機械工学実験

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機械工学実験
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 機械工学科および電気工学科で作成した実験手引書
担当教員 堀田 源治,明石 剛二,坪根 弘明,篠崎 烈,坂本 武司

到達目標

1.実験の基礎となる各専門の基礎科目が理解できること.
2.機械の諸性能の試験方法を理解し,実施でき,共同作業ができること.
3.実験目的,内容,実験結果をまとめ,考察を加えた報告書を作成,期限内提出できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の基礎となる各専門の基礎科目内容を報告書の目的,内容に正しい表現,数式を用いて記述説明できる.実験の基礎となる各専門の基礎科目内容を報告書の目的,内容に記述できる.実験の基礎となる各専門の基礎科目内容を報告書の目的,内容に記述できない.
評価項目2実験装置の理解や,共同作業により得られた実験結果,考察を正しい表現,数式を用いて記述説明できる.実験装置の理解や,共同作業により得られた実験結果,考察を記述できる.実験装置の理解や,共同作業により得られた実験結果,考察を記述できない.
評価項目3正しく実験目的,内容,実験結果をまとめ,正しく深い考察を加えた報告書を作成し,期限内に提出できる.実験目的,内容,実験結果をまとめ,考察を加えた報告書を作成し,期限内に提出できる.実験目的,内容,実験結果をまとめ,考察を加えた報告書を作成し,期限内に提出できない.

学科の到達目標項目との関係

 学習教育到達目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有明高専の教育目標は実践に強い技術者を送り出すことにあり,これまで多くの企業において高い評価を得てきました.機械工学科ではこのような技術者を育てるために,機械設計製図,機械実習,機械工学実験に多くの時間を当てるなど力を入れています.座学で多岐にわたる専門科目を学び,広い専門知識の取得や論理的思考能力の育成を行うと共に,座学で学んだ事柄を実験で確かめることは確たる力を付けるのに役立ちます.本実験では,教員主導で実験を進めるのではなく,学生自らが実験手引き書を読み,現象を見て考えながら実験を進めます.また学際性を高めるために,全実験の約1/3は電気工学実験を行います.実験報告書は単に実験結果の記述に終わるのではなく,実験の背景について理解して自分の言葉で記述し,また実験結果については教科書や文献を調べるなど実験結果について適切なマトメと考察を要求します.このように多数の実験で経験した事柄は,企業に入ってからの開発実験現場や製造現場で大いに役立ち,実践に強い技術者,思考能力のある技術者となる事ができます.
授業の進め方・方法:
実験テーマ毎に数名のグループに分かれて各実験を行います.実験には1週(1.5コマ),2週(3コマ)で終了するものがあります.一つの実験が終了すると次週からは次の実験を行います.実験のスケジュールは実験手引書に添付しています.後期初めにはインターンシップ報告会(3コマ)を含めます.また,工場見学を含めることもあります.実験報告書の提出期限は原則,次の実験開始日の1限目授業開始前とします.(試験,長期休暇前などは事前に連絡します)なお,提出期限を過ぎた場合は減点します.詳しくは実験手引書を見てください.また,インターンシップ,工場見学レポートは実験報告書に含めます.
注意点:
毎時間の予習を行ない,関数電卓を持参すること.
実験中は,作業服を着用し,安全作業に心がけること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料試験 金属材料の機械的性質と,それを評価する基本的な試験方法(引張試験,衝撃試験,硬さ試験)を説明することができる.
2週 弾性率の測定と梁に生じる曲げ応力の測定 金属材料の機械的性質と,ひずみゲージを用いた計測方法を説明することができる.
3週 溶接部の顕微鏡組織観察と硬さ試験 炭素鋼を熱処理することによって生じる金属組織の変化と機械的性質の変化を関連付けて説明することができる.
4週 燃料の発熱量の測定 断熱熱量計を使った実験的な燃料(石炭)の発熱量の測定方法について理解し,実験経過や結果について考察し説明できる.
5週 引火点の測定 ペンスキーマルテンス引火点測定装置を使った実験的な引火点の測定方法について理解し,実験経過や結果について考察し説明できる.
6週 粘度の測定 レッドウッド粘度計を使った実験的な粘度変化の測定方法について理解し,実験経過や結果について考察し説明できる.
7週 マシニングセンタ加工実験1 マシニングセンタを用いた加工のメリットを理解できる.
8週 マシニングセンタ加工実験2 マシニングセンタの作業工程を理解できる.
2ndQ
9週 油圧サーボ実験Ⅰ 油圧サーボの原理,負荷特性を理解できる.
10週 エンジン分解組み立て1 ディーゼルエンジンの分解と組立を通して,内燃機関やエンジンの仕組みについて理解し,各種隙間の測定や燃料の噴射状態を視認することで,エンジンの状態を確認することができる.
11週 エンジン分解組み立て2 ディーゼルエンジンの分解と組立を通して,内燃機関やエンジンの仕組みについて理解し,各種隙間の測定や燃料の噴射状態を視認することで,エンジンの状態を確認することができる.
12週 抗力係数測定実験 抗力や効力係数について理解し,実験を通して抗力係数を算出することができる.
13週 ピトー管による風量測定 ピトー管による風速の測定に関する基本について理解し,実験を通して,管内の速度分布や流量を算出し,各種条件による流量や速度分布への影響をまとめることができる.
14週 メカトロニクス実験1 メカトロニクスの構成要素,構成要素の働き,基本制御プログラム作成,応用プログラム作成が理解できる.
15週 メカトロニクス実験2 与えられた課題に対して課題克服のための装置改良,プログラム開発,改良ができる.
16週
後期
3rdQ
1週 インターンシップ報告会1 夏季休業期間中に各企業で実習してきた内容を決められた時間内にマトメ,発表できる.
2週 インターンシップ報告会2 夏季休業期間中に各企業で実習してきた内容を決められた時間内にマトメ,発表できる.
3週 インターンシップ報告会3 夏季休業期間中に各企業で実習してきた内容を決められた時間内にマトメ,発表できる.
4週 工場見学1 座学,実験で学んできた内容が企業ではどのように用いられているかを理解できる.
5週 工場見学2 座学,実験で学んできた内容が企業ではどのように用いられているかを理解できる.
6週 工場見学3 座学,実験で学んできた内容が企業ではどのように用いられているかを理解できる.
7週 電流電圧計法と電球の抵抗測定 未知抵抗を求める際に生じる誤差,ジュール熱によって変化する抵抗について理解し,測定できる.
8週 キルヒホッフの法則と最大電力供給条件に関する実験 キルヒホッフの法則および最大電力供給条件について理解し,それぞれ測定できる.
4thQ
9週 鉄心のBH曲線の決定 鉄心の磁気特性について理解し,磁束を計測し,鉄心のBH曲線,ヒステリシス曲線を作成できる.
10週 直流分巻電動機 直流分巻電動機の起動方法,速度制御および回転方向の転換を理解し,測定できる.
11週 単相変圧器 単相変圧器の無負荷試験および短絡試験について理解し,測定できる.
12週 三相誘導電動機 三相誘導電動機の無負荷試験および拘束試験について理解し,測定できる.
13週 シンクロスコープの取り扱い 発振器およびオシロスコープの機能を理解し,発振器から出力された信号を測定できる.
14週 論理回路 バイポーラトランジスタおよびCMOSを用いた論理回路の特性を理解し,測定できる.
15週 低周波増幅回路の特性 低周波増幅回路の入出力特性および周波数特性を理解し,測定できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。5
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0500950100
基礎的能力000020020
専門的能力050045050
分野横断的能力000030030