人間科学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 人間科学Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 参考書(購入の必要はない)  針貝邦生『ヴェーダからウパニシャッドへ』Century Books 人と思想 165 /清水書院  上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』/ちくま学芸文庫 服部 正明『古代インドの神秘思想―初期ウパニシャッドの世界』/講談社 学術文庫 前田 専学『インド哲学へのいざない―ヴェーダとウパニシャッド』NHK ライブラリー126/NHK 出版 定方晟『インド宇宙論大全』/春秋社  渡瀬信之『マヌ法典―ヒンドゥー教世界の原型』/中公新書
担当教員 山口 英一

到達目標

1.バラモン教聖典のおける祭式と神と人間との関係の変化を説明できる。
2.南アジアにおける倫理観の根幹をなす「輪廻思想・業理論」の成立過程を説明できる。
3.日本とは異なる現代インドの文化・価値観に関して,日本との違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1バラモン教のおける祭 式と神と人間との関係 が時代とともに変化す る状況を社会変化につ いて,文献の時代を追 って説明できる。バラモン教聖典のお ける祭式と神と人間 との関係の変化を不 十分ながら説明でき る。バラモン教聖典のお ける祭式と神と人間 との関係の変化を説 明できない。
評価項目2「輪廻思想・業理論」 の成立過程を聖典文献 の記述に従い説明できる。「輪廻思想・業理論」 の成立過程を不十分 ながら説明できる。「輪廻思想・業理論」 の成立過程を説明で きない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 A-1 説明 閉じる
学習教育到達目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業は基本的に板書を中心とした講義形式で行います。バラモン教を中心 にした宗教思想と現代インドの文化を紹介します。南アジアにおける倫理 観の根幹をなす「輪廻思想・業理論」の登場,バラモン教のおける祭式と 神との関係の変化などに見られる形而上学的世界の多層性を学びます。 受講生諸君に一層の興味を持ってもらうために,関連する写真・録音・ビ デオなどの提示資料を使っていきます。この授業を通じて南アジア文化全 般への理解を深めてもらいたいと思います。
授業の進め方・方法:
板書を中心とする講義形式ですが,授業では学生とのやり取りをしながら説明を行いますので積極的な参加姿勢を期待します。授業内容の理解,異文化を柔軟に受け入れる視点とその変化をチェックするため,毎回の授業後にコメント・カードを書いてもらいます。
注意点:
授業中に配布する資料の全部は時間内に読めませんから,予習・復習として自分で読んでおいて下さい。その他に,参考文献やインターネット上での情報ソースなどを示します。各自の興味でそれらを参照し,より一層の理解を深めて下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入=南アジア文化の 理解のために1 南アジアにおける文化の多様性と言語の関わ りについて理解できる
2週 導入=南アジア文化の 理解のために2 南アジアには歴史的にどのような宗教が成立 してきたのかを理解できる
3週 バラモン教とヴェーダ バラモン教の成立について歴史的背景と祭式 の意味を理解できる
4週 ヴェーダ・サンヒター1 リグヴェーダにおける人間と神々の関係について理解できる
5週 ヴェーダ・サンヒター2 古代インド人は「ことばの持つ力」をどう考え たのか理解できる
6週 ブラーフマナ文献1 ブラーフマナとはどのような文献群なのかを理解できる
7週 ブラーフマナ文献2 祭式万能主義とは,どのような考え方なのかを 理解できる
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
ウパニシャッド文献1
ウパニシャッドとは、どのような文献なのかを理解できる
10週 ウパニシャッド文献2 輪廻思想成立当時の社会的変化について理解 できる
11週 ウパニシャッド文献3 ブラフマンとアートマンの概念を理解できる
12週 ウパニシャッド文献4 輪廻思想はどのようにして成立したのかを理 解できる
13週 バラモン教における生 き方1 バラモン教における「人生の4つの目的」とは何かを説明できる
14週 バラモン教における生 き方2 インドにおける菜食主義の持つ意味を理解できる
15週 期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700002010100
基礎的能力700002010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000