代数・幾何

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 代数・幾何
科目番号 0005 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 有明高専の数学 第3巻;有明高専数学科編、プリント等
担当教員 嘉藤 直子

到達目標

1.行列式の概念を理解し,その値を計算できる.
2.行列の固有値,固有ベクトルの概念を理解し,求めることができる.
3.種々の行列を対角化することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列式を用い,逆行列,連立方程式の解を計算することができる. 行列式の概念を理解し,その値を計算できる.行列式の計算ができない.
評価項目2行列の固有値,固有ベクトルの概念を理解し,応用できる. 行列の固有値, 固有ベクトルの概念を理解し,求めることができる.行列の固有値,固有ベクトルを求めることができない.
評価項目32次曲線のグラフに対称行列の対角化を応用できる.種々の行列を対角化することができる.行列を対角化することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目では,2学年で学んだ行列に対して行列式を導入し,これを用いて逆行列・行列の対角化の基礎知識,およびその応用を学びます.
 工学を学ぶために,数学は必要不可欠です.なぜなら,工学の主たる部分は,数学的な記法(数式など)を用いて記述されたり,数学的手法(微分積分法や線形代数的手法など)を用いて展開されているからです.また,工学の問題を解決するときの論理的思考形態(筋道を立ててものごとを考えていくことなど)は,数学の問題を解くときのそれに類似しているからです.つまり,工学を学ぶためには,さまざまな数学の記法や手法(新しい数式や新しい計算方法など)を理解し,確実に使いこなせる必要があります.また,問題を解決するための論理的思考を,常に,行う習慣を身に付ける必要があります.
そこで,この科目では,次の1),2),3)に重点を置いて,授業を行います.
1) 正方行列に対して定義される行列式という概念を理解し,それらの基本的な計算法を習得すること.
2) 行列式の意味を理解し,これが様々な問題に応用できることを認識し,それらの応用法を習得すること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
 1)については,2学年で習得した正方行列に対し行列式を導入し,まず,それらの基本的な計算法を扱います.定義の正確な理解,および,基本的な計算法の習得と確実な定着を図ることが目標です.
 2)については,まず行列式の三次元空間での幾何学的意味を考え,これが平行六面体の体積に対応していることを理解します.続いて,行列式の値と行列の性質との関連を学び,これを基に,逆行列の求め方,行列の対角化の仕方を習得します.この応用のひとつとして,2次曲線の解析ができることを理解し,それらに関する問題の解法も習得します.そして,これらの解法は,専門科目に応用されます.
 3)については,たとえば,例題の解法を理解し,その解法を類似の問題へアレンジして適用できるようになることは勿論のこと,新しい数式が専門科目に使われるときにすぐに応用できるようになること,さらに,数学や専門科目などの学問だけに限らず,日常のさまざまな場面でも,新しい数式などが利用できないかと考え続けることも含まれます.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習
内容の理解と定着をはかるため,教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
注意点:
2年生までに学習した数学の知識を利用しますので, 事前の復習と内容の理解度を上げるために, 予習を心がけるようにしてください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明
2週 行列式の計算方法 行列式の値の確実な計算ができる.
3週 行列式の幾何学的意味 行列式の値と平行四辺形の面積や平行六面体の体積の関係を理解し,計算できる.
4週 余因子 余因子に関する性質を理解し, 計算できる.
5週 逆行列 逆行列に関する性質を理解し, 計算できる.
6週 クラメルの公式 クラメルの公式を理解し, 計算できる.
7週 固有値,固有ベクトル 固有値・固有ベクトルの計算の計算ができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 行列の対角化 行列の対角化の計算ができる.
10週 対称行列の対角化 対称行列が直交行列で対角化できることを理解し,その計算ができる.
11週 対称行列の対角化 対称行列が直交行列で対角化できることを理解し,その計算ができる.
12週 行列の累乗 対角化の応用として,累乗の計算ができる.
13週 2次形式・2次曲線 2次形式について理解し,2次曲線を標準化できる.
14週 2次形式・2次曲線 2次曲線を分類できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000