メカトロニクス応用

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 メカトロニクス応用
科目番号 0063 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 「メカトロニクス入門」;土谷武士他(森北出版),Webサイト: http://orchid.me.ariake-nct.ac.jp/~haramaki/
担当教員 原槙 真也

到達目標

1.アナログ回路:コンピュータ制御において物理世界とのインタフェース技術に必要な各種アナログ演算回路,A/D,D/A 変換,サンプリング定理を理解できること.
2.センサ:メカトロニクスシステムに用いられる基本的なセンサの特徴,動作原理,用途を理解できること.
3.アクチュエータ:メカトロニクスシステムで良く用いられている電気式アクチュエータについてその特徴,動作原理,用途を理解できること.
4.駆動回路:アクチュエータ駆動方法,回路,原理,特性が理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アナログ回路:各種アナログ演算回路,A/D,D/A 変換,サンプリング定理を数式や専門用語で説明ができる.アナログ回路:各種アナログ演算回路,A/D,D/A 変換,サンプリング定理が理解できる.アナログ回路:各種アナログ演算回路,A/D,D/A 変換,サンプリング定理が理解できない.
評価項目2センサ:基本的なセンサの特徴,動作原理,用途を数式や専門用語で説明ができる.センサ:基本的なセンサの特徴,動作原理,用途を理解できる.センサ:基本的なセンサの特徴,動作原理,用途を理解できない.
評価項目3アクチュエータ:主に電気式アクチュエータについてその特徴,動作原理,用途を数式や専門用語で説明ができる.アクチュエータ:電気式アクチュエータについてその特徴,動作原理,用途を理解できる.アクチュエータ:電気式アクチュエータについてその特徴,動作原理,用途を理解できない.
評価項目4駆動回路:アクチュエータ駆動方法,回路,原理,特性が数式,タイムチャート,専門用語で説明できる.駆動回路:アクチュエータ駆動方法,回路,原理,特性が理解できる.駆動回路:アクチュエータ駆動方法,回路,原理,特性が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
マイクロコンピュータに代表されるエレクトロニクスの発展によって,これまで機械技術のみに頼っていたものが電子制御化され,機械はますます高性能化,インテリジェント化,システム化されている.従って,機械の開発,設計においては従来の機械工学の領域だけでは解決出来ず,機械工学,電子工学,情報工学を融合した,つまりメカトロニクスの観点から機械の開発設計を行わなければ,最適な機械を作り出すことは出来ない.メカトロニクス基礎科目で電子制御に用いられる電子部品,ディジタル回路,アナログ回路の基礎的事項については修得していることを前提に,この応用講義ではそれらの事項を応用し機械制御に必要な各種センサ,アクチュエータの基本原理,コンピュータとのインタフェース回路を学び, さらにアクチュエータ駆動に必要なパワーエレクトロニクスについて学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学による講義.また,講義内容をよく理解するために,原則的に授業毎に授業内容に関するレポートを課す.なお,レポート課題,授業時配布資料,出席簿,レポート成績,連絡事項等は下記 URL(ID,Psw は授業で連絡)にあるので,予習,復習等の学習に役立てる.
http://orchid.me.ariake-nct.ac.jp/~haramaki/
注意点:
「メカトロニクス基礎」について理解しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オペアンプ基本特性,ボルテージフォロア アナログ信号,ディジタル信号,オペアンプの基本特性,入出力関係,関係式,ボルテージフォロア回路について理解できる.
2週 非反転増幅回路,仮想短絡 非反転増幅回路,入出力関係式の導出,仮想短絡,仮想短絡を用いた入出力関係式の導出が理解できる.
3週 反転増幅回路,比較回路 反転増幅回路,仮想短絡を用いた入出力関係式の導出,反転増幅回路の設計,コンパレータ回路について理解できる.
4週 加算減算回路,回路設計 加算回路,その入出力関係式,各種演算回路の組み合わせ回路の入出力関係式,演算式から演算回路の設計が理解できる.
5週 微分・積分回路,アナログコンピュータ設計 微分積分回路,積分回路を応用した微分方程式を解く回路が理解できる.
6週 D/A,A/D 変換,サンプリング定理 A/D,D/A 変換,その入出力関係,2 進重み抵抗型 D/A 変換回路,フラッシュ型 A/D 変換回路,サンプリング定理,その応用計算が理解できる
7週 前期中間試験
8週 メカトロ序論(新テキスト) メカトロニクス,その出現背景,適用例,効用について理解できる.
2ndQ
9週 センサ概説,位置,変位センサ センサの働き,性能評価,機械量センサ,マイクロ SW,ポテンショメータによる位置検出,光や磁気の物理効果について理解できる.
10週 磁気を用いた位置,変位センサ ホール効果,磁気抵抗素子の動作原理,応答出力,電磁誘導による回転角センサについて理解できる.
11週 ロータリーエンコーダとその応用例 ロータリーエンコーダの構造,動作原理,出力信号,位置検出応用時の入出力関係について理解できる.
12週 速度検出法,サイズモ系 回転速度検出,位置決め制御システム,サイズモ系が理解できる.
13週 加速度センサー,歪ゲージ サイズモ系,その入出力関係式,歪ゲージの動作原理,関係式が理解できる.
14週 歪ゲージと力,トルクセンサ 歪ゲージによる歪検出原理,回路,関係式,力センサへの応用が理解できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説,成績確認
後期
3rdQ
1週 アクチュエータと種類 メカトロニクスで必要なアクチュエータの条件,種類と特徴,動作させるための制御構成を理解できる.
2週 DC モータ構造と数学モデル DC モータ構造,各部関係式,動作原理,伝達関数が理解できる.
3週 モータの時定数と各種静特性 電気的時定数,機械的時定数,静特性(トルク-回転数,トルク-動力,トルク-効率)の関係式が理解できる.
4週 静特性を用いたモータ状態計算 静特性を用いて様々なモータ動作状態を求める計算方法を理解できる.
5週 モータの電流制御と ACモータモータ 電流制御の目的,ブロック線図,利点,AC モータの種類,AC モータ制御に用いられる三相交流が理解できる.
6週 AC モータの動作原理(回転磁界) AC モータの構造と三相交流の関係により回転磁界,回転原理が理解できる.
7週 ステッピングモータの原理と制御 ステッピングモータの特徴,種類,動作原理,制御方法が理解できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 パワーエレクトロニクスと各種素子 駆動装置の位置づけ,働き,サイリスタ等のパワー素子の構造,動作原理,特徴が理解できる.
10週 線形増幅回路と関係式 線形増幅回路の働き,関係式,特徴が理解でき,簡単な事例計算ができる.
11週 PWM,チョッパ増幅回路 PWM,デューティ比,非線形増幅器の働き,関係式,特徴が理解でき,簡単な事例計算ができる.
12週 PWM 発生回路と各種インバータ PWM 波形発生回路とタイムチャート,各種インバータ回路と出力波形について理解できる.
13週 誘導負荷時の電流応答 PWM 制御でのモータ等の誘導負荷時の電流応答について関係式が理解できる.
14週 三相インバータ回路と動作原理 三相インバーター回路,動作,AC モータの回転動作との関係が理解できる.
15週 学年末試験
16週 テスト返却と解説,成績確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御伝達関数を説明できる。3後2
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力5000005
専門的能力6000010070
分野横断的能力1500010025