輸送現象論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 輸送現象論
科目番号 6M22 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(材料工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 金属材料組織学(松原英一郎ら,朝倉書店)/プリント
担当教員 森園 靖浩

到達目標

1. 固体内における原子の移動と拡散について理解する。
2. 拡散方程式とその解について理解する。
3. 相互拡散をはじめとする様々な拡散現象を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体内における原子の移動と拡散について正しく理解している。固体内における原子の移動と拡散について説明できる。固体内における原子の移動と拡散について全く理解していない。
評価項目2拡散方程式とその解について十分に理解している。拡散方程式とその解について理解している。拡散方程式とその解について全く理解していない。
評価項目3固体内で起こる様々な拡散現象について十分に理解している。固体内で起こる様々な拡散現象について理解している。固体内で起こる様々な拡散現象について全く理解していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ビーカーに入った水に一滴の赤インクをたらすと,時間とともに赤い色が全体に広がっていきます。これは拡散現象の一例ですが,「固体内での拡散」は相変態によるミクロ組織の形成過程や材料の複合化過程などを知る上で極めて重要です。本講義では,この拡散現象に関する理解を深め,今後の研究活動に役立つ知識を身につけることを目的とします。
<キーワード>
拡散係数,拡散の活性化エネルギー,化学ポテンシャル,フィックの法則,カーケンドール効果,相互拡散,粒界拡散,表面拡散,格子拡散,反応拡散,原子の移動度
授業の進め方・方法:
必要に応じてプリントを配付します。
関連科目(本科):金属物理学1・2,金属材料学1・2,材料組織学,接合工学・複合材料
注意点:
期末試験90%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上の場合を合格とします。再試験は実施しません。
評価基準:到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度,さらにその基本的活用度を評価基準とします。
事前学習:次週の授業範囲を予習し,専門用語の意味などを理解しておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 拡散とは何か? 身の回りの拡散現象について考えます。
2週 原子の拡散機構 侵入型拡散や空孔型拡散について理解します。
3週 酔歩理論(Random walk) 酔歩理論について理解します。
4週 フィックの第1法則(Fick’s first law) フィックの第1法則の意味を理解します。
5週 拡散係数の温度による変化 拡散係数と温度の関係式の導出方法を理解します。
6週 定常・非定常状態での拡散 フィックの第2法則の意味を理解します。
7週 拡散方程式の解 拡散方程式の解について理解します。
8週 拡散係数の求め方 拡散方程式の解に基づいた「拡散係数の求め方」について理解します。
4thQ
9週 カーケンドール効果(Kirkendall effect) カーケンドール効果について理解します。
10週 置換型合金における拡散 カーケンドール効果に基づいて,置換型合金における拡散を考えます。
11週 俣野界面(Matano interface) 俣野界面について理解します。
12週 Up-hill diffusion Up-hill diffusion(逆拡散)について理解します。
13週 原子の移動度(Atomic mobility) 原子の移動度について理解します。
14週 様々な拡散経路 表面拡散や粒界拡散などについて理解します。
15週 反応拡散(Reaction-diffusion)
反応拡散について理解します。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4後1,後2,後3
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。4後1,後2,後3
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3後1,後2,後3
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3後1,後2,後3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000