環境倫理学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 環境倫理学
科目番号 0003 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械・電気システム工学専攻(制御情報工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:鬼頭秀一/福永真弓(編著)『環境倫理学』、東京大学出版会;その他の教材・資料については、講義中に適宜配布する。
担当教員 藤木 篤

到達目標

1.現実に生じている環境問題の実情を理解する。
2.旧来の環境倫理学で主流となっている、「二項対立」図式の長所と短所を的確に捉えることができる。
3.「二項対立」図式に代わる、新たな環境倫理学理論が求められていることを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この授業では、旧来の環境倫理学が解決しようとした問題はいったいどのようなものであるのか、彼(女)らの試みのどのような点において理論的な不十分さが認められるのか、そして私たちはどのようにそれらを乗り越えて行くべきなのか、研究の最前線を担う環境倫理学者たちの論評をもとに考察する。
授業の進め方・方法:
・担当者の作成したレジュメを参照しながら、教科書の内容を批判的に吟味する。
・担当者は各章ごとに定める。初回(序章)は担当教員がレジュメを作成する。
・担当者は、自らがまとめたレジュメをもとに、受講者全員の前で各章の要約を行う(数分程度)。その後、担当教員による講義を行う。
・理由の如何を問わず、レジュメの作成を怠った場合は大幅に減点する。※なお授業時数の関係上、第1, 6, 12, 13章については本講義では扱わない。本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(授業の進め方、成績評価方法、再試験の有無等)
2週 序章 環境倫理の現在―二項対立図式を超えて
3週 第2章 自然・人為―都市と人工物の倫理
4週 第3章 生命・殺生―肉食の倫理、菜食の倫理
5週 第4章 公害・正義―「環境」から切り捨てられたもの/者
6週 第5章 責任・未来―世代間倫理の行方
7週 第7章 「外来対在来」を問う―地域社会のなかの外来種
8週 第8章 「持続可能性」を問う―「持続可能な」野生動物保護管理の政治と倫理
4thQ
9週 第9章 「文化の対立」を問う―捕鯨問題の「二項対立」を超えて
10週 第10章 「自然の再生」を問う―環境倫理と歴史認識
11週 第11章 「地球に優しい」を問う―自然エネルギーと自然「保護」の隘路
12週 第14章 政策から政/祭へ―熟議型市民政治とローカルな共的管理の対立を乗り越えるために
13週 第15章 安全(ゼロリスク)から危険(リスク)へ―生態リスク管理と予防原則をめぐって
14週 第16章 制御(コントロール)から管理(マネジメント)へ―包括的ウェルネスの思想
15週 終章 および まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合03000070100
基礎的能力0150003550
専門的能力0000000
分野横断的能力0150003550