概要:
水力学は機械工学の基礎科目であり,一次元流れの力学である.静止または運動している流体について速度,力,エネルギなどの所要な物理量の関係を力学的な面から考える.本科目では1) 流体の物理的性質,2) 静止流体の静力学,3) 流体運動の基礎理論,4) 粘性とエネルギ損失,5) 管路の抵抗について学ぶ.また,これらの項目に関連する応用力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,1回の授業ごとに前回の復習を行ってから次の内容の学習に入る.また,ある程度学習した時点でレポートを提出する.
注意点:
3年次までの数学や物理の知識を有することが望ましい.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
流体力学の歴史や性質 |
流体力学の歴史や性質を理解することができる
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2週 |
密度,比重量,比重 |
密度,比重量,比重を理解し,求めることができる
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3週 |
圧力 |
絶対圧,ゲージ圧,真空圧を理解し,求めることができる
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4週 |
圧縮率,体積弾性係数 |
圧縮率と体積弾性係数を理解し,求めることができる
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5週 |
粘度,動粘度 |
粘度と動粘度を理解し,求めることができる
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6週 |
パスカルの原理,オイラーの平衡方程式 |
パスカルの原理,オイラーの平衡方程式を理解し,静止流体の圧力変化を求めることができる
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7週 |
圧力の単位,マノメータ |
圧力の単位,マノメータの原理を理解し,圧力を求めることができる
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8週 |
【前期中間試験】 |
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2ndQ |
9週 |
静止流体中の物体に作用する力 |
静止流体中の物体に作用する力とその作用点を理解し,それらを求めることができる
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10週 |
液体を入れた容器の運動(直線) |
液体を入れた容器の運動(直線)を理解し,容器内の圧力を求めることができる
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11週 |
液体を入れた容器の運動(回転) |
液体を入れた容器の運動(回転)を理解し,容器内の圧力を求めることができる
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12週 |
アルキメデスの原理 |
アルキメデスの原理を理解し,浮揚体の安定性の判定ができる
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13週 |
流れの運動 |
流れの運動を理解する
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14週 |
流線,流れの道筋,流管 |
流線,流れの道筋,流管を理解する
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
連続の式 |
一次元流れの連続の式を理解する
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2週 |
噴流の空気中での運動状態 |
噴流の空気中での運動状態量を求めることができる
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3週 |
オイラーの運動方程式,ベルヌーイの式 |
オイラーの運動方程式よりベルヌーイの式を導出し,応用できる
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4週 |
ベルヌーイの式の応用 |
ベルヌーイの式を応用し,関係する物理量を求めることができる
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5週 |
ベルヌーイの式の応用 |
ベルヌーイの式を応用し,関係する物理量を求めることができる
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6週 |
循環および渦度① |
循環および渦度を理解し,それらを求めることができる
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7週 |
循環および渦度② |
循環および渦度を理解し,それらを求めることができる
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8週 |
【後期中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
粘性,レイノルズ数 |
粘性やせんだん応力,レイノルズ数を理解し,応用できる
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10週 |
層流,乱流① |
層流と乱流における速度分布を理解し,求めることができる
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11週 |
層流,乱流② |
層流と乱流における圧力損失を理解し,求めることができる
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12週 |
損失のある管路の流れや助走距離 |
助走区間における流れの発達を理解し,助走距離を求めることができる
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13週 |
管路における各種損失 |
管路における各種損失を理解し,それらを求めることができる
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14週 |
複合管路における流量 |
複合管路における流量を理解し,それらを求めることができる
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。 | 4 | 前1 |
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。 | 4 | 前1,前4,前5 |
圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる。 | 4 | 前2 |
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。 | 4 | 前2 |
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。 | 4 | 前3,前7 |
パスカルの原理を説明できる。 | 4 | 前3,前6 |
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。 | 4 | 前7 |
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。 | 4 | 前9,前10,前11 |
物体に作用する浮力を計算できる。 | 4 | 前9,前12 |
定常流と非定常流の違いを説明できる。 | 4 | 前13 |
流線と流管の定義を説明できる。 | 4 | 前14 |
質量保存則と連続の式を説明できる。 | 4 | 後1 |
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。 | 4 | 後1 |
オイラーの運動方程式を説明できる。 | 4 | 後3 |
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。 | 4 | 後3,後4,後5 |
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。 | 4 | |
層流と乱流の違いを説明できる。 | 4 | 後9,後10,後11 |
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。 | 4 | 後9,後10,後11 |
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。 | 4 | 後12 |
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。 | 4 | 後12 |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 2 | 前3 |