高分子材料特論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 高分子材料特論
科目番号 6C22 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(生物応用化学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 渡邊 勝宏

到達目標

1.高分子材料の熱的性質・機械的性質について理解を深める
2.プラスチック材料とゴム材料の違いについて理解を深める
3.自動車産業に占める高分子材料の重要性について理解を深める 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子材料の熱的性質・機械的性質について十分理解できる.高分子材料の熱的性質・機械的性質について理解できる.高分子材料の熱的性質・機械的性質について理解できない.
評価項目2プラスチック材料とゴム材料の違いについて十分理解できる.プラスチック材料とゴム材料の違いについて理解できる.プラスチック材料とゴム材料の違いについて理解できない.
評価項目3自動車産業に占める高分子材料の重要性について十分理解できる.自動車産業に占める高分子材料の重要性について理解できる.自動車産業に占める高分子材料の重要性について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高分子材料は,現在の材料工学・物質工学の分野において,使用量,高機能性の発現,応用分野の広がりなどの観点から大変重要な材料となっている.本講では,これまでに学んだ高分子化学,有機化学,物理化学などの基礎知識に基づき,高分子材料を今後取り扱う上で必要となる高分子材料の熱的性質や機械的性質について知識を深める.また,久留米の基幹産業であるゴム産業に焦点を当て,ゴム材料の各種物性等基礎的な概念に関する理解を深める. 
授業の進め方・方法:
板書を主体とした講義形式を中心に,適宜パワーポイント教材やビデオ教材,補足資料等を加えて行う.
注意点:
本科で学んだ高分子化学,有機化学,物理化学等の基礎知識を再度整理しておくことが望ましい.また,自学学修内容として,授業内容に沿った最新の技術動向調査に関するレポート課題を数回提示する. 評価は確認試験(中間試験50%+期末試験50%)で行う.再試験は必要に応じ実施する.60点以上を修得とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション,高分子製造に関する基礎知識 高分子製造に関する基礎知識を修得する
2週 高分子物性に関する基礎知識  高分子物性に関する基礎知識を修得する
3週 高分子材料の熱的性質  高分子材料の熱的性質について理解を深める
4週 高分子材料の機械的性質 高分子材料の機械的性質について理解を深める
5週 プラスチック材料とゴム材料(1)-エンタルピー弾性とエントロピー弾性  エンタルピー弾性とエントロピー弾性の違いについて理解を深める
6週 プラスチック材料とゴム材料(2)-弾性変形と流動変形-  弾性変形と流動変形について理解を深める
7週 プラスチック材料とゴム材料(3)-粘弾性- 静的及び動的粘弾性について理解を深める
8週 プラスチック材料とゴム材料(4)-粘弾性モデルと応力緩和,クリープ,応力-ひずみ測定-  応力緩和とクリープについて理解を深める
4thQ
9週 プラスチック材料とゴム材料(5)-まとめ-  ゴム材料とプラスチック材料の違いに関して理解を深める
10週 自動車産業と高分子材料(1)  プラスチック材料の自動車への応用について理解を深める
11週 自動車産業と高分子材料(2) プラスチック材料の自動車への応用について理解を深める
12週 自動車産業と高分子材料(3) ゴム材料の自動車への応用について理解を深める
13週 自動車産業と高分子材料(4)  ゴム材料の自動車への応用について理解を深める
14週 自動車産業と高分子材料(5)  ゴム材料の自動車への応用について理解を深める
15週 高分子材料特論総括  講義内容全体を総括する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000