概要:
有機化学・物理化学・生物化学・高分子化学などの基礎知識に基づき,化学工業において広範に用いられている機能有機材料について見識を深め,化学の機能有機材料工学への応用について知る。特に
高専本科であまり学ぶ機会が少ない分野(油脂、界面化学材料、香料、化粧品、色素、印写、エレクトロニクス材料・医薬・農薬、有機ケイ素材料、有機フッ素材料)にも焦点をあてる。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で機能有機材料の開発を担当していた教員が、その経験を活かし、機能有機材料の応用と最先端の有機機能材料について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
板書を中心とした講義形式だが、随所にパワーポイント教材、ビデオ教材を加える。
有機化学、高分子化学の復習も随所に加える。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、レポートを課題として課す
注意点:
(1)点数配分:中間試験50%、期末試験50%
(2)評価基準:60点以上を合格とする。
(3)再試:再試を行う。
(4)授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後14,後15 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | 後1 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 3 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 3 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 3 | |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 3 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 3 | |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 3 | |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 3 | |
重合反応について説明できる。 | 2 | |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 2 | |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 2 | |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 2 | |
無機化学 | イオン結合と共有結合について説明できる。 | 2 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 2 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 2 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 2 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 2 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 2 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 2 | |
水素結合について説明できる。 | 2 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 2 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 2 | |
配位数と構造について説明できる。 | 2 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 2 | |
分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 3 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 2 | |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 3 | |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 3 | |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 3 | |