移動現象論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 移動現象論
科目番号 0106 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電気システム工学専攻(機械工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ流体工学、JSMEテキストシリーズ伝熱工学 等
担当教員 田中 大

到達目標

・移動現象の基礎的概念の習得
・運動量移動、熱移動、物質移動の基礎的概念の習得
・各種移動現象を工業的な設計問題に適用できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1移動現象を微分方程式によってモデル化できる。移動現象を微分方程式によってある程度モデル化できる。移動現象を微分方程式によってモデル化できない。
評価項目2微分方程式によってモデル化した移動現象を、差分法によって計算できる。微分方程式によってモデル化した移動現象を、差分法によってある程度計算できる。微分方程式によってモデル化した移動現象を、差分法によって計算できない。
評価項目3工業的な現象を微分方程式によってモデル化し、それを解くことができる。工業的な現象を微分方程式によってモデル化し、それをある程度解くことができる。工業的な現象を微分方程式によってモデル化し、それを解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
移動現象論は、流れ場における運動量移動、温度場における熱移動、濃度場における物質移動について、共通概念の移動メカニズムで取り扱う学問である。有働量移動、熱移動、物質移動の基礎的概念を身に付けるとともに、これら移動現象が実際の工業製品とどのように関わり、設計問題にどのように活用されているかを学ぶことを目的とする。
授業の進め方・方法:
講義を中心とするが、予習・復習が不可欠であるため、学生の自主的な学習が必要であり、レポート課題の学習が必須である。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であるため、これを課題として課す。
注意点:
定期試験(80%)+レポート(20%)により評価する。
レポート未提出者は成績評価を行わない。
再試験は必要に応じて行う。
60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスと常微分方程式の導入 状微分方程式を理解できる。
2週 現象の定量化(微分方程式) 現象を微分方程式で表し、解くことができる。
3週 拡散現象(1次元の定常拡散) 1次元の拡散現象を理解できる。
4週 拡散現象(1次元の非定常拡散、球からの拡散) 1次元の非定常拡散、球からの定常拡散を理解できる。
5週 熱移動現象 熱移動現象の基礎を理解できる。
6週 流れ場での移動現象 流場での移動現象を理解できる。
7週 ケーススタディ(温室内の熱移動) 温室内の熱移動を理解できる。
8週 ケーススタディ(下部への放熱のある温室内の熱移動) 下部への放熱がある温室内の熱移動を理解できる。
4thQ
9週 ケーススタディ(温室内の熱移動(非定常)) 温室内の非定常熱移動を理解できる。
10週 フィンの定常伝熱 フィンの定常伝熱を理解できる。
11週 強制対流(基礎) 強制対流を理解できる。
12週 強制対流(例題) 強制対流の基礎的問題を解くことができる。
13週 自然対流 自然対流を理解できる。
14週 物質移動と熱移動のアナロジー 物質移動と熱移動のアナロジーを理解できる。
15週 ケーススタディ(太陽熱蒸留器) 太陽熱蒸留器の熱移動を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3後6
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3後6
質量保存則と連続の式を説明できる。3後6
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。2後6
層流と乱流の違いを説明できる。3後6
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3後6
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3後6
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3後6
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3後6
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。2後6
伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3後5,後7,後8,後10,後11,後12,後13

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000