通信工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 通信工学Ⅰ
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 電波工学;コロナ社
担当教員 清水 暁生

到達目標

1. 高周波伝送線路について説明できる。
2. 電磁波について説明できる。
3. 給電線と整合回路について説明できる。
4. アンテナについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電信方式の解を求められる。電圧波・電流波の諸量を計算できる。電信方式を説明できる。電圧波・電流波の種々の性質を説明できる。電信方式を説明できない。電圧波・電流波の種々の性質を説明できない。
評価項目2平面波に適したマクスウェル方程式を解ける。平面波の持つ種々の性質の諸量を計算できる。マクスウェルの電磁方程式から基礎的な諸量を計算できる。平面波の持つ種々の性質について説明できる。マクスウェルの電磁方程式から基礎的な諸量を計算できない。平面波の持つ種々の性質について説明できない。
評価項目3各種伝送線路および整合回路に必要な諸量を計算できる。各種伝送線路および整合回路について説明できる。各種伝送線路および整合回路について説明できない。
評価項目4フリスの伝達公式を用いて、送受信間の回線設計に関わる諸量の計算ができる。微小ダイポールアンテナおよび半波長アンテナの持つ種々の特性について説明でき、諸量を計算できる。微小ダイポールアンテナおよび半波長アンテナの持つ種々の特性について説明きない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では電磁波およびアンテナの基本的な性質について、基礎的な事項の説明および必要な諸量を計算できる能力を養い、本格的な通信工学を学ぶための基礎力を養う。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。また,適宜,演習問題などを行う。
注意点:
電気磁気学を履修していること。また,一般科目のうち,理数系に関する科目を履修していること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,各章の位置づけ 学習内容や注意事項,成績の評価方法について理解できる。通信工学Iで学ぶ各章の関係を理解できる。
2週 電波と電磁波 電波と電磁波 電波と電磁波の関係を理解できる。平面波について理解できる。
3週 電波の分類 電波の名前と波長および周波数の関係や特徴を理解できる。
4週 分布定数線路 分布定数線路と集中定数線路の違いを理解し、分布定数線路モデルを理解できる。伝搬定数と特性インピーダンスを理解できる。
5週 無損失線路の電圧と電流 無損失線路の電圧と電流の式から、無損失線路の特徴を理解できる。
6週 受端からの距離による電圧・電流表示 受端からの距離で電圧と電流を表現でき、線路のインピーダンスを求めることができる。
7週 無損失線路における反射と定在波 伝送線路のインピーダンスと負荷インピーダンスの関係から反射係数および定在波比を求められる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 電磁波の基本法則 電磁波の基本法則を理解できる。
10週 平面電磁波 平面波の複素表示を理解し、マクスウェル方程式から波動方程式を導出できる。
11週 真空中の平面波 真空中における波動方程式から電界を表現できる。波動インピーダンスを理解できる。
12週 無損失媒質中の平面波 無損失媒質における波動方程式から電界を表現できる。
13週 平行二線式線路と同軸線路 平衡二線式線路と同軸線路の特徴を理解できる。インピーダンスの整合について理解できる。
14週 共用回路と電力分配器 共用回路と電力分配器について理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 矩形導波管 矩形導波管の構造と管内を伝搬する電磁波について理解できる。
2週 円形導波管 円形導波管の構造と管内を伝搬する電磁波について理解できる。
3週 導波管回路素子 同軸導波管変換器および空洞共振器、方向性結合器について理解できる。
4週 マジックT マジックTの構造とその内部を伝搬する電界について理解できる。
5週 微小ダイポールからの電波の放射 微小ダイポールから放射される電界と磁界を理解できる。
6週 放射界の性質 微小ダイポールの放射界の性質を理解できる。放射電力を求められる。
7週 放射界の性質 放射抵抗および指向性係数を求められる。
8週 中間試験
4thQ
9週 半波長アンテナ 半波長アンテナの構成を理解できる。
10週 半波長アンテナの放射特性 半波長アンテナの放射特性を理解できる。
11週 実効長 実効長について理解し、半波長アンテナの実効長を求められる。
12週 入力インピーダンスと放射インピーダンス/接地アンテナ 半波長アンテナの入力インピーダンスと放射インピーダンスを理解できる。接地アンテナについて理解できる。
13週 アンテナの利得 アンテナの利得の定義を理解できる。
14週 受信アンテナ 受信アンテナの受信電力を求められる。負リスの公式を理解できる。
15週 期末試験
16週 答案返却および解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前4,前5,前6
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前10,前11
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前10,前11
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前10,前11
静電エネルギーを説明できる。3前10
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3前10,前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000