有機構造化学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 有機構造化学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(生物応用化学コース) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 津田 祐輔

到達目標

1.高分子を含めた有機化学における有機構造の重要性が理解できる。
2.種々の立体構造が理解できる。
3.分子構造と反応性・物性との関係に関する知識がある。
4. 有機構造の分析に関する知識がある。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子を含めた有機化学における有機構造の重要性を良く理解している。高分子を含めた有機化学における有機構造の重要性が理解できる。高分子を含めた有機化学における有機構造の重要性が理解できていない。
評価項目2種々の立体構造を良く理解している。種々の立体構造が理解できる。種々の立体構造が理解できていない。
評価項目3分子構造と反応性・物性との関係に関する知識が豊富にある。分子構造と反応性・物性との関係に関する知識がある。分子構造と反応性・物性との関係に関する知識がない。
評価項目4有機構造の分析に関する知識が豊富にある。 有機構造の分析に関する知識がある。 有機構造の分析に関する知識がない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学は機能性有機材料、医薬品、高分子材料などの応用と密接な関係がある応用化学の基礎科目
である。有機化学は大別して(1)有機構造化学、と(2)有機反応化学に別けられるが、本講義では
(1)の有機構造化学に焦点をあてて、有機分子の構造決定を含めた有機化学の専門性を高めること
を目的とする
。 
授業の進め方・方法:
チョーク&ライトを基本とした授業であるが、適宜、演習を加える。
「演習及び補足」を3回準備して、進度の調整・補足・演習に充てる。
有機化学に関して高専本科程度の基礎知識を有する学生を対象としている。
学修単位としての学習時間を確保するためのレポートを課す。 
注意点:
(1)点数配分:中間試験50%、期末試験50%
(2)評価基準:60点以上を合格とする。
(3)再試:再試を行う。
(4)学修単位:本科目は専攻科科目(学修単位に相当)であるので、授業時間以外での学修が
   必要であり、これを課題として課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 分子構造と有機化学  分子構造と有機化学の相関の重要性を知る。
2週 分子構造化学と合成化学  分子構造化学の合成化学への応用の要点を知る
3週 構造異性 構造異性の詳細を知る
4週 幾何異性  幾何異性の詳細を知る
5週 配座異性  配座異性の詳細を知る
6週 鏡像異性(1)  鏡像異性の基礎を知る
7週 鏡像異性(2)  鏡像異性の詳細と立体選択的・特異的反応を知る
8週 紫外-可視吸収スペクトル  紫外-可視吸収スペクトルの基礎と応用を知る
2ndQ
9週 赤外吸収スペクトル  赤外吸収スペクトルの基礎と応用を知る
10週 核磁気共鳴スペクトル(1)  核磁気共鳴スペクトルの基礎を知る
11週 核磁気共鳴スペクトル(2)  核磁気共鳴スペクトルを応用した有機化合物の同定を知る
12週 演習及び補足(1)  有機構造化学の演習問題が解ける
13週 演習及び補足(2)  異性体に関する演習問題が解ける
14週 演習及び補足(3)  有機構造解析に関する演習問題が解ける
15週 総括  有機構造化学の総論的な知識を身につけている
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。2
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。2
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。2
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。2
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。2
反応機構に基づき、生成物が予測できる。2
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。1
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。2
分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020