概要:
触媒は化学工業の根幹をなすものであり、環境・エネルギー・バイオなどをはじめとするあらゆる分野において、必要不可欠な材料である。また最近では、触媒という名前がついていながら、考え方が全く異なる学問分野として光触媒が台頭してきている。本講義ではこれら触媒・光触媒の調製方法、評価方法、作用機構に関する一般的な知識を学ぶとともに、化学全般にわたる多くの諸原理についても学習する。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で触媒開発を担当していた教員がその経験を生かし、触媒の調製やキャラクタリゼーション、触媒活性評価等の具体的な方法について、授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書以外に参考資料を配布し、ゼミ形式で講義を進める。
また、実験初心者が評価を誤りやすい点について、各測定別に解説を行う。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
また、与えられた課題について各自の発表を課す。
関連科目:物理化学、材料化学、材料物性学、電気化学。
注意点:
(1)到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度、およびその活用度を評価基準とする
(2)定期試験70%、課題30%として評価し、60点以上を合格とする
(3)再試験は実施しない
(4)本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。授業後に毎回宿題を課すので、次回に小レポートとして提出すること
(5)事前学習として、指定した教科書のページを事前に読んでおくこと
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
紫外可視分光法 |
ランベルトーベールの法則ならびにクベルカームンク関数について説明できる。
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2週 |
蛍光光度法 |
蛍光の原理、ならびに回折格子と光電子増倍管を用いた場合の問題点について説明できる。
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3週 |
原子吸光分析法と発光分析法 |
絶対検量線法、標準添加法について説明できる。
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4週 |
質量分析法ならびに電気化学的測定法 |
質量分析ならびに電気化学的測定の有用性について説明できる。
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5週 |
クロマトグラフィー |
ガスクロマトグラフィーならびに液体クロマトグラフィーについて説明できる。
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6週 |
触媒特性の3要素(活性・選択性・寿命) |
触媒特性の3要素(活性・選択性・寿命)について説明できる。
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7週 |
触媒・触媒化学の歴史 |
金属触媒と酸化物触媒などの違いについて説明できる。
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8週 |
化学産業と触媒プロセス |
触媒の調製方法について説明できる。
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4thQ |
9週 |
触媒反応の反応機構および反応速度論 |
ターンオーバー数について説明できる。
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10週 |
石油精製プロセスおよび石油化学プロセス |
石油精製プロセスおよび石油化学プロセスについて説明できる。
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11週 |
工業触媒 |
水素の製造方法やC1化学について説明できる。
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12週 |
ファインケミカルズ合成触媒 |
ゼオライト系触媒について説明できる。
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13週 |
環境触媒 |
脱硝触媒ならびに脱硫触媒について、説明できる。
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14週 |
エネルギー関連触媒 |
燃料電池用触媒ならびにメタノール製造触媒について説明できる。
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15週 |
光触媒 |
酸化チタンを例に、光触媒のメカニズムを説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後4,後5,後10,後11,後15 |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 3 | 後1,後2,後15 |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 3 | 後15 |
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。 | 3 | 後2,後15 |
無機材料 | 原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。 | 3 | 後4,後5,後15 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後15 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | 後3,後4,後12,後15 |
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |