人間科学Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 人間科学Ⅱ
科目番号 0008 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 参考図書(購入の必要はない)  渡辺 研二『ジャイナ教―非所有・非暴力・非殺生 その教義と実生活』/論創社  中村 元『思想の自由とジャイナ教』中村元選集第 10 巻/春秋社
担当教員 山口 英一

到達目標

1.バラモン教とは異なる「自由思想家」とは何かを説明できる。
2.ジャイナ教の基本的な考え方について説明できる。
3.現代インドの文化・価値観に関して,日本との違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1バラモン教とは異なる 「自由思想家」たちの 思想体系の特徴を社会 変化と関連づけて説明 できる。バラモン教とは異な る「自由思想家」とは 何かを不十分ながら 説明できる。バラモン教とは異な る「自由思想家」とは 何かを説明できない。
評価項目2ジャイナ教思想による 世界理解,それを支え る理論,理論に基づく 行動規範などを説明で きる。ジャイナ教の基本的 な考え方について不 十分ながら説明でき る。ジャイナ教の基本的 な考え方について説 明できない。
評価項目3現代インドの文化・価 値観に関して,いくつ かを自分の視点から説 明できる。現代インドの文化・価 値観に関して,日本と の違いを不十分なが ら説明できる。現代インドの文化・価 値観に関して,日本と の違いを説明できな い。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 A-2 説明 閉じる
学習教育到達目標 A-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業は基本的に板書を中心とした講義形式で行います。ジャイナ教の宗教 的実践に関しての大きな特徴は「徹底した不殺生の実行」です。この理論 的裏付けとなる霊魂観・輪廻説といったジャイナ教思想の根幹を文献に基 づき説明します。また宗教思想の具現化されたものとして,仏教の仏像に 相当するジナ像を始めとする彫刻・絵画などの美術,寺院建築も織り交ぜ, 現代の信者の姿と宗教儀礼もジャイナ教を理解する上で重要な要素とし て授業の中で紹介します。 受講生諸君に一層の興味を持ってもらうために,文献資料をもとにした講 義内容を補うために,私自身が現地で撮影したものを中心に,写真・録音・ ビデオなどの資料をできるだけ使うつもりです。この授業を通じて,異な る判断基準と生き方に触れ,異文化への理解を深めてもらいたいと思いま す。
授業の進め方・方法:
板書を中心とする講義形式ですが,授業では学生とのやり取りをしながら説明を行いますので積極的な参加姿勢を期待します。授業内容の理解,異文化を柔軟に受け入れる視点とその変化をチェックするため,毎回の授業後にコメント・カードを書いてもらいます。
注意点:
授業中に配布する資料の全部は時間内に読めませんから,予習・復習として自分で読んでおいて下さい。その他に,参考文献やインターネット上での情報ソースなどを示します。各自の興味でそれらを参照し,より一層の理解を深めて下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入=インド世界とジ ャイナ教1 ジャイナ教徒は現在,どこにどれくらい存在す るのかを理解する
2週 導入=インド世界とジ ャイナ教2 現代インドの他の宗教との比較でジャイナ教 の概要を理解する
3週 信仰の対象としてのジ ナ1 開祖マハーヴィーラの伝承と実像についての 概略を理解する
4週 信仰の対象としてのジ ナ2 パンチャ・カルヤーナとは何かを説明できる
5週 信仰の対象としてのジ ナ3 ジャイナ教でいう 24 祖師とは何かを理解する
6週 教団の成立と発展1 「シュラーマナ」の伝統とジャイナ教との関係 を理解する
7週 教団の成立と発展2 白衣派と空衣派の区別について理解する
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説
霊魂観と救済の理論1
ジーヴァとは何かを理解する
10週 霊魂観と救済の理論2 ジャイナ教では生物をどのように分類するのかを理解する
11週 霊魂観と救済の理論3 ジャイナ教の世界観(宇宙論)を理解する
12週 霊魂観と救済の理論4 ジャイナ教で説明される輪廻からの解放の理 論を理解する
13週 戒律と宗教的生活1 ジャイナ教徒の五大誓とは何かを説明できる
14週 戒律と宗教的生活2 宗教的菜食主義の理由を説明できる
15週 期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700002010100
基礎的能力700002010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000