材料強度学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料強度学
科目番号 6M23 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(材料工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「講座・現代の金属学 材料編2 ミクロ組織の熱力学」(日本金属学会)/プリント
担当教員 森園 靖浩

到達目標

1.Fickの第1法則,第2法則を導出できる。
2.拡散方程式とその解について理解する。
3.相互拡散をはじめとする様々な拡散現象について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Fickの第1法則,第2法則を正しく導出でき,その意味を理解している。Fickの第1法則,第2法則を導出できる。Fickの第1法則,第2法則について理解していない。
評価項目2拡散方程式とその解について十分に理解している。拡散方程式とその解について理解している。拡散方程式とその解について全く理解していない。
評価項目3相互拡散をはじめとする様々な拡散現象について正しく説明できる。相互拡散をはじめとする様々な拡散現象について説明できる。相互拡散をはじめとする様々な拡散現象について全く理解していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料の強化機構の一つである,固溶硬化や析出硬化では,その根本となる材料中での組織形成過程との関連も十分に理解しておかなければならない。そこでは,材料内部で起こる拡散現象の知識が不可欠である。本講義では,材料の複合化プロセスにおいても有益な「固体内での拡散現象」について理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
テキストを参照しながら,拡散現象の基礎から応用までを取り扱う。必要に応じてプリントを配付する。
注意点:
中間試験45%,期末試験45%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上を合格とする。必要に応じて再試験を実施する(但し1回のみ)が,評点は60点とする。
評価基準:到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度,さらにその基本的活用度を評価基準とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 拡散とは何か? 身の回りの拡散現象について考える。
2週 原子の拡散機構 侵入型拡散や空孔型拡散について理解を深める。
3週 酔歩理論 酔歩理論について理解する。
4週 Fickの第1法則 Fickの第1法則の意味について理解を深める。
5週 拡散係数の温度による変化 拡散係数と温度の関係式の導出方法を理解する。
6週 定常・非定常状態での拡散 Fickの第2法則の意味について理解を深める。
7週 拡散方程式の解 拡散方程式の解について理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 拡散係数の求め方 拡散方程式の解に基づいた「拡散係数の測定方法」について理解する。
10週 カーケンドール効果 カーケンドール効果について理解を深める。
11週 置換型合金における拡散 カーケンドール効果に基づいて,置換型合金における拡散を考える。
12週 俣野界面 俣野界面について理解する。
13週 Up-hill diffusion Up-hill diffusionについて理解する。
14週 原子の移動度 原子の移動度について理解する。
15週 様々な拡散経路
表面拡散や粒界拡散などについて理解する。
16週 反応拡散 反応拡散について理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000