Course Objectives
1.人間生活や科学技術の役割と影響に関心を持ち、幸福とは何かを追究しながら、技術者として社会に貢献する自覚と素養を培う。
2.社会が技術者に対して求める倫理観とはどのようなものかを把握する。
3.工学倫理上の事例分析を通じて、倫理的想像力を養う。
Rubric
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 人間生活や科学技術の役割と影響に関心を持ち、自己と他者の双方の幸福を追究しながら、技術者として社会に貢献する自覚と素養が培われている。 | 幸福とは何かを追究する姿勢と、技術者として社会に貢献する自覚および素養が培われている。 | 技術者として社会に貢献する自覚と素養に欠けている。 |
評価項目2 | 社会が技術者に対して求める倫理観を把握した上で、そうした倫理観に沿って自律的に行動できる。 | 社会が技術者に対して求める倫理観とはどのようなものかが把握できている。 | 社会が技術者に対して求める倫理観とはどのようなものかが把握できていない。 |
評価項目3 | 既存事例だけではなく、未知の事例の分析が可能なレベルの倫理的想像力が養われている。 | 既存事例の分析が可能なレベルの倫理的想像力が養われている。 | 倫理的想像力に欠けている。 |
Assigned Department Objectives
Teaching Method
Outline:
本講義では、技術者へ倫理教育が求められるようになっていった歴史的背景を概観した後、技術者に必要とされる倫理観や、技術者が技術の専門家としての責任を果たそうとするときに直面するであろう倫理的に困難な状況について学ぶ。最終的に、「公衆の安全・衛生・福利」の確保および増進をはかる際に必然的に求められる、自身の専門分野におけるELSI (Ethical, Legal, and Social Implication [倫理的、法的、社会的諸問題])に関する感受性、および専門技術者としての倫理観を身につけることを、本講義の主たる目的とする。
Style:
講義を中心とする。
Notice:
点数配分:グループディスカッション30%(10%/回)、学期末レポート70%を目安として評価する。
再試験:行わない。
評価基準:60点以上を合格とする。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
Course Plan
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Theme |
Goals |
1st Semester |
1st Quarter |
1st |
ガイダンス:シラバスをもとにした講義概要の説明、ビデオ教材「技術者倫理学習のスキル」を用いた工学倫理導入 |
本授業の概要と目的、評価方法等が理解できる。また工学倫理という分野の特性について理解できる。
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2nd |
環境倫理学と工学倫理:事例分析「筑後川中流域における宮入貝の人為的絶滅」 |
環境倫理学と工学倫理の境界事例をもとに、技術者に課せられた様々な責務、とりわけ環境配慮義務について理解する。
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3rd |
工学倫理のエッセンス:ウェストン『ここからはじまる倫理』、ハリスら『科学技術者の倫理』、ウ ィトベック『技術倫理I』を中心に |
工学倫理における「古典的」テキストの記述を手がかりに、工学倫理の基本的主張および工学倫理における第一原則「公衆の安全・衛生・福利」の内容と理念が理解できる。
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4th |
事例分析「スペースシャトルチャレンジャー号爆発墜落事故」 |
「スペースシャトルチャレンジャー号爆発墜落事故」の分析を通じて、望まざる事件・事故を未然に防ぐために、技術者の倫理観がいかに重要であるかを理解する。
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5th |
事例分析と意志決定のための代表的技法:創造的中道法、線引き法、セブンステップガイド |
創造的中道法、線引き法、セブンステップガイドのそれぞれの特徴について理解した上で、実際の倫理的ジレンマに対して適用し、自ら分析を進めることができる。
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6th |
製造物に関わる責任:ビデオ教材「ソーラーブラインド」視聴および解説 |
"How safe is safe enough?" (どれほどの安全水準であれば十分安全か?) という普遍的問いについて、自身の考え方を整理し、それを他者に説明できる。
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7th |
製造物に関わる責任:「ソーラーブラインド」グループ討議 |
セブンステップガイドに沿って倫理的意思決定が行われている。それぞれの人物の立場から物事を考えることの大切さが理解できている。またグローバル企業において製造物責任に対処することの難しさが理解できている。
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8th |
技術者に拘わる法規と倫理規則:知的財産権と製造物責任法(PL法)を中心に |
技術者を取り巻く法規と倫理規則について、基本的な知識を身につけている。
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2nd Quarter |
9th |
安全性問題と組織内における技術者の行動:ビデオ教材「技術者の自律」視聴と解説 |
技術者にとって極めて重要とされる「自律」の概念について、自身の考えを整理し、他者に対して説明することができる。
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10th |
安全性問題と組織内における技術者の行動:ビデオ教材「技術者の自律」グループ討議 |
「自律」という抽象的理念から、具体的行動案が導出できている。
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11th |
リスクの評価と対応:ビデオ教材「ギルベインゴールド」視聴と解説 |
自律と他律の適切な妥協点と、内部告発が許される条件について、自身の考えを整理し、他者に対して説明することができる。
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12th |
リスクの評価と対応:「ギルベインゴールド」グループ討議 |
倫理的想像力をフィージブル(実行可能)な行動案の策定に昇華させられている。
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13th |
失敗から学ぶことの大切さ:畑村『失敗学のすすめ』『危険学のすすめ』、ペトロスキ『橋はなぜ落ちたか』『失敗学』を中心に |
失敗学の基本的主張が理解できている。
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14th |
作り出すことと守り続けることの違い:インフラの劣化と事故、維持・保守管理にまつわる様々な困 難 |
非技術者からは理解されにくい維持・保守管理の重要性と、そうした作業に特有の倫理的・経済的・政治的困難について把握できている。またそうした困難な状況を、他者に対して説得力をもって説明できる。
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15th |
技術者が幸福を感じる社会を目指して:フローマン「技術者の実存的快楽」、セリグマン「ポジティ ブ心理学」の考え方を手がかりに |
工学倫理は、決して技術者の行動を一方的に制約するための鎖などではなく、技術者自身が幸福な人生を歩むための指針を提供するものであることを理解する。
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16th |
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Evaluation Method and Weight (%)
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | Total |
Subtotal | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 80 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 30 | 40 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 15 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 35 | 45 |