概要:
有機化学は機能性有機材料、医薬品、高分子材料などの応用と密接な関係がある応用化学の基礎科目である。有機化学は大別して(1)有機構造化学、と(2)有機反応化学に別けられるが、本講義では
(1)の有機構造化学に焦点をあてて、有機分子の構造決定を含めた有機化学の専門性を高めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
チョーク&ライトを基本とした授業であるが、適宜、演習を加える。
「演習及び補足」を3回準備して、進度の調整・補足・演習に充てる。
有機化学に関して高専本科程度の基礎知識を有する学生を対象としている。
学修単位としての学習時間を確保するためのレポートを課す。
注意点:
(1)点数配分:中間試験40%+期末試験40%+学修レポート20%
(2)評価基準:60点以上を合格とする。
(3)再試:再試を行う。
(4)学修単位:本科目は専攻科科目(学修単位に相当)であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
授業で行う項目に関して事前学習をしておくこと
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 2 | 後1,後2 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | 後15 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 3 | 後1,後2 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 3 | 後1,後2 |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 3 | 後3 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 3 | 後6,後7 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | 後3 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | 後3 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 3 | 後3 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 3 | |
無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 3 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 3 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 3 | |
配位数と構造について説明できる。 | 3 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 3 | |
分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 3 | 後8,後9 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 3 | 後9 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 3 | 後12,後13,後14 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 3 | |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 3 | 後10,後11 |