量子力学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 量子力学
科目番号 6S10 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電気システム工学専攻(制御情報工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 講談社:量子力学ノート 橋元淳一郎 著 /その他適宜プリントや配付資料で対応する
担当教員 越地 尚宏

到達目標

1.体験的に理解できるマクロな世界と異なる、特殊な性質を持つミクロな世界の現象に対する知識や考え方を習得し関連する計算問題が解ける。
2.シュレディンガー方程式による確率論的な現象記述による量子力学的現象やエネルギー準位等についての知識や考え方を習得し、関連する計算問題が解ける。
3.水素原子の電子構造を理解し、関連する計算問題が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.体験的に理解できるマクロな世界と異なる、特殊な性質を持つミクロな世界の現象に対する知識や考え方を習得し関連する計算問題が解ける。ミクロな世界の現象に対する知識や考え方を習得し関連する応用問題を含む計算問題が解けるミクロな世界の現象に対する知識や考え方を理解し、関連する基本問題のほとんどを解くことができるミクロな世界の現象に対する知識や考え方を理解できず、関連する基本問題のほとんどを解くことができない。
2.シュレディンガー方程式による確率論的な現象記述による量子力学的現象やエネルギー準位等についての知識や考え方を習得し、関連する計算問題が解ける。シュレディンガー方程式による確率論的な現象記述による量子力学的現象やエネルギー準位等についての知識や考え方を習得し、応用問題も含む関連する計算問題のほとんどを解くことができる。シュレディンガー方程式による確率論的な現象記述による量子力学的現象やエネルギー準位等についての知識や考え方を理解し、関連する基礎的計算問題のほとんどを解くことができる。シュレディンガー方程式による確率論的な現象記述による量子力学的現象やエネルギー準位等についての知識や考え方を理解できず、関連する基礎的計算問題のほとんどを解くことができない。
3.水素原子の電子構造を理解し、関連する計算問題が解ける。水素原子の電子構造考え方を十分理解し、応用問題も含む関連する計算問題が解ける。水素原子の電子構造を理解し、関連する基礎的計算問題のほとんどが解ける。水素原子の電子構造を理解できず、関連する計算問題を解くことが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
IT産業や量子化学など、現代工学において量子力学は重要な役割を担っている。さらに「量子コンピューター」のようにミクロな世界での特異な性質を積極利用することによる飛躍的技術展開が試みられている。講義ではマクロの世界では想像できないミクロな世界での特異な振る舞いの理解から始まり、この振る舞いをどのように記述していくかという量子力学の基本的考え方から始めて、量子力学の基本体系の理解に努める。
授業の進め方・方法:
講義を主体にして、必要に応じてその理解を深めるために積極的に演習を行う。また適宜、演示実験、ビデオ教材、コンピューターシミュレーション等を活用していく。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。また主体的な学習を促すため、適宜、概念や考え等に関する学生同士の意見交換(ミニ討論)を行う。
注意点:
定期試験80%、課題レポートや演習や課題レポート20%を目安として、これらを総合的に評価する。
授業時間以外での学修としての課題は課題レポートや演習とし、その内容は、講義内容に関する『概念の理解や考察』や『具体的な計算』等とする。
再試験は必要に応じて行う。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ヤングの実験(光の波動性)と光電効果(光の粒子性) ヤングの実験(光の波動性)や光電効果(光の粒子性)を理解し、基本的な計算や証明が出来る。
2週 X線回折(X線の波動性)とコンプトン効果(X線の粒子性) X線回折(X線の波動性)とコンプトン効果(X線の粒子性)の各現象を理解し、基本的な計算や証明が出来る。
3週 物質波と電子顕微鏡(電子の波動性) 物質波と電子顕微鏡(電子の波動性)について理解し、関連する基本的な計算や証明が出来る。
4週 波の数学的表現(三角関数を用いた表現と複素数を用いた表現) 波の数学的表現(三角関数を用いた表現と複素数を用いた表現)について理解し、基本的な計算や証明が出来る。
5週 複素関数や波動・定常波に関する演習 複素関数や波動・定常波に関する基礎的な事項が理解でき、これらに関する基本的な計算や証明が出来る。
6週 シュレディンガー方程式をつくる(1) :電子への波動方程式の適用 シュレディンガー方程式の導出の過程が理解でき、実際にその基本的な計算が出来る。
7週 シュレディンガー方程式をつくる(2): 物理的意味づけと演算子 シュレディンガー方程式の物理的意味づけと演算子の概念が理解でき、関連する基本的な計算や証明が出来る。
8週 ボルンの確率解釈 ボルンの確率解釈の考えを理解し、関連する基本的な計算や証明が出来る。
4thQ
9週 波束とは 波束の概念が理解でき、実際に把捉を計算的に導いたり基本的な計算や証明が出来る。
10週 波動関数の規格化 波動関数の規格化の概念について理解し、関連する具体的かつ基本的な計算や証明が出来る。
11週 シュレディンガー方程式を解く(1) 無限に高い壁を持つ井戸型ポテンシャル中の電子 無限に高い壁を持つ井戸型ポテンシャル中の電子の振る舞いについて理解し、実際にシュレディンガー方程式を解き電子の振る舞いやエネルギー準位を導出できる。また古典的概念+電子の波動性の考え方からもエネルギー準位を導き、これらが同じ解答に至ることを確認できる。
12週 シュレディンガー方程式を解く(2) 有限の高さの壁を持つ井戸型ポテンシャル中の電子/トンネル効果 有限の高さの壁を持つ井戸型ポテンシャル中の電子で振る舞い(トンネル効果)について理解でき、実際にシュレディンガー方程式を解き電子の振る舞いやエネルギー準位を導出できる。
13週 水素原子(1) 角φ方向の解 実際にシュレディンガー方程式を角φ方向に解き、電子の振る舞いを計算により導くことが出来る。
14週 水素原子(2) 角θ方向の解 実際にシュレディンガー方程式を角θ方向に解き、電子の振る舞いを計算により導くことが出来る。
15週 水素原子(3) 動径方向(r方向)の解 実際にシュレディンガー方程式を動径方向(r方向)に解き、電子の振る舞いを計算により導くことが出来る。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題レポート&演習合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000