構造材料学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 構造材料学
科目番号 0219 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻(材料工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「マテリアル工学シリーズ2 金属組織学」高木節雄、津崎兼彰、朝倉書店
担当教員 川上 雄士

到達目標

1.金属材料の組織と特性の関係を十分に理解し説明できる。
2.金属材料の高強度化機構について理解し説明できる。
3.材料組織学と金属物理学の関連を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の組織と特性の関係を説明できる。金属材料の組織と特性の関係を十分に理解できる。金属材料の組織と特性の関係を十分に理解できない。
評価項目2金属材料の高強度化機構について説明できる。金属材料の高強度化機構について理解できる。金属材料の高強度化機構について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属材料の性質は化学成分や材料組織に大きく依存する。加えて、最終的に金属材料の特性を決定する熱処理や加工処理および変態などの機構を十分理解する事が、構造材料の利用技術や製造技術においては非常に重要である。本講義では、これらの機構について講義する。
授業の進め方・方法:
定期試験(中間試験40%+期末試験40%、中間試験を実施しなかった時は期末試験のみで評価)80%、小テスト・課題等20%として評価する。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度とその活用度を評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする。
必要に応じて再試験を実施するが、評価は60点とする。
注意点:
教科書およびプリントを使用して講義する。また、演習問題を解かせて発表させる。今までに学んだ基礎的な事をベースに、実用例も引用して応用力をつける。金属材料の開発および製造技術全体の材料組織制御の感性を養う。
 関連科目:金属物理学、材料組織学、金属材料学、物理化学
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 結晶中の原子配列 結晶中の原子配列について理解できる
2週 構造材料と組織の関係 構造材料と組織の関係について理解できる
3週 熱力学と状態図(一成分系、二成分系単相) 一成分系、二成分系単相について熱力学と状態図の関係が理解できる
4週 熱力学と状態図(二成分系二相) 二成分系二単相について熱力学と状態図の関係が理解できる
5週 状態図と組織の関係 状態図と組織の関係が理解できる
6週 構造材料の組織と機械的性質 構造材料の組織と機械的性質について理解できる
7週 単相組織、複相組織 単相組織、複相組織の違いについて理解できる
8週 共析変態で形成される共析組織 共析変態で形成される共析組織について理解できる
4thQ
9週 回復・再結晶 回復/再結晶について理解できる
10週 再結晶の速度論 再結晶の速度論について理解できる
11週 拡散変態変態の駆動力と核生成の駆動力 拡散変態変態の駆動力と核生成の駆動力について理解できる
12週 析出物の粗大化過程 析出物の粗大化過程について理解できる
13週 スピノーダル分解 スピノーダル分解について理解できる
14週 マルテンサイト変態 マルテンサイト変態について理解できる
15週 構造物の破壊事例 構造物の破壊事例について調査を行い、原因・対策を理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。3後1
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。4後1
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3後1,後13
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。2後1
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4後1
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3後1
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。3後1
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。4後1
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3後1,後14
金属材料純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。3後2,後5,後6,後7,後8,後14
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。3後2,後5,後6,後7,後8,後14
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。2後2,後5,後6,後7,後8,後14,後15
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。2後2,後5,後6,後7,後8,後14,後15
合金鋼の状態図の読み方を利用して炭化物の種類や析出挙動を説明できる。2後4,後5,後6,後7,後8,後12,後14,後15
状態図を用いて、鋳鉄の性質および組織について説明できる。2後2,後6,後7,後8,後15
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。2後2,後5,後6,後7,後8,後12,後13,後14,後15
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。2後2,後5,後6,後7,後8,後12,後13,後14,後15
物理化学仕事、熱、エネルギーの概念について説明できる。2後3,後4,後9,後10,後11,後12,後13
熱力学第一法則と内部エネルギーの概念を説明できる。2後3,後4,後12
膨張の仕事が計算でき、仕事が状態量でないことを理解できる。2後3,後4
内部エネルギー、熱、仕事の符号の規則を説明でき、膨張の仕事を計算できる。2後3,後4
エンタルピーの定義およびエンタルピーが状態量であることを説明できる。2後3,後4
断熱変化に伴う温度変化を計算できる。2後3,後4
標準生成エンタルピーの物理的意味を理解し、反応エンタルピーを計算できる。2後3,後4
反応エンタルピーの温度依存性に関するキルヒホッフの法則を理解し、いろいろな反応の反応エンタルピーを計算できる。2後3,後4
定圧熱容量と定容熱容量の関係式が導出できる。2後3,後4
エントロピーの定義を理解し、不可逆過程におけるエントロピー生成について説明できる。2後3,後4
ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーの定義および自発的変化の方向性との関連について説明できる。2後3,後4
標準モルギブズエネルギーの定義に基づいて標準反応ギブズエネルギーを計算できる。2後3,後4
内部エネルギーと巨視的熱力学量の関係を導出できる。2後3,後4
ギブズエネルギーと巨視的熱力学量との関係を導出できる。ギブスーヘルムホルツの式を導出できる。2後3,後4
純物質の化学ポテンシャルの定義と物理的意味を理解し、理想気体の化学ポテンシャルを計算できる。2後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80500015100
基礎的能力300000535
専門的能力5000001060
分野横断的能力0500005