到達目標
コンピュータサイエンスの基盤となる知識を得るため,以下を到達目標とする:
1.集合・関係・写像の基本概念を理解できる。
2.命題の証明の基本的技法を理解できる。
3.命題論理と述語論理の基本概念を理解できる。
4.グラフ理論の基本概念を理解でき,関係・対応などをグラフとして定式化できる。
5.整数論,代数系(群,環,体)の学習を通じて,数学理論の代数的な捉え方ができる。
6.情報セキュリティのための暗号化について理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 集合・関係・写像の基本概念を理解し,これらを用いた表現と考察ができる。 | 集合・関係・写像の基本概念を理解できる。 | 集合・関係・写像の基本概念が理解できない。 |
評価項目2 | 命題の証明の基本的技法を理解し,具体的な証明ができる。 | 命題の証明の基本的技法を理解できる。 | 命題の証明の基本的技法が理解できない。 |
評価項目3 | 命題論理と述語論理の基本概念を理解し,文の定式化ができる。 | 命題論理と述語論理の基本概念を理解できる。 | 命題論理と述語論理の基本概念が理解できない。 |
評価項目4 | グラフ理論の基本概念を理解し,関係・対応などをグラフとして定式化できる。 | グラフ理論の基本概念を理解できる。 | グラフ理論の基本概念が理解できない。 |
評価項目5 | 整数,群,環,体の基本概念を理解し,情報分野等との関連について考察できる。 | 整数,群,環,体の基本概念を理解できる。 | 整数,群,環,体の基本概念が理解できない。 |
評価項目6 | 暗号の基本概念を理解し,暗号化の方法を実践できる。 | 暗号の基本概念を理解できる。 | 暗号の基本概念が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本授業では,コンピュータサイエンスで必要とされる数学的な概念,記法,論法の基本概念を習得する。また,直感的に図や表で定義されたことに対して,形式的に記号を用いて記述し議論する方法や,形式的に記述されている事から直感的なイメージを得る方法を身につける。
授業の進め方・方法:
基本的には,教科書にしたがった講義形式で授業を進めるが,自主的な理解を深めるため,討論・発表の形式を適宜導入する.また,関連した演習問題を定期的に出題し,考察や回答としての発表あるいは課題レポートとしての提出をしてもらう。
注意点:
試験の成績を70%,レポート等のポートフォリオを20%,残り10%を発表・授業姿勢等の態度とし,総合的な評価を行う。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス コンピュータサイエンスの目的 |
授業の位置づけと,コンピュータサイエンスの目的を理解できる。
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2週 |
集合 |
集合,部分集合,共通集合,和集合,ド・モルガンの法則,べき集合,特性関数を理解できる。
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3週 |
集合 |
集合,部分集合,共通集合,和集合,ド・モルガンの法則,べき集合,特性関数を理解できる。
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4週 |
関係と写像 |
直積と関係,同値関係と同値類,写像,無限集合を理解できる。
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5週 |
関係と写像 |
直積と関係,同値関係と同値類,写像,無限集合を理解できる。
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6週 |
順序関係 |
半順序関係と極大・極小を理解できる。
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7週 |
順序関係 |
半順序関係と極大・極小を理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
背理法,帰納法および再帰 |
背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
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10週 |
背理法,帰納法および再帰 |
背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
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11週 |
背理法,帰納法および再帰 |
背理法,数学的帰納法,ペアノの公理系,再帰的定義を理解できる。
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12週 |
命題論理と述語論理 |
命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
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13週 |
命題論理と述語論理 |
命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
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14週 |
命題論理と述語論理 |
命題論理,真理値表,トートロジー,論理積・論理和標準形,双対定理,完全な結合子集合,述語論理,ド・モルガンの法則の一般化について理解できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
グラフ |
グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
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2週 |
グラフ |
グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
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3週 |
グラフ |
グラフ理論,用語,オイラー閉路,ハミルトン閉路について理解できる。
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4週 |
木 |
木の概念,全域木,根付き木について理解できる。
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5週 |
木 |
木の概念,全域木,根付き木について理解できる。
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6週 |
整数 |
整数の基本概念,最大公約数とユークリッドの互除法,拡張ユークリッドの互除法,フェルマーの小定理を理解できる。
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7週 |
整数 |
整数の基本概念,最大公約数とユークリッドの互除法,拡張ユークリッドの互除法,フェルマーの小定理を理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
代数系 |
群,環,体について理解できる。
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10週 |
代数系 |
群,環,体について理解できる。
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11週 |
RSA公開鍵暗号 |
共通鍵暗号系,公開鍵暗号系,RSA暗号について理解できる。
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12週 |
RSA公開鍵暗号 |
共通鍵暗号系,公開鍵暗号系,RSA暗号について理解できる。
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13週 |
数え上げ |
順列と組合わせ,2 項係数,重複順列と重複組合わせ,包除原理,鳩ノ巣原理を理解できる。
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14週 |
確率 |
確率の概念,条件付き確率,確率変数について理解できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 3 | |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |