特殊あるいは最新の加工法の特徴を説明できる。 | 特殊あるいは最新の加工法について知識がある。 | 特殊あるいは最新の加工法について最低限度の知識がない。 |
評価項目4 | 見学した生産現場における生産・品質・安全衛生管理の工夫が説明できる。 | 工場見学した内容について、概要を相手に伝えることができる。 | 工場見学した内容を説明しても、他者に理解してもらえない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科で学んだ加工学や生産管理・品質管理においては基本的に原材料や半製品に付加価値を加えるプロセスのみを取り扱ってきた。この講義では①原材料の調達から販売に至るまで「流れるようにものを作る」トヨタ生産方式、②総合的品質の中で最も重要と考えられる心身の安全にフォーカスした職業人としての安全や健康の確保、③一般の加工学では取り扱われない特殊あるいは新しい加工方法、をそれぞれ学び、1人1社の工場見学を通してこれらの現実の生産現場での活用事例を自ら記録・プレゼンテーションすることで実践レベルに限りなく近い知識を習得する。
授業の進め方・方法:
第11週までは、板書およびスライド、配布資料などによる講義を計画している。この講義内容については、筆記試験を実施する。
第12週までに1人1人異なる工場に各自で交渉の上で見学を実施し、見学内容を基に実際の生産現場で見られた実践上の工夫についてプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションには十分な討論の時間を設け、発表者以外の受講者は、必ず1つ以上の質問をするようにする。
工場見学の内容はプレゼンテーションを通して考察を深めた上で詳細なレポートに仕上げ、お礼状とともに見学をした工場に送付する。
注意点:
点数配分:筆記試験30%、プレゼンテーション40%、レポート30%。
上記配分による総合評価で60点以上得点したものを合格とする。採点結果は、希望者に答案およびレポートを返却して公開する。
再試は行わない。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 工場見学および見学者としてのマナーの説明 |
工場担当者と折衝するための必要最低限のマナーをわきまえる。
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2週 |
トヨタ生産方式(1) |
徹底的なムダの排除を目的とした「ジャストインタイム」と「自働化」がトヨタ生産方式の柱であることを理解する。
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3週 |
トヨタ生産方式(2) |
後工程引き取りおよびかんばん、仕入先や協力会社と自社との関係を理解する。
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4週 |
トヨタ生産方式(3) |
トヨタ生産方式はマーケットインを徹底した結果であることを理解し、会社とマーケットとの接点である営業部門の視点から見た「在庫」について考えることができる。
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5週 |
安全衛生管理(1) 作業安全の常識 |
作業安全に関する常識を実践できる。
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6週 |
安全衛生管理(2) 安全に関する法規制 |
労働安全衛生法に代表される法規制について最低点の知識を身につける。
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7週 |
労働法および心身の安全 |
労働者としての権利を自覚し、職場から受ける可能性がある様々な理不尽な扱いに対抗する術を持つ。
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8週 |
特殊加工(1) レーザ加工 |
レーザの原理と応用について基礎的な理解ができる。
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2ndQ |
9週 |
特殊加工(2) その他のビーム加工および放電加工 |
レーザ以外のビーム加工や放電加工について基礎的な理解ができる。
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10週 |
特殊加工(3) リソグラフィと表面パターニング |
電子デバイスの製造プロセスについて基礎的な理解ができる。
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11週 |
特殊加工(4) 付加製造 |
3次元形状を直接出力する方法について最近の動向を理解できる。
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12週 |
工場見学プレゼンテーション(1) |
他の人の発表に対し、建設的な意見を述べて討論することができる。
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13週 |
工場見学プレゼンテーション(2) |
他の人の発表に対し、建設的な意見を述べて討論することができる。
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14週 |
中間レポートについての討論 |
一旦まとめたレポートについて相互に評価し、建設的な意見を述べることができる。
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15週 |
お礼状の作成 |
社会人として通用するお礼状が書ける。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 5 | 前1,前4,前12,前13,前14 |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 4 | 前1,前5,前6,前7,前15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 40 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
専門的能力 | 30 | 20 | 0 | 0 | 0 | 30 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |