流体機械

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流体機械
科目番号 0053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 流体機械の基礎;井上雅弘, 鎌田好久(コロナ社)
担当教員 坪根 弘明

到達目標

1.羽根車内の流れ,エネルギ伝達の基礎式,損失と効率,相似法則を理解し,説明できる.
2.ポンプと水車を理解し,説明できる.
3.相似法則,水車の動力,ポンプの圧力ヘッド等に関する事例を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1羽根車の回転運動による羽根と流体とのエネルギの伝達,羽根車の理論ヘッド,流体機械の損失と効率,相似法則を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.羽根車の回転運動による羽根と流体とのエネルギの伝達,羽根車の理論ヘッド,流体機械の損失と効率,相似法則を理解し,説明できる.羽根車の回転運動による羽根と流体とのエネルギの伝達,羽根車の理論ヘッド,流体機械の損失と効率,相似法則を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目2ポンプと水車の形式や水車の動力,ポンプの圧力ヘッド等の理論を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.ポンプと水車の形式や水車の動力,ポンプの圧力ヘッド等の理論を理解し,説明できる.ポンプと水車の形式や水車の動力,ポンプの圧力ヘッド等の理論を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目3相似法則を利用した様々な計算やポンプと水車に関してどのような応用例でも正しく計算できる.相似法則を利用した様々な計算やポンプと水車に関する事例を計算できる.相似法則を利用した様々な計算やポンプと水車に関する事例を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ポンプ,水車,送風機などは流体機械と呼ばれ,各種プラントや輸送システムにおいて多く用いられている.本科目では,ターボ機械の1) 羽根車内の流れ,2) エネルギ伝達の基礎式,3) 損失と効率,4) 相似法則,6) ポンプと水車について学ぶ.各項目の授業内容は次のとおりである.
1) 羽根車内の流れでは,羽根車の回転運動によって羽根と流体との間にエネルギの伝達がどのようにして行われるかを理解できる.
2) エネルギ伝達の基礎式では,ターボ機械への運動量理論の応用,羽根車の理論ヘッドおよびオイラーの理論ヘッドを理解し,羽根車の理論ヘッドおよびオイラーの理論ヘッドを求めることができる.
3) 損失と効率では,流体から機械へ,あるいは機械から流体へエネルギを伝達する際に生じる損失にはどのようなものがあるかを理解できること.また,その損失に対しての効率および全効率がどのようになるかを理解し,それらを求めることができる.
4) 相似法則では,流体機械における相似法則とはどのようなものであるかを理解し,その応用ができる.
5) ポンプと水車では,ポンプと水車にはどのような形式のものがあるかを理解できる.また,水車に関しては,ペルトン水車のノズルおよび羽根車の作用と効率,フランシス水車の羽根車内の流れを理解し,水車が受けた動力を求めることができる.ポンプに関しては,遠心ポンプの羽根車内の流れを理解し,遠心ポンプの圧力ヘッドを求めることができる.
授業の進め方・方法:
 講義を中心とし,1回の授業ごとに前回の復習を行ってから次の内容の学習に入る.また,ある程度学習した時点でレポートを提出する.
注意点:
水力学および流体工学の知識が必要である.低学年で習った基礎数学および微分・積分,また物理学や工業力学で習った力学や流体の基本的な事項が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体機械概説 流体機械の役割や分類,応用例などの実例を理解できる
2週 エネルギ伝達の力学的基礎 流体機械の羽根と流体との間でエネルギの伝達が行われるための力学的基礎を理解できる
3週 羽根車内の流れの速度と圧力の関係 羽根車内の流れの速度と圧力の関係を理解できる
4週 羽根車の理論ヘッドおよびオイラーの理論ヘッド ターボ機械への運動量理論の応用,羽根車の理論ヘッドおよびオイラーの理論ヘッドを理解し,それらを求めることができる
5週 流体機械における相似法則① 流体機械における相似法則を理解し,その法則の応用ができる
6週 流体機械における相似法則② 流体機械における相似法則を理解し,その法則の応用ができる
7週 水力効率,体積効率,機械効率および全効率 水力効率,体積効率,機械効率および全効率とはどのようなものかを理解し,それらを求めることができる
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 ポンプと水車 ポンプと水車の事例よりそれらの仕組みを理解できる
10週 ぺルトン水車① ペルトン水車とはどのようなものかを理解し,ペルトン水車のノズルの効率と作用を理解できる
11週 ぺルトン水車② ペルトン水車の羽根車の作用と効率を理解し,噴流によってバケットが受けた力,水車が受けた動力および効率を求めることができる
12週 フランシス水車① フランシス水車とはどのようなものか,およびフランシス水車の羽根車内の流れの理論を理解し,水が羽根車に与えた動力および有効動力を求めることができる
13週 フランシス水車② フランシス水車とはどのようなものか,およびフランシス水車の羽根車内の流れの理論を理解し,水が羽根車に与えた動力および有効動力を求めることができる
14週 キャビテーション キャビテーションの発生限界を理解できる
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4後3,後4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4後4
仕事の意味を理解し、計算できる。4後4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4後2,後4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4後2,後4
動力の意味を理解し、計算できる。4後4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後4
熱流体質量保存則と連続の式を説明できる。4後3,後4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4後3,後4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4後3,後4,後14
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4後4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000