情報論理学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 情報論理学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 工学のための離散数学,黒澤馨著,数理工学社,2008年
担当教員 奥村 俊昭,高橋 薫

到達目標

コンピュータサイエンスの基盤となる知識を得るため,以下を到達目標とする:
1.集合・関係・写像の基本概念を理解できる。
2.命題の証明の基本的技法を理解できる。
3.命題論理と述語論理の基本概念を理解できる。
4.グラフ理論の基本概念を理解でき,関係・対応などをグラフとして定式化できる。
5.整数論,代数系(群,環,体)の学習を通じて,数学理論の代数的な捉え方ができる。
6.情報セキュリティのための暗号化について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集合・関係・写像の基本概念を理解し,これらを用いた表現と考察ができる。集合・関係・写像の基本概念を理解できる。集合・関係・写像の基本概念が理解できない。
評価項目2命題の証明の基本的技法を理解し,具体的な証明ができる。命題の証明の基本的技法を理解できる。命題の証明の基本的技法が理解できない。
評価項目3命題論理と述語論理の基本概念を理解し,文の定式化ができる。命題論理と述語論理の基本概念を理解できる。命題論理と述語論理の基本概念が理解できない。
評価項目4グラフ理論の基本概念を理解し,関係・対応などをグラフとして定式化できる。グラフ理論の基本概念を理解できる。グラフ理論の基本概念が理解できない。
評価項目5整数,群,環,体の基本概念を理解し,情報分野等との関連について考察できる。整数,群,環,体の基本概念を理解できる。整数,群,環,体の基本概念が理解できない。
評価項目6暗号の基本概念を理解し,暗号化の方法を実践できる。暗号の基本概念を理解できる。暗号の基本概念が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では,コンピュータサイエンスで必要とされる数学的な概念,記法,論法の基本概念を習得する。また,直感的に図や表で定義されたことに対して,形式的に記号を用いて記述し議論する方法や,形式的に記述されている事から直感的なイメージを得る方法を身につける。
授業の進め方・方法:
基本的には,教科書にしたがった講義形式で授業を進めるが,自主的な理解を深めるため,討論・発表の形式を適宜導入する.また,関連した演習問題を定期的に出題し,考察や回答としての発表あるいは課題レポートとしての提出をしてもらう。
注意点:
試験の成績を70%,レポート等のポートフォリオを20%,残り10%を発表・授業姿勢等の態度とし,総合的な評価を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
コンピュータサイエンスの目的
授業の位置づけと,コンピュータサイエンスの目的を理解できる。
2週 集合 集合,部分集合,共通集合,和集合,ド・モルガンの法則,べき集合,特性関数を理解できる。
3週 集合 集合,部分集合,共通集合,和集合,ド・モルガンの法則,べき集合,特性関数を理解できる。
4週 関係と写像 直積と関係,同値関係と同値類,写像,無限集合を理解できる。
5週 関係と写像 直積と関係,同値関係と同値類,写像,無限集合を理解できる。
6週 順序関係 半順序関係と極大・極小を理解できる。
7週 順序関係 半順序関係と極大・極小を理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 背理法,帰納法および再帰 背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
10週 背理法,帰納法および再帰 背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
11週 背理法,帰納法および再帰 背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
12週 命題論理と述語論理 命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
13週 命題論理と述語論理 命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
14週 命題論理と述語論理 命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 グラフ グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
2週 グラフ グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
3週 グラフ グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
4週 木の概念,全域木,根付き木について理解できる。
5週 木の概念,全域木,根付き木について理解できる。
6週 整数 整数の基本概念,最大公約数とユークリッドの互除法,拡張ユークリッドの互除法,フェルマーの小定理を理解できる。
7週 整数 整数の基本概念,最大公約数とユークリッドの互除法,拡張ユークリッドの互除法,フェルマーの小定理を理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 代数系 群,環,体について理解できる。
10週 代数系 群,環,体について理解できる。
11週 RSA公開鍵暗号 共通鍵暗号系,公開鍵暗号系,RSA暗号について理解できる。
12週 RSA公開鍵暗号 共通鍵暗号系,公開鍵暗号系,RSA暗号について理解できる。
13週 数え上げ 順列と組合わせ,2 項係数,重複順列と重複組合わせ,包除原理,鳩ノ巣原理を理解できる。
14週 確率 確率の概念,条件付き確率,確率変数について理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010200100
基礎的能力0000000
専門的能力700010200100
分野横断的能力0000000