プラズマ工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 プラズマ工学
科目番号 7E14 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電気システム工学専攻(電気電子工学コース) 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:赤崎正則・村岡克紀・渡辺征夫・蛯原健治共著、プラズマ工学の基礎、産業図書 参考書:高村秀一,プラズマ理工学入門,森北出版 M.A.Lieberman著,佐藤久明訳,プラズマ/プロセスの原理,EDリサーチ社
担当教員 宮﨑 浩一

到達目標

1.プラズマを特徴づける量について計算できる。
2.荷電粒子の運動方程式や流体方程式によりプラズマで起こる現象を説明できる。
3.放電プラズマの特性や計測法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1プラズマを特徴づける量について計算し、活用できる。プラズマを特徴づける量について計算できる。プラズマを特徴づける量について計算できない。
評価項目2荷電粒子の運動方程式や流体方程式によりプラズマで起こる現象を考察できる。荷電粒子の運動方程式や流体方程式によりプラズマで起こる現象を説明できる。荷電粒子の運動方程式や流体方程式によりプラズマで起こる現象を説明できない。
評価項目3放電プラズマの特性や計測法について説明でき、活用できる。放電プラズマの特性や計測法について説明できる。放電プラズマの特性や計測法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
プラズマを用いたエッチング,薄膜形成,表面改質などは,半導体産業や真空技術に大きなインパクトを与えている。今後,応用に適したプラズマを巧みに生成・制御することが期待されている。本講義では,このようなプラズマの状態を数学的に記述してその挙動を理解し,プラズマを利用する上で必要な基礎を習得する。 
授業の進め方・方法:
教科書やプリントを用いて講義を行う。本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。毎回理解度を確認するために演習問題などの課題を与え、次の授業日の2日前までに提出、次の授業の最初に学生自身に解答してもらう。
注意点:
評価基準:60点以上を合格とする。
再試験は定期試験後に原則1回実施し、100点満点で60点以上を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 プラズマとその応用 プラズマの定義や応用例について説明できる。
2週 電磁気学、気体分子運動論の基礎 ガウスの法則、アンペアの周回積分の法則、ローレンツ力、理想気体の状態方程式について説明できる。また、速度分布関数から種々の平均速度を計算できる。
3週 プラズマの基本的性質 デバイ遮蔽、サイクロトロン運動、プラズマ振動について説明できる。
4週 プラズマの生成 粒子の平均自由行程や平均衝突頻度を計算でき、プラズマ中の粒子の反応過程について説明できる。
5週 磁界・電界中の荷電粒子の運動 一様直流電磁界中や不均一な直流磁界中における荷電粒子の運動について説明できる。
6週 電子およびイオンの流体方程式 電子およびイオンの流体方程式の各項の物理的な意味を説明できる。
7週 プラズマ中の波動現象 プラズマ中を伝搬する静電波や電磁波の伝搬特性について説明できる。
8週 プラズマ中の荷電粒子の電界駆動と拡散 電界や密度勾配による荷電粒子の移動現象について説明できる。
4thQ
9週 直流低気圧放電プラズマのパラメータ決定機構 円筒放電管内の低気圧放電における電子温度や密度分布について説明できる。
10週 プラズマと固体の境界遷移領域 イオンシース、浮動電位について説明できる。
11週 静電探針(ラングミュアプローブ) 静電探針による電子温度や電子密度の測定法について説明できる。
12週 プラズマにおける電磁波現象 プラズマにおける電磁波現象について説明できる。
13週 発光分光計測 発光分光計測法によりプラズマを計測する方法について説明できる。
14週 電磁波応用プラズマ計測 電磁波の吸収・屈折・散乱を用いたプラズマ計測法について説明できる。
15週 まとめ プラズマ工学の基礎事項について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3後2,後9,後10,後11
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3後2
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3後1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題レポート合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000