溶融加工

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 溶融加工
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 機械製作法Ⅰ:千々岩健児著/コロナ社,溶融加工学:大中逸雄,荒木孝雄共著/コロナ社,鋳造工学:中江秀雄著/産業図書,鋳物のおはなし:加山延太郎著/日本規格協会,溶接のはなし:手塚敬三著/日本規格協会
担当教員 南 明宏

到達目標

1.鋳造における基礎理論(鋳造方案等)や基礎的事項および溶解に関する事項を理解し,説明できる.
2.各種精密鋳造法の原理,長短所,用途を理解し,説明できる.
3.アーク溶接を中心とした溶接の歴史,時代背景,基礎および現在の溶接法の種類を理解し,説明できる.
4.エレクトロスラグ溶接,電子ビーム溶接,超音波溶接,高周波溶接,摩擦溶接,テルミット溶接,ろう付け,レーザ溶接等の各種溶接法の原理,特徴(長短所),用途を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造の基礎理論(鋳造方案等)や基礎的事項および溶解を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.鋳造の基礎理論(鋳造方案等)や基礎的事項および溶解を理解し,説明できる.鋳造の基礎理論(鋳造方案等)や基礎的事項および溶解を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目2各種精密鋳造法の原理,長短所,用途を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.各種精密鋳造法の原理,長短所,用途を理解し,説明できる.各種精密鋳造法の原理,長短所,用途を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目3アーク溶接を中心とした歴史,時代背景,基礎および現在の溶接法の種類を理解し, 正しい語句を使用して詳細に説明できる.アーク溶接を中心とした歴史,時代背景,基礎および現在の溶接法の種類を理解し,説明できる.アーク溶接を中心とした歴史,時代背景,基礎および現在の溶接法の種類を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目4電子ビーム溶接,超音波溶接,テルミット溶接,レーザ溶接等の各種溶接法の原理,特徴(長短所),用途を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.電子ビーム溶接,超音波溶接,テルミット溶接,レーザ溶接等の各種溶接法の原理,特徴(長短所),用途を理解し,説明できる.電子ビーム溶接,超音波溶接,テルミット溶接,レーザ溶接等の各種溶接法の原理,特徴(長短所),用途を理解していない.あるいは説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-2

教育方法等

概要:
自動車,航空機・宇宙ロケット,鉄道車両,船舶,重機械,工作機械,家電製品,家電モーター,OA機器,携帯電話等の機械構造物・機械部品の製造や接合には鋳造法や溶接法が多用されている.鋳造法と溶接法はいずれも金属の融解と凝固が大きく関与してくるため,本教科目名である溶融加工という造語が作られ1つの学問体系となっている.この溶融加工では前半部(主に前期)と後半部(後期)に大きく分け,前半を鋳造関連,後半を溶接関連の講義を行う.
 鋳造関連の主な目標は以下のとおりである.
 第一の目標は鋳造の基礎的事項(鋳造方案等)および溶解[炉内の化学反応,誘導電気炉,アーク溶解炉,最新の溶解法(真空誘導溶解,電子ビーム溶解等)]に関する内容を理解できること.
 第二の目標は各種精密鋳造法〔遠心鋳造法,ダイカスト鋳造法,低加圧鋳造法,シェルモールド法,ロストワックス法,重力金型鋳造法〕等の原理,長短所,用途が理解できることである.
 一方,溶接関連の主な目標は以下のとおりである.
 第一の目標は1800年以降に開発が活発化したアーク溶接を中心とした溶接の歴史,時代背景,基礎(溶融池,溶接金属,熱影響部,溶接棒・溶接機等),および現在の標準的な溶接法の種類(TIG,MIG,炭酸ガス溶接,サブマージアーク溶接等)を理解できることである.
 第二の目標はエレクトロスラグ溶接,電子ビーム溶接,超音波溶接,高周波溶接,摩擦溶接,テルミット溶接,ろう付け(銀ろう,洋銀ろう,金ろう等),レーザ溶接等の各種溶接法の原理,特徴(長短所),用途を理解できることである.

授業の進め方と授業内容・方法:
講義(パワーポイント)を中心とし,ある程度学習した時点で課題プリントや課題レポートを提出する.
注意点:
溶融加工は1年次~3年次まで行ってきた機械基礎実習,機械創造実習における鋳造や溶接の実技経験で得た知識を基礎としてさらに学問的に理解を深めていくのでこれらの実習を確実に行っておく必要がある.また,鋳造後の組織変化や溶接時の機械的性質を議論するには3,4年次で開講されている材料学等の知識が必要であり,また,注湯時の湯の速度等を評価するためにはベルヌ-イの定理等を利用するので物理学,水力学に関する基礎知識も必要である.

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1週 溶融加工の位置付けと導入 溶融加工の学問としての位置付けを理解し,年間の授業流れの概要を把握できる.
2週 砂型鋳造(鋳造品の材質と模型) 鋳造品の材質,模型の材質,種類および製作方法を理解できる.
3週 砂型鋳造(鋳型,造型1) 鋳型の種類,造型(中子含む)について理解できる.
4週 砂型鋳造(造型2,鋳造方案(湯口)) ジョルト,スクイズ,ブロー等の造型および湯口,湯口比等について理解できる.
5週 砂型鋳造【鋳造方案(押湯,鋳込み速度)】 押湯の効果範囲,形状およびベルヌーイの定理を利用した鋳込み速度の算出方法を理解できる.
6週 砂型鋳造(押湯の寸法の算出方法) 円筒,直方体の押湯の最適な寸法を計算にて求めることができる.
7週 前期中間試験
8週 溶解(キュポラ) 熱風・冷風,酸性・水冷キュポラの特徴や構造を理解できる.
9週 溶解(各種電気溶解炉) 低周波・高周波電気炉,エルー式溶解炉等の構造や特徴および用途について理解できる.
10週 溶解(特殊溶解法) 真空誘導,真空アーク,電子ビーム,プラズマアーク,レーザビーム等特殊溶解法の特徴や用途を理解できる.
11週 特殊鋳造法(ダイカスト鋳造) 熱加圧式・冷加圧式ダイカスト,真空ダイカスト等色々な鋳造法の歴史,原理や特徴および用途を理解できる.
12週 特殊鋳造法(低圧鋳造,シェルモールド) 低(加)圧鋳造法,シェルモールド法の歴史,原理や特徴および用途等を理解できる.
13週 特殊鋳造法(ロストワックス) ロストワックス法(類似したショー,フルモールドも含む)の歴史,原理や特徴および用途を理解できる.
14週 特殊鋳造法(重力金型,Vプロセス,遠心鋳造) 重力金型,Vプロセス,遠心鋳造(砂型,金型,レジンサンド,立て型)の原理や特徴および用途を理解できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
1週 溶接の歴史と種類 溶接の歴史と溶接の種類を理解できる.
2週 アーク溶接の基本現象(極性,金属移行,溶け込み) アーク溶接時の極性,金属の移行,溶け込み(アンダーカット,オーバーラップ等),溶融池について理解できる.
3週 アーク溶接の基本現象(アークブロー,スパッタ) アークブロー(磁気吹き),スパッタ現象や損失について理解できる.
4週 アーク溶接の基本現象(アーク溶接機,溶接に関する計算) 溶接機の種類や特徴を理解できる.また,溶接時間,溶接棒の温度上昇,発生する応力の計算ができる.
5週 イナートガス溶接(TIG,MIG,MAG) TIG,MIG,MAGの各種溶接法の原理,特徴,用途を理解できる.
6週 炭酸ガスアークおよびサブマージアーク溶接 炭酸ガスおよびサブマージアーク溶接法の原理,特徴,用途を理解できる.
7週 後期中間試験
8週 各種溶接法(エレクトロスラグ溶接) エレクトロスラグ溶接法の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
9週 各種溶接法(電子ビーム溶接) 電子ビーム溶接法の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
10週 各種溶接法(超音波,高周波溶接) 超音波および高周波(誘導,抵抗)溶接法の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
11週 各種溶接法(摩擦,テルミット溶接) 摩擦およびテルミット溶接法の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
12週 各種溶接法(ろう付け) ろう付け(金ろう,銀ろう,黄銅ろう,アルミろう,洋銀ろう,鉄ろう)の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
13週 各種溶接法(レーザ溶接1) レーザ溶接の種類(炭酸ガス,YAG,半導体等)の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
14週 各種溶接法(レーザ溶接2,拡散・爆発溶接) レーザ溶接や拡散・爆発溶接の原理,特徴(長短所),用途を説明できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000