電気電子工学実験

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気電子工学実験
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 授業中に配付するテキスト
担当教員 塚本 俊介,泉 勝弘,石丸 智士

到達目標

1.班員と協力し,計画的に実験を遂行することができる。
2.専門科目で学んだ知識を理解し,実践・活用することができる。
3.実験した内容および結果を報告書にまとめ,期限までに提出することができる。
4.実験の意図する課題を自ら理解し,論理的に報告書に記載することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1積極的に班員と協力し,計画的に実験を遂行することができる。班員と協力し,計画的に実験を遂行することができる。班員と協力し,計画的に実験を遂行することができない。
評価項目2専門科目で学んだ知識を理解し,積極的に実践・活用することができる。専門科目で学んだ知識を理解し,実践・活用することができる。専門科目で学んだ知識を理解し,実践・活用することができない。
評価項目3実験した内容および結果を論理的な日本語で報告書にまとめ,期限までに提出することができる。実験した内容および結果を報告書にまとめ,期限までに提出することができる。実験した内容および結果を報告書にまとめ,期限までに提出することができない。
実験の意図する課題を自ら理解し,論理的思考を加えたうえで報告書に表現することができる。実験の意図する課題を自ら理解し,論理的に報告書に記載することができる。実験の意図する課題を自ら理解し,論理的に報告書に記載することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では専門科目で学んだ知識をもとに実験を行うことで,専門的知識の理解および計測技術を習得するとともに,実験を通して計画性や実行力を養う。また,実験後は論理的な思考のもとに報告書作成を通して,事象の本質を簡潔かつ十分に他人に伝える能力を養う。
実験のテーマは,電子系・制御系・電気応用系の3分野から成っており,3名の教員がそれぞれの専門分野のテーマ指導を担当する。
授業の進め方・方法:
実験では,クラスを4~5名による9つの班に分ける。半年で9つのテーマを週ごとに回しながら,全ての班が年間18テーマの実験を実施する。1年間30週30回の実験の時間には,安全教育・テーマ説明・特別講演などを含む。テーマを半数程度消化した時点で,それまでの実験についての検討を行わせるために,“テーマを設定しない日”を設定している。 就職試験等で実施できなかったテーマでも,確実に実験を行いレポートの提出をさせるために実験予備日を設定して,班員の協力のもと全テーマを必ず実施させている。
注意点:
評価方法の詳細は次の通りとする。
実施した項目のレポートの出来具合を上記評価項目についてチェックし,10点満点で評価する。3つの分野のテーマすべての点数を総合して100点満点に換算する。
ただし,1通でも未提出のレポートがあった場合には,30点未満とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,安全指導 配布された実験テキストの確認,ならびに学習内容や注意事項,成績の評価方法について理解できる。
実験実習中における安全に関する注意事項を理解できる。
2週 実験テーマの説明 実験テーマの概要を聞いて,そのテーマに対する実験の概略の構想と心構えができる。
3週 アンテナの指向特性 ダイポールアンテナおよび八木アンテナの指向特性を測定することで,それぞれのアンテナの受信特性を理解することができる。
4週 非安定マルチバイブレータ 非安定マルチバイブレータの回路構成と発振原理について理解することができる。
5週 単安定マルチバイブレータおよび三角波発生回路 単安定マルチバイブレータの回路構成と発振原理について理解するとともに,CR積分回路を用いた三角波発生回路とブートストラップ回路の出力特性の違いについて理解することができる。
6週 双安定マルチバイブレータ ブレッドボードを用いて双安定マルチバイブレータを構成するとともに,その論理特性について理解できる。
7週 テーマを設定しない日 それまでの実験で理解できていないところを,自分で調査したり班員と話し合ったりして,復習することができる。
8週 交流二相サーボモータ・タコジェネレータ 交流二相サーボモータ系の伝達関数を理解し,そのパラメータを測定できる。
2ndQ
9週 ボード線図とベクトル軌跡 オペアンプで構成された回路の周波数応答から,ボード線図とベクトル軌跡を描き,これを理解できる。
10週 シミュレータを用いた制御系の応答解析 式で与えられた伝達関数をオペアンプを用いたシミュレータ上に構成し,そのステップ応答を理解できる。
11週 照明器具の効率比較と高圧水銀灯の特性試験 各種照明器具の効率計算をできるようになり,さらに高圧水銀灯の特性を理解できる。
12週 高電圧試験と極性効果 高電圧実験を通して放電特性を知り,加えて針対平板電極における極性効果について理解できる。
13週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
14週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
15週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
16週
後期
3rdQ
1週 A/D-D/Aコンバータ A/DコンバータおよびD/Aコンバータのしくみについて理解することができる。また,それらを相互接続したときの入出力の関係について理解することができる。
2週 サイリスタの特性 サイリスタの静特性について理解することができる。また,サイリスタを用いた電力制御回路のしくみについて理解することができる。
3週 太陽電池の電流―電圧特性 単結晶シリコン太陽電池の電流-電圧特性を測定し,変換効率を算出することができる。また,短絡電流および開放電圧が入射光量に対しどのように変化するか理解できる。
4週 アナログ制御系の特性 アナログPI制御器の特性を理解できる。
5週 ディジタル制御系の特性 ディジタルPI制御器の特性を理解できる。
6週 工場見学 見学企業の工場・研究所などにある種々の機器・装置や実際のもの作りを見学し,実践的な技術力を身に着けることができる。
7週 テーマを設定しない日 それまでの実験で理解できていないところを自分で復習したり調査したりすることができる。
8週 直流電動機制御系 マイコンを用いた制御器による直流電動機制御系の特性を理解できる。
4thQ
9週 FPGAを用いた論理回路演習 FPGAによりカウンタとPWM信号発生回路を構成し,FPGAが理解できる。
10週 照度計を用いた照度測定 JISによって定められた照度基準の概要を理解したうえで屋内外の照度を計り,実験室の等照度曲線を描くことができる。
11週 衝撃電圧発生装置(インパルスジェネレータ) インパルスジェネレータを使用した衝撃電圧特性を知り,懸垂碍子の絶縁破壊電圧を実験にて求めることができる。
12週 特別講演 企業等から招聘された講師の話を聞くことによって,広い視野に立った技術者としての知見を身に着けることができる。
13週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
14週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
15週 実験予備日 班員と協力して,未実験テーマの実験を計画的に遂行できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000