電力発生工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電力発生工学
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:発電・変電 (改訂版)電気学会発行 <発売元:オーム社>,参考書:必要の都度,プリント配布
担当教員 河野 晋,高田 和夫

到達目標

1.水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。
2.火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。
3.原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。
4.その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1良好な到達水準に加え、水力発電の課題を理解している。水力発電の発電方式、設備の役割を説明でき、出力、比速度の計算を理解している。水力発電の発電方式、設備の役割の説明、出力の計算を理解していない。
評価項目2良好な到達水準に加え、火力発電の課題を理解している。火力発電の発電原理、設備の種類、役割及び熱サイクルを理解している。火力発電の発電原理、設備の種類、役割、熱サイクルを理解していない。
評価項目3良好な到達水準に加え、原子力が抱える課題を理解している。原子力発電の発電原理、設備の役割、安全対策、原子燃料サイクルを理解している。原子力発電の発電原理、設備の役割、安全対策、原子燃料サイクルを理解していない。
評価項目4良好な到達水準に加え、新エネルギーが抱える問題を理解している。太陽光発電、風力発電、地熱発電、燃料電池の発電原理と特徴を理解している。太陽光発電、風力発電、地熱発電、燃料電池の発電原理と特徴を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 クリーンでかつ利用用途も幅広く、社会を支える基盤エネルギーである「電気」を発生する仕組みについて正しく理解できること。
授業の進め方・方法:
 下記授業計画の内容に従い授業を行う。水力発電、火力発電における、発電の仕組み・特性を理解するには、流体力学・熱力学等の物理学で登場する原理・法則を理解することが不可欠である。また、原子力発電においては、加えて核反応によるエネルギー利用について理解することが必要である。
注意点:
 HPや図書館などを積極的に活用して、時間外の事前学習や復習に努めて欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 エネルギー・電力情勢 国内外のエネルギー・電力情勢について説明できる。
2週 地球温暖化の現状と対策 エネルギーの使用による地球温暖化の現状と国際的な取組み状況について説明できる。
3週 水力発電の概要と基礎理論 水力発電の必要性や特徴、また、流体力学を中心に水力発電に用いられている理論を説明できる。
4週 水力発電所設備(取水設備、水車発電機) 水力発電所を構成している取水設備の役割や構造及び水車の種類や構造を説明できる。
5週 水力発電所の運転・保守 水力発電所の運転・保守について説明できる。
6週 火力発電の概要 火力発電の必要性や特徴を説明できる。
7週 これまでの復習 前期中間までの内容について説明できる。
8週 中間試験 前期中間までの内容について説明・計算できる。
2ndQ
9週 火力発電の基礎理論① 熱力学、熱機関、燃焼について説明できる。
10週 火力発電の基礎理論② 熱力学、熱機関、燃焼について説明できる。
11週 火力発電所設備(ボイラ) 火力発電の主要設備であるボイラの種類、構造について説明できる。
12週 火力発電所設備(タービン)
火力発電の主要設備であるタービンの種類、構造について説明できる。
13週 火力発電所設備(発電機) タービン発電機の特徴について説明できる。
14週 これまでの復習 前期末までの内容について説明できる。
15週 期末試験 前期末までの内容について説明・計算できる。
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 火力発電所設備(所内電気設備) 火力発電所の電源構成について説明できる。
2週 火力発電所の運転・保守 発電所の運転・保守が説明でき、熱効率の計算ができる。
3週 火力発電所の環境対策 火力発電所に設置されている環境対策機器の目的と原理を説明できる。
4週 原子力発電のしくみと核分裂反応の制御 原子力発電のしくみ及び核分裂反応の制御のしくみ等について説明できる。
5週 原子力発電の特徴と安全対策 原子力発電の必要性や特徴、安全に対する取り組み等について説明できる。
6週 原子燃料サイクルと放射性廃棄物の処理 原子燃料サイクルの概念、放射性廃棄物の処理処分等について説明できる。
7週 これまでの復習 後期中間までの内容について説明できる。
8週 中間試験 後期中間までの内容について説明・計算できる。
4thQ
9週 コンバインドサイクル発電 コンバインドサイクル発電の特徴と汽力発電と違いを説明できる。
10週 新エネルギー利用発電① 新エネルギー利用発電の原理と特徴を説明できる。
11週 新エネルギー利用発電② 新エネルギー利用発電の原理と特徴を説明できる。
12週 エネルギー高利用度技術 高効率発電等エネルギーの有効利用について説明できる。
13週 電力貯蔵技術 電力貯蔵の必要性とその技術を説明できる。
14週 これまでの復習 学年末までの内容について説明できる。
15週 期末試験 学年末までの内容について説明・計算できる。
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前3,前4,前5
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4後4,後5,後6
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000