到達目標
1.伝熱の三方式を理解し,その具体例の提示とともに内容を説明できる.
2.熱伝導,熱伝達および放射熱伝達の基礎理論を理解し,その応用計算ができる.
3.境界層内の基礎方程式の導出及びその方程式を解くための次元解析法を理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 伝熱の三方式を理解
でき,その具体例を的
確に提示しながら,そ
れらの内容を正確に
かつ適切に説明でき
る.
| 伝熱の三方式を理解
でき,その具体例を提
示しながら,それらの
内容を説明できる.
| 伝熱の三方式を理解
できず,その具体例を
提示しながら,それら
の内容を説明できな
い.
|
評価項目2 | 熱伝導,熱伝達および
放射熱伝達の基礎理
論を
的確に理解し,そ
の
応用計算
が
正確に
できる.
| 熱伝導,熱伝達および
放射熱伝達の基礎理
論を理解し,その応用
計算がある程度でき
る.
| 熱伝導,熱伝達および
放射熱伝達の基礎理
論が理解できず,その
応用計算ができない.
|
評価項目3 | 境界層内の基礎方程
式を諸法則を適切に
て
適用して導くこと
ができ,それを次元解
析法を用いて解くこ
とができる.
| 境界層内の基礎方程
式を導くことができ,
それを解くための次
元解析法を理解でき
る.
| 境界層内の基礎方程
式を導くことができ
ず,それを解くための
次元解析法を理解で
ない.
|
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
「伝熱工学」は,熱の移動に関する学問で,ボイラやタービンなどの熱機器の小型化や高性能化に伴う熱の移動速度に関する知識の要求によって発展した比較的新しい学問である.その後,原子力の平和利用が叫ばれ,その利用技術の発達とともに経済性や安全性を保つ技術も必要になり,伝熱に関する更なる知識が必要となってきた.最近では,電子機器の高密度化に伴う冷却問題,各種生産工程の熱管理,熱環境問題などあらゆる工学的分野で伝熱の知識が必要とされ,その基礎知識の修得は機械技術者にとっては必須の条件となっている.
授業においては,伝熱工学の最も基礎的な項目を丁寧に,わかりやすく講義し,各種伝熱問題への応用能力の基盤を確立することを目標としている.したがって,学習項目の内容を厳選し,必要最小限の基礎部分を演習問題を多く交えて学習し,知識の定着を図っている.また,地球環境問題への伝熱工学の寄与についてある程度時間をかけて学習し,環境保護への関心を高め,知識を深めることも目標の一つである.
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,1回の授業ごとに授業内容のまとめをレポートとして提出してもらう.
注意点:
熱力学および解析学の知識を有することが望ましい
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
伝熱工学への導入 |
伝熱工学を学習する意義とその背景,およびその歴史と内容を理解することができる
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2週 |
熱伝導に関する基本事項(1)
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熱伝導の概要とそのメカニズムについて理解できる
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3週 |
熱伝導に関する基本事項(2)
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フーリエの法則を理解できる
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4週 |
熱伝導に関する基本事項(3)
|
フーリエの法則を使って微分方程式を立てることができる
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5週 |
熱伝導に関する基本事項(4)
|
熱伝導に関する微分方程式を解くことができる
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6週 |
熱伝導に関する基本事項(5)
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平板に関する熱伝導の式を導き,その式を用いて応用計算ができる
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7週 |
熱伝導に関する基本事項(6)
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円管および多層円管に関する熱伝導の式を導き,その式を用いて応用計算ができる
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8週 |
【前期中間試験】 |
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2ndQ |
9週 |
熱伝導に関する基本事項(7)
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球殻に関する熱伝導の式を導き,その式を用いて応用計算ができる
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10週 |
熱伝導に関する基本事項(8)
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上記応用問題の練習
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11週 |
熱通過(1)
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熱通過に関する基礎理論を理解することができる
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12週 |
熱通過(2)
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具体的問題への応用計算ができる(1)
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13週 |
熱通過(3) |
熱交換機に関する伝熱計算ができる(1)
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14週 |
熱通過(4) |
熱交換機に関する伝熱計算ができる(2)
|
15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
熱通過(5)
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伝熱フィンに関する熱移動を理解できる
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2週 |
熱通過(6) |
伝熱フィンの微分方程式を導くことができる
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3週 |
熱通過(7) |
伝熱フィンの微分方程式を解くことができる
|
4週 |
熱通過(8) |
伝熱フィンの応用計算ができる
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5週 |
境界層(1) |
境界層の基本事項を理解できる
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6週 |
境界層(2)
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境界層内の微分方程式を導ける(1)
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7週 |
境界層(3)
|
境界層内の微分方程式を導ける(1)
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8週 |
【前期中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
境界層(4) |
境界層内の微分方程式を導ける(1)
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10週 |
次元解析(1)
|
境界層内の微分方程式を導ける(1)
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11週 |
次元解析(2) |
基本的な次元解析ができる
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12週 |
次元解析(3) |
熱伝達現象を次元解析できる
|
13週 |
沸騰・凝縮熱伝達 |
沸騰・凝縮熱伝達の概要を理解できる
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14週 |
放射熱伝達 |
放射熱伝達の概要を理解できる
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。 | 3 | |
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。 | 3 | |
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。 | 3 | |
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。 | 3 | |
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。 | 3 | |
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。 | 3 | |
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。 | 3 | |
黒体の定義を説明できる。 | 3 | |
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。 | 3 | |
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |