応用数理II

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用数理II
科目番号 0181 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(生物応用化学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 菰田 智恵子

到達目標

1.ベクトル空間における抽象的概念が理解できる。
2.数ベクトル空間上の線形写像が行列で表現できることを理解し、この行列の単純
化(=対角化)についての理解を深めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル空間における抽象的概念が理解でき、使いこなすことができる。ベクトル空間における抽象的概念が理解できる。ベクトル空間における抽象的概念が理解できない。
評価項目2数ベクトル空間上の線形写像が行列で表現できることを理解し、対角化を応用できる。数ベクトル空間上の線形写像が行列で表現できることを理解し、基礎的な対角化ができる。数ベクトル空間上の線形写像が行列で表現できることを理解できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数学は多くの工学系教育にとって欠かすことのできない科目である。講義ではこれまでに学んだ平面
ベクトルや空間ベクトルを抽象化して、一般のベクトル空間を考え、このベクトル空間の性質を学ぶ
ことにより、抽象的概念と具体例がどのように結びつくのかを理解する。
授業の進め方・方法:
授業の進め方は講義が主である。抽象的概念の理解のためには具体的な例を用いた演習が必須である
ため、授業でいくつかの例を説明するだけでなく課題として他の例にも触れてもらう。
なお、本講義を受講するにあたって今までに学んだ線形代数についての知識は前提とする。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
注意点:
点数配分:定期試験(テストおよびレポート)65%、課題35%を目安として評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
再試:再試は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 準備(講義等でよく使う数学的記号・略号、否定文の作り方)
数学の講義でよく使う独特の表現
論理記号を用いて否定文が作れる。
2週 集合と写像 単斜・全射を理解し証明できる。
3週 線形空間の定義 線形空間の概念が理解できる。
4週 部分空間 部分空間の概念が理解できる。
5週 線形独立性、線形従属性 線形独立性、線形従属性を理解し証明できる。
6週 基底と次元 基底と次元を求めることができる。
7週 線形写像の諸概念 線形写像の概念が理解できる。
8週 数ベクトル空間上の線形写像 特に、数ベクトル空間上の線形写像について理解を深めることができる。
4thQ
9週 線形写像の表現の単純化-基底の取り替え 線形写像の表現の単純化について理解できる。
10週 固有値、固有ベクトル 固有値、固有ベクトルが求められる。
11週 行列の対角化 行列の対角化ができる。
12週 対角化の応用-線形漸化式への応用 対角化を線形漸化式へ応用することができる。
13週 対角化の応用-線形微分方程式への応用 対角化を線形微分方程式へ応用することができる。
14週 エルミート行列とユニタリ行列 エルミート行列とユニタリ行列
15週 複素行列の対角化 複素行列の対角化ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合65000035100
基礎的能力3000002050
専門的能力3500001550
分野横断的能力0000000