到達目標
1.熱物理学的なエントロピー、温度、自由エネルギーの概念が理解できている。
2.系の巨視的な熱的性質を、微視的な原子、分子集団の統計的な個々の取り扱いに対応付けて理解できる。
3.巨視的な物理量、熱力学的諸関数を導出、計算することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
熱物理的な物理量の理解 | 熱物理的な物理量に関して、熱力学的、統計力学的にその定義や概念が説明できる。 | 熱物理的な物理量に関して、熱力学的、統計力学的にその定義や概念を理解している。 | 熱物理的な物理量に関して、熱力学的、統計力学的にその定義や概念を理解していない。 |
評価項目2
統計集団と熱的性質 | フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計の各統計集団について説明できる。 | フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計の各統計集団について概念は理解している。 | フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計の各統計集団について理解していない。 |
評価項目3
熱力学的な諸関数の導出と物理量の計算 | 熱力学的諸関数が導出できるとともに、フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計の各統計集団により、物理量を計算することができる。 | 統計集団と物理量の計算方法については説明できる。 | 熱力学的な諸関数が導出できない。各統計集団から物理量を計算する計算方法を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE C-1
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教育方法等
概要:
統計力学と熱力学を統合したものを熱物理学とよぶ。
本講義では熱物理学の基礎を学ぶ。
熱物理学におけるエントロピー、温度、自由エネルギーの定義や概念を学び、系の熱物理的な性質を理解する。
微視的な量子論的世界から、巨視的な熱物理的物理量への対応をはかり、熱物理学を固体物性、半導体物理などへ応用する。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は、企業で物性理論と実験を担当していた教員によりその経験を活かし、熱物理学の基礎とその工学的応用について、課題演習を含み授業を行う。
授業の進め方・方法:
講義を主体にするが、その理解を深めるために積極的に演習を行い、それを重視します。
履修する段階で、量子力学について基礎的な知識を有し、簡単な問題は解ける必要があります。
また、初等的な微分積分に関しては、道具として使えることが求められます。
集中講義ではなく開講期に定期的に講義を行うことを基本とします。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課します。
注意点:
【評価方法】:定期試験の結果と、課題レポート等課題の評価とを併せ総合的に評価する。試験の結果と課題は、それぞれ、概ね70点、30点として考慮して総合成績を評価する。必要であれば、再試験を適宜行う。定期試験で優秀な解答と認められたもの、及び提出された課題で優秀な内容と認められたものについては、特別な評価を行う場合がある。
【評価基準】:評価60点以上を合格とする。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
熱力学(1) 基本的概念 示量、示強変数 |
・熱力学の基本的概念、要請が説明できる。
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2週 |
熱力学(2) 物質の状態変化と熱力学第一法則 |
・物質の状態変化に伴う熱の出入りを熱力学第一法則を用いて説明できる。 ・相転移、相図について説明できる。
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3週 |
熱力学(3) 可逆過程、不可逆過程、準静的過程と熱力学第二法則 |
・可逆過程、不可逆過程、準静的過程について説明できる。 ・熱力学第二法則について説明できる。
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4週 |
熱力学(4) カルノーサイクルと熱力学的温度 |
・カルノーサイクルについて説明できる。 ・熱力学的な温度の導入につて説明できる。
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5週 |
熱力学(5) クラウジウスの不等式とエントロピー |
・クラウジウスの不等式について説明できる。 ・エントロピーとエントロピー増大について説明できる。
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6週 |
熱力学(6) 熱力学の諸関数と熱力学の応用 |
・自由エネルギーについて説明できる。 ・熱力学応用事例により、物質における熱的現象の理解を深める。
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7週 |
統計力学(1) 数学的な準備と量子力学の基礎 |
・量子力学により、自由粒子の固有状態とエネルギー固有値を計算することができる。 ・stirlingの公式が説明できる。
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8週 |
統計力学(2) 二価のモデル系とエントロピー |
・統計力学的なエントロピーの定義と導入について説明できる。
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4thQ |
9週 |
統計力学(3) 平均値と最も確からしい配列 |
・統計力学的な物理量の計算方法が説明できる。 ・最も確からしい配列、物理量の値について説明できる。
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10週 |
統計力学(4) 統計力学的温度の定義 |
・統計力学的な温度について説明できる。
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11週 |
統計力学(5) エントロピーの加算性と増大 |
・エントロピーの加算性と増大則について統計力学的に説明できる。
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12週 |
統計力学(6) 化学ポテンシャル |
・統計力学的な化学ポテンシャルの導入と定義について説明できる。
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13週 |
統計力学(7) ギブス因子、ボルツマン因子と分配関数 |
・ギブス因子、ボルツマン因子と分配関数について説明できる。
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14週 |
統計力学(8) フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計 |
・フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計について説明できる。 ・フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計、古典統計の各統計から物理量が計算できる。
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15週 |
統計力学(8) 熱力学との対応と応用 |
・熱力学の対応を説明することができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 50 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 30 |