電子工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子工学実験Ⅱ
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 適宜、実験書・参考資料として資料を配付する。
担当教員 松野 良信,石川 洋平,ゴーチェ ロビック

到達目標

1.電気回路や論理回路、電子回路などで学んだ理論を、実際の回路部品によるパルス回路を用いて、その動作や特性を観測・確認できること。
2.スロースキャンコンピュータを用いて、計算機工学をはじめとするコンピュータアーキテクチャや周辺機器についての理解を深めること。
3.マイクロプロセッサやインターフェースを搭載したボードマイコンと各種の機器を用いて、マシン語レベルのプログラミングを行い機器の制御ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1パルス回路の動作や特性を観測・確認でき、座学で学んだ理論を活かしてレポートが作成できる。パルス回路の動作や特性を観測・確認できる。パルス回路の動作や特性を観測・確認できない。
評価項目2スロースキャンコンピュータとコンピュータ アーキテクチャの関係が理解でき、コンピュータの5 大装置や、現代のコンピュータの進歩について説明ができる。スロースキャンコンピュータとコンピュータアーキテクチャの関係が理解できる。スロースキャンコンピュータとコンピュータアーキテクチャの関係が理解できない。
評価項目3マシン語レベルのプログラミングができ、ボードマイコンを用いた各種外部インターフェースの制御ができる。マシン語レベルのプログラミングができ、ボードマイコンを用いた簡単な入出力の制御ができる。マシン語レベルのプログラミングができず、ボードマイコンを用いた簡単な入出力の制御ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次の電子工学実験では、主にパルス回路技術、マイクロプロセッサによる機器の制御技術について、実験・実習を行う。したがって、電気回路、電子回路、論理回路、計算機工学、プログラミング、情報処理基礎などの幅広い専門科目を理解しておく必要がある。また、逆に実験・実習を通じて、これらの科目の理解をより深めることになる。
授業の進め方・方法:
実際の電気回路、電子回路、論理回路、ボードマイコンなどを操作し、実験・実習を行う。
注意点:
得られた実験・実習の結果を含む、テーマ毎のレポートにより評価する。理論的な現象・動作の実験による検証と理解、実験の結果の分析・考察、ならびにそれらをまとめたレポートのわかりやすさの程度を評価する。基本的にレポート作成は授業時間外に行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の位置付けと解説 実際の実験に取り組む前に、この実験・実習の位置付けを理解する。また、実験の進め方やレポートの提出方法、評価方法などについて認識すること。
2週 パルス回路の概要 パルス回路の実験の論理的な基盤となる、電気回路、電子回路、論理回路などの復習し、実験で用いる回路について理解すること。
3週 各種計測機器類の概要 実験で用いる計測機器類や器具類について、その操作方法を含めて、役割等を理解する。同時に、実験中の安全確保のための注意事項についても理解すること。
4週 パルス回路 微分・積分回路のパルス応答を理解できること。
5週 パルス回路 クリップ・クランプ回路のパルス応答を理解できること。
6週 パルス回路 AND、OR、NOT 回路のパルス応答を理解できること。
7週 パルス回路 無安定・単安定マルチバイブレータを理解できること。
8週 パルス回路 双安定マルチバイブレータ・シュミットトリガ回路を理解できること。
2ndQ
9週 パルス回路 各種パルス回路の種類と実験の意図を復習し理解を深めること。
10週 伝送線路のパルス特性 同軸ケーブルを用いた伝送線路のパルス特性(反射・減衰・遅延)を理解できること。
11週 パルス回路実験のまとめ パルス回路の各テーマで疑問に感じた点の復習や、再実験などを行い、実験の理解を深める。
12週 トランスの特性 トランスの機能である電圧変換・インピーダンス変換・電気的分離(絶縁)を理解できること。
13週 電力量と積算電力計 積算電力計の原理を理解し、電力量の計測方法と力率改善について理解できること。
14週 電子回路Ⅰ・電子回路Ⅱとの関連解説 電子工学実験Ⅱで学んだ知識と座学の電子回路Ⅰとの関連を学び、電子回路Ⅱで学習する内容との連携について理解できること。
15週 パルス・トランス・電力実験のまとめ 全テーマを通した疑問点を復習するとともに、再実験などを行い実験の理解を深める。
16週
後期
3rdQ
1週 マイクロプロセッサの復習と概要 現在のコンピュータの基本となるマイクロプロセッサの仕組みについて、非常に簡単なコンピュータを例として理解できること。
2週 スロースキャンコンピュータ 通常は観測することの困難な、マイクロプロセッサのレジスタ類等の内容が観測可能なスロースキャンコンピュータを用いて、マイクロプロセッサの動作を理解すること。
3週 スロースキャンコンピュータ マイクロプロセッサに応じたプログラムの作成と実行ができること。実行時に、各種レジスタ類 の状態を逐次観測し、作成したプログラムの動作の確認と、マイクロプロセッサ内部でのデータの動きを理解すること。
4週 アセンブラとマシン語の復習と概要 Z80アセンブラとマシン語の関係や、Z80アセンブラによるプログラム作成とアセンブラプログラムからマシン語プログラムへの変換について理解できること。
5週 ボードマイコンの概要 実験に用いるZ80 マイクロプロセッサを用いたボードマイコンについて、その概要と操作等について理解すること。
6週 ボードマイコンの操作例題 ボードマイコンの上でZ80 のプログラムの記入及び実行ができること。
7週 ボードマイコン:入出力 マイクロプロセッサのポートを用いて、周辺機器から入力した値を処理して他の周辺機器に出力するプログラムの作成と実行ができること。
8週 ボードマイコン:入出力 マイクロプロセッサのポートを用いて周辺機器と入出力し、チャタリング防止機能を含むカウンタのプログラムの作成と実行ができること。
4thQ
9週 ボードマイコン:機械語のプログラムで時間の測定 マイクロプロセッサのポートを用いて周辺機器と入出力し、タイマー機能を含むカウンタのプログラムの作成と実行ができること。
10週 ボードマイコン実験基礎のまとめ ボードマイコンのテーマを通した疑問点を復習するとともに、再実験などを行い実験の理解を深める。
11週 ボードマイコン:アナログ入出力・ルックアップテーブを用いる処理 アナログ周辺機器から値を入力し、ルックアップテーブを用いたその値の処理結果をカラーLED に出力するプログラムの作成と実行ができること。
12週 ボードマイコン:ステッピングモータの制御 出力周辺機器としたステッピングモータを制御するプログラムの作成と実行をできること。
13週 ボードマイコン:順序プログラムで並列処理 二つの周辺機器から値を並列で入力し、処理するプログラムの設計、作成と実行ができること。
14週 ボードマイコン:D/A コンバータでのこぎり波の生成 D/A コンバータを用いてのこぎり波の電圧を出力するプログラムの設計、作成と実行ができること。
15週 ボードマイコンによる外部機器制御実験のまとめ 全後期のテーマを通した疑問点を復習するとともに、再実験などを行い実験の理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000