応用物理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理学Ⅰ
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:『総合物理2‐波・電気と時期・原子‐』 数研出版副教材:『新課程 リードα 物理基礎・物理』 数研出版    『新課程 フォトサイエンス物理図録』 数研出版
担当教員 鮫島 朋子

到達目標

物理的な事物・事象についての観察を行い、物理的に探求する能力を身につけると共に、基本的な概念や原理・法則を理解できる。
1.物理学に関する実験を行い、内容を理解できる。
2.波動の性質について理解できる。
3.電場と電流について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験内容および実験方法、実験することの意味、測定データの整理法ついて説明でき、報告書をまとめて提出できる。実験内容および実験方法、実験することの意味、測定データの整理法ついて概略を説明でき、報告書をまとめて提出できる。実験内容および実験方法、実験することの意味、測定データの整理法ついて概略が説明できず、報告書をまとめて提出できない。
評価項目2波動の基本的な性質、音、光について、正しく作図および計算ができ、現象を理解できる。波動の基本的な性質、音、光について、作図および計算ができ、概要を理解できる。波動の基本的な性質、音、光について、理解できない。
評価項目3電場と電位、コンデンサー、直流回路(キルヒホッフの法則、非直線抵抗、コンデンサーを含む回路)等について、論理的に説明できる。電場と電位、コンデンサー、直流回路(キルヒホッフの法則、非直線抵抗、コンデンサーを含む回路)等について、概略を説明できる。電場と電位、コンデンサー、直流回路(キルヒホッフの法則、非直線抵抗、コンデンサーを含む回路)等について、概略を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 物理学は例えば力学、熱、波動などいくつかの分野に分けられるが、前期週1コマで行う物理学実験は、物理学の各分野において重要と思われるテーマを取り上げて、学生自身が実験することで体験的に物理的な理解を深めることを目的としている。原則として2人1組で実験を行い、各自で測定データを整理し定量的な結果を求め、得られた結果について検討・吟味して報告書としてまとめるものである。1~2学年で学んだ基礎物理学は物理の分野で学ぶべき基礎的内容の一部であり、工学の分野を学び理解するために必要な内容がまだかなり残されている。1週あたり前期1コマ、後期1コマのコマ数配分で行う講義形式の授業では、残っている基礎的な物理学の分野の中で、ぜひ理解し習得して欲しい内容について学習する。
 3学年の応用物理学全体を通して、論理的な思考や考え方、数式の展開などについても学年進行にふさわしい学力を身につけることができる。
授業の進め方・方法:
 実験(前期1コマ)と講義(前期1コマ、後期1コマ)に分けて実施する。
 実験は、単振り子による重力加速度の測定、つるまきばねの振動、ヤング率の測定、気柱の共鳴、屈折率の測定、光の波長測定、ニュートンリングによる曲率半径の測定、固体の比熱測定、固体の線膨張率測定、等電位線の測定、抵抗の測定、電気抵抗の測定、放射線の測定の中から毎週1テーマを2人1組で実施する。講義では、内容の理解と定着をはかるため、演習問題を授業の進度に合わせて適宜レポートとして解答・提出してもらう。また、必要に応じて小テスト等を行う。
 なお、成績は定期試験および課題試験を50%、実験の報告書を30%、小テストおよび宿題レポートを20%として総合的に評価し、60%以上の得点率で目標達成とみなす。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・授業の概要説明 1年間の取り組みについて理解する。
2週 ・実験ガイダンス
(第1章 波の性質)
・波の発生と正弦波
測定機器の使用法、波の発生と伝わり方、波の表し方、正弦波の式について理解する。
3週 ・実験ガイダンス
・位相、横波と縦波
誤差と最小二乗法、波の位相、横波と縦波、波のエネルギーについて理解する。
4週 ・実験
・重ね合わせの原理
実験を行い、報告書を作成する。波の重ね合わせおよび定常波について理解する。
5週 ・実験
・ホイヘンスの原理
実験を行い、報告書を作成する。波の反射・干渉・屈折・回折、ホイヘンスの原理について理解する。
6週 ・実験
(第2章 音)
・音の性質
実験を行い、報告書を作成する。音の性質について理解する。
7週 ・実験
・発音体の振動
実験を行い、報告書を作成する。発音体の振動および共振と共鳴について理解する。
8週 ・前期中間試験
2ndQ
9週 ・実験
・テスト返却と解説
実験を行い、報告書を作成する。中間試験の問題の解法を理解する。
10週 ・実験
・音のドップラー効果
実験を行い、報告書を作成する。音のドップラー効果について理解する。
11週 ・実験
(第3章 光)
・光の性質
実験を行い、報告書を作成する。光の性質について理解する。
12週 ・実験
・レンズ
実験を行い、報告書を作成する。レンズの性質と写像公式について理解する。
13週 ・実験
・光の干渉
実験を行い、報告書を作成する。光の干渉について理解する。
14週 ・光の回折 光の回折および光に関する問題の解法について理解する。
15週 ・前期末試験
16週 ・テスト返却と解説 期末試験の問題の解法を理解する。
後期
3rdQ
1週 (第1章 電場)
・静電気力(1)
帯電のしくみ、静電誘導と誘電分極について理解する。
2週 ・静電気力(2) クーロンの法則について理解する。
3週 ・電場
電場、電気力線について理解する。
4週 ・電位 電位について理解する。
5週 ・物質と電場 導体と不導体中の電場について理解する。
6週 ・演習 電場と電位に関する問題の解法について理解する。
7週 ・コンデンサー(1) コンデンサーの充電、電気容量、誘電体について理解する。
8週 ・後期中間試験
4thQ
9週 ・テスト返却と解説
・コンデンサー(2)
中間試験の問題の解法を理解する。コンデンサーの接続、静電エネルギーについて理解する。
10週 ・オームの法則(1) 電流、オームの法則、抵抗率、ジュール熱のしくみについて理解する。
11週 ・オームの法則(2) 抵抗の接続、電流計と電圧計のしくみについて理解する。
12週 ・直流回路(1) キルヒホッフの法則、電池の起電力と内部抵抗について理解する。
13週 ・直流回路(2) ホイートストンブリッジ回路、非直線抵抗、コンデンサーを含む直流回路について理解する。
14週 ・演習 コンデンサー、直流回路に関する問題の解法について理解する。
15週 ・学年末試験
16週 ・テスト返却と解説 期末試験の問題の解法を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力50000500100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000