到達目標
1.送電線路と配電線路とそれらに接続される諸設備の役割を理解できる。
2.送電・配電・変電の計算問題を解くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 送電線路と配電線路とそれらに接続される諸設備の役割を80%以上理解できる。
| 送電線路と配電線路とそれらに接続される諸設備の役割を60%以上理解できる。 | 送電線路と配電線路とそれらに接続される諸設備の役割を60%以上理解できない。 |
評価項目2 | 送電・配電・変電の計算問題を80%以上解くことができる。
| 送電・配電・変電の計算問題を60%以上解くことができる。
| 送電・配電・変電の計算問題を60%以上解くことができない。 |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
発電所で作られた電気エネルギーを,数十ときには数百kmも離れた負荷点まで運ぶために送電線が用いられる。電気は発電所に隣接する変電所で特別高圧に昇圧され,送電線に出ていく。わが国の送電線の電圧は,従来からの220kVや275kVに加え,最高電圧500kVが昭和48年に導入された。現在では500kV系送電線は4000kmの長さに及んでいる。また,工場や人家の密集する負荷点近くまできた特別高圧を高圧(6.6kV)に降圧するのが配電用変電所であり,配電用変電所から需要家まで配電する線路が配電線路である。これらの送電と配電の両方に関する学問を電力輸送工学と呼んでいる。
快適な文明社会あるいは健全な企業活動を途絶えることのなく維持するためには,信頼性の高い電力輸送の技術が必要である。そういう意味で,この科目は産業と民生両方の文明社会をささえるための重要な応用技術を学ぶ科目である。
この科目の授業目標の1番目は,わが国の送電線路と配電線路とそれらに接続される諸設備の現状を認識することである。配電線路・送電線路をつなぐのは変電所であるから,当然変電設備の学習も行う。それらの機器の発達の歴史も理解しながら常に設備の現状を認識してもらいたい。
授業目標の2番目は,必要な計算力を身につけることである。電力輸送計画においては,故障計算が最も重要な部分である。長い送電線を考える時には,分布定数回路の概念で考える必要があるし,1線地絡事故などの故障計算においては,対称座標法という特別な概念が必要である。これらを理解し実際に計算することによって計算力をつけて欲しい。
授業目標の3番目は,理論だけにとどまらず現場の設備を実際に目にして,視覚からも多くの情報をとりこんでもらうことである。そのために,校舎内に設備のサンプルのショーウインドーも設置している。そのほか変電所や発電所の工場見学時,あるいは登下校時における電力会社の電柱設備など,機会はたくさんある。自分の目で良く見て欲しい。
授業の進め方・方法:
主として講義方式で行う。
注意点:
計算力の必要性から数学は大いに関連があり,それまで出てきた分野に加え対称座標法についてもきちんと理解することが大切である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
科目概要と授業の進め方等のガイダンス |
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2週 |
配電方式(1)
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配電と送電の境界を理解することができる。
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3週 |
配電方式(2) |
Δ結線・Y結線・V結線の性質を理解することができる。
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4週 |
配電線路の計画
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需要率・不等率・負荷率・全日効率に関する計算ができる。
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5週 |
配電線路の計算(1) |
単相3線式の有利性を配電線路の電線重量から示すことができる。
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6週 |
配電線路の計算(2) |
V結線変圧器の特徴を理解し,V結線時の変圧器利用率を計算できる。
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7週 |
配電線路の計算(3) |
力率改善用コンデンサの容量計算ができる。
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8週 |
【前期中間試験】 |
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2ndQ |
9週 |
配電線路の計算(4) |
バランサの原理と使用目的を理解できる。
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10週 |
配電線路の保護装置(1)
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負荷電流の大きさと事故電流の遮断条件を与えられて過電流継電器:OCRの整定ができる。
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11週 |
配電線路の保護装置(2) |
地絡保護のための検出方法である二次側開放Δ変圧器や零相変流器の原理を理解できる。
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12週 |
配電線路の建設と保守 |
電気設備技術基準に定められている接地工事の種類と抵抗値の値,主な設備箇所を述べることができる。
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13週 |
配電電圧と各種電気方式(1) |
架空線とケーブル線路の長さが与えられて,必要な柱上変圧器の二次側接地抵抗値の計算ができる。
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14週 |
配電電圧と各種電気方式(2) |
配電電圧と配電方式の現状を理解することができる
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15週 |
【前期期末試験】 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
送電線の線路定数(1)
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送電線の線路定数を構成する要素について理解できる。
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2週 |
送電線の線路定数(2)
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送電線の線路定数について概略の値を求める方法を理解できる。
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3週 |
送電線の電気特性(1) |
送電線の電圧電流をT回路やπ回路の略算で計算できる。
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4週 |
送電線の電気特性(2) |
%インピーダンスを使って送電線全体のインピーダンスを計算できる。
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5週 |
送電線の電力円線図(1) |
必要なデータを与えられて,電力円線図を描くことができる。
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6週 |
送電線の電力円線図(2) |
電力円線図から,最大電力,調相容量,送受両端の位相差等を求めることができる。
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7週 |
送電線の故障計算法(1) |
調相設備の種類と特徴を理解できる。
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8週 |
【後期中間試験】
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4thQ |
9週 |
送電線の故障計算法(2) |
パーセンテイジ法を用いて,三相短絡電流の計算ができる。
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10週 |
送電線の故障計算法(3) |
対称座標法の概要が理解できる。
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11週 |
送電線の故障計算法(4) |
対称座標法を用いて,1線地絡電流を求めることができる。
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12週 |
送電線の故障計算法(5) |
対称座標法を用いて,1線地絡電流を求めることができる。
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13週 |
第三高調波と中性点接地方式 |
変圧器の結線方法で第三高調波を抑制できることが理解できる。
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14週 |
発電機の自己励磁とフェランチ効果 |
発電機の自己励磁とフェランチ現象を説明することができる。
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15週 |
【後期期末試験】 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |