概要:
本科目は
,
「熱力学」の学問分野の基礎的な部分をわかりやすく
,
丁寧
に講義し,熱エネルギーから仕事への変換について,その本質から理解し
て,実際の問題に柔軟に対応できる能力の基盤を作ることを目標とするも
のである.そのために,理論だけの学習ではなく,教卓上の実験も取り入
れて
,実際の現象をなるべく多く観察し,身近な「熱力学」の知識が身に
付くようにしている.
また
,エネルギーの生産・消費に伴う環境問題に対
しては,主に,地球温暖化現象を取り上げ,そのメカニズムを理解し,温
暖化に対する関心を喚起するとともに,温暖化防止に関する技術的知識を
身に付けることを目標としている.
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,
1
回の
授業ごとに授業内容のまとめをレポートとして
提出してもらう.
注意点:
物理学の知識を有することが望ましい.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
熱力学への導入 |
熱力学という学問の歴史と , その学習意義を 理解し , 勉学意欲の喚起と学習への動機付け ができること これから学習する内容の概略が理解できるこ と.
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2週 |
熱力学で用いる物理量 ( 1 )
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温度,圧力に関する知識を確実に身に付けら れること
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3週 |
熱力学で用いる物理量 ( 2 )
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熱量,比熱に関する知識を確実に身に付けら れること
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4週 |
熱力学で用いる物理量 ( 3 )
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密度,質量に関する知識を確実に身に付けら れること 工学単位と国際単位との間の換算ができるこ と
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5週 |
熱力学第一法則( 1 )
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熱エネルギーと仕事の関係を理解することが できること
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6週 |
熱力学第一法則( 2 )
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内部エネルギーの概念を理解することができ ること
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7週 |
熱力学第一法則( 3
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熱力学第一法則の内容を理解することができ ること
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8週 |
【前 期中間試験】
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2ndQ |
9週 |
熱力学第一法則( 4 )
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仕事 , エンタルピの概念を理解することがで きること
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10週 |
熱力学第二法則( 1 )
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熱エネルギーと仕事との変換に関する方向性 について理解することができること
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11週 |
熱力学第二法則( 2 )
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可逆変化と非可逆変化について理解すること ができること
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12週 |
熱力学第二法則( 3 )
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熱力学第二法則の内容を確実に理解すること ができること
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13週 |
熱力学第二法則( 4 )
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エントロピの概念とこの物理量の意味につい て理解することができること
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14週 |
熱力学第二法則( 5 )
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サイクルと熱効率について理解することがで きること
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
完全ガス( 1 )
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完全ガスの定義とその必要性について理解す ることができること
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2週 |
完全ガス( 2 )
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完全ガスの従う法則を理解し , 状態方程式を 導き出すことができること
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3週 |
完全ガス( 3 )
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混合ガスに関する計算ができること
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4週 |
完全ガスの状態変化( 1 )
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状態変化の種類に関する知識を得ることがで きること
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5週 |
完全ガスの状態変化( 2 )
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状態変化に伴う熱と仕事の出入りに関する理 論を理解することができること
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6週 |
完全ガスの状態変化( 3 )
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等圧・等積変化における状態量と熱および仕 事量の計算ができること
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7週 |
完全ガスの状態変化( 4 )
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等温・断熱・ポリトロープ変化における状態量と熱および仕事量の計算ができること
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8週 |
【前期中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
完全ガスの状態変化( 5 )
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状態変化を用いたカルノーサイクルの熱効率 の計算ができること 各状態変化におけるエントロピの変化量の計 算ができること
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10週 |
蒸気の性質( 1 )
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水の状態変化と蒸気の特性について理解する ことができること
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11週 |
蒸気の性質( 2 )
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蒸気表を用いた蒸気の状態変化の計算ができ ること
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12週 |
蒸気の性質( 3 )
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蒸気表を用いて,ボイド率や乾き度の計算を することができること
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13週 |
冷凍と空調( 1 )
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冷凍のメカニズムを理解することができるこ と
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14週 |
冷凍と空調( 2 )
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冷凍サイクルとその構成機器の知識を得るこ とができること
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 3 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 3 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 3 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 3 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 3 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 3 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 3 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 3 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 3 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 3 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 3 | |
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。 | 3 | |
熱の有効エネルギーを説明できる。 | 3 | |
水の等圧蒸発過程を説明できる。 | 3 | |
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。 | 3 | |
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。 | 3 | |