概要:
近年の情報伝達や機械制御等の工業技術を支えているコンピュータやエレクトロニクスの発展は、半導体材料の機能的物性を基礎としている。本講義では、半導体材料の基礎的性質から最近の技術について学習する。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で半導体材料の研究開発を担当していた教員を中心に、その経験を活かして現場での技術の事例を含めた半導体材料の基礎から応用に関する授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
プリントを適宜配布しながら講義を実施する。途中、英文の課題レポート提出を課す。
他の学生に迷惑がかかるような学習態度が見られる場合は途中退席を命じる。
講義において不明な点は授業の妨げにならない程度でその都度質問に応じる。
講義内容は電気・電子材料の固体物性を基本とするため、物理学の復習や授業内容の復習を欠かさないことを推奨する。課題遂行状況に応じて中間試験実施の有無を決定する。
オフィスアワー:電子メール等によって事前に日時を打ち合わせること。
注意点:
到達目標に記載した項目の内容に関する基礎的な理解度とその基本的活用度を評価基準とする。
成績評価は中間試験50%、期末試験50%とし、中間試験を実施しなかった場合は期末試験100%とし、60点以上を合格とする。
再試験は必要に応じて実施する。
新型コロナ感染症拡大防止により試験が実施できなかった場合は授業中に課した課題を総合評価に取り入れ、配分については授業で周知する。
本科目は学修単位であるため,授業時間以外での学修が必要であり,レポートの提出が必須である。
講義中に出てくる専門用語が理解できるように予習・復習すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
結晶学の基礎と応用 |
半導体材料と金属材料の違いについて理解できる。
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2週 |
結晶学の基礎と応用2 |
半導体の種類とそれぞれの結晶構造の違いや充填率、結晶学的方位関係や面方位について理解できる。
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3週 |
半導体材料の結晶構造の特徴 |
ダイヤモンド型、せん亜鉛鉱型やWurtzite構造の違いや特徴が説明できる。
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4週 |
半導体の種類と結晶製造方法 |
CZ法やMBE法等の各種半導体作製方法について説明することができる。目的キャリア密度を持つ半導体作製に必要な不純物量の計算ができる。
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5週 |
半導体結晶の製造方法2 |
CZ法によるドーパント分布の計算ができる。
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6週 |
結晶中での電子エネルギー状態 |
量子条件から電子のエネルギー状態および軌道半径を導出し、説明できる。
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7週 |
確認試験(中間試験) |
これまでの内容について説明ならびに計算することができる。
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8週 |
結晶中でのエネルギーバンド構造 |
各種物質のエネルギーバンド構造図が理解できる。
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2ndQ |
9週 |
占有確率とエネルギー状態密度 |
有限温度における半導体材料のキャリアに関する有効状態密度、キャリア密度ならびに移動度等の電気伝導説明に必要な項目の説明ならびに計算ができる。
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10週 |
半導体の電子分布 |
キャリア密度のnp積一定則が理解でき、キャリア密度の温度依存性を計算することができる。
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11週 |
不純物半導体のエネルギーバンドとフェルミ準位 |
真性と不純物半導体のバンド構造図の違いを説明することができ、フェルミエネルギーの温度依存性について説明することができる。
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12週 |
電界内および磁界内におけるキャリヤの運動 |
ホール効果について説明ならびに計算することができ、アインシュタインの関係式を使ったキャリア移動度と密度の計算をすることができる。
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13週 |
pn接合 |
pn接合型半導体のIV特性ならびに空乏層の説明や関連する項目の計算を行うことができる。
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14週 |
電子デバイスの基礎 |
デバイス構造の基本的事項が説明できる。
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15週 |
試験問題内容に関する理解度の再確認 |
定期試験で実施した項目や内容について説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前7 |
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 4 | 前4,前7 |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 4 | 前4,前6,前7 |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 3 | 前5,前7 |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 4 | 前2,前7 |
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。 | 4 | 前2,前7 |
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。 | 4 | 前2,前3,前7 |
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。 | 4 | 前3,前7 |
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。 | 4 | 前4,前6,前7 |
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。 | 4 | 前4,前6,前7 |
不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。 | 4 | 前3,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |