半導体工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 「電子デバイス工学」宮尾正信 / 朝倉書店
担当教員 松野 哲也

到達目標

1.半導体とは何か説明できる.
2.ダイオードの動作原理を説明できる.
3.トランジスタの動作原理を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1半導体の電気的特性をエネルギーバンド図に基づき,導体の電気的特性との違いに言及しつつ説明できる.半導体とは何かをエネルギーバンド図に基づき,絶縁体や導体のバンド構造との違いに言及しつつ説明できる.半導体とは何か説明できない.
評価項目2ダイオードの動作原理をエネルギーバンド図に基づき,キャリアの振る舞いとの関連に言及しつつ説明できる.ダイオードの動作原理をキャリアの定性的振る舞いに基づき説明できる.ダイオードの動作原理を説明できない.
評価項目3トランジスタの動作原理をエネルギーバンド図に基づき,キャリアの振る舞いとの関連に言及しつつ説明できる.トランジスタの動作原理をキャリアの定性的振る舞いに基づき説明できる.トランジスタの動作原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子機器の基本素子である半導体デバイスの動作原理を学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義主体で授業が行われる.半導体デバイスの動作原理の物理的理解を目指す.
注意点:
気体分子運動論,電磁気学,量子力学,統計力学の基礎知識が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体の特徴 半導体の電気的特性を述べることができる.
2週 原子の構造 原子に束縛された電子の振る舞いをボーアの原子模型に基づき説明できる.エネルギー準位とは何かを理解する.
3週 エネルギー準位 エネルギー準位を電子が占有するという概念を説明できる.
4週 結晶中の電子1 エネルギーバンドの起源と意味を理解する.
5週 結晶中の電子2 電子がバンドを占有する状況を理解する.
6週 バンド構造 バンド構造と電子の占有状況にもとづき結晶の電気的特性を説明できる.
7週 有効質量近似 結晶中の電子の運動の様子を有効質量近似に基づき説明できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 真性半導体と外因性半導体 真性半導体,p型半導体,n型半導体とは何かを説明できる.
10週 状態密度と占有確率 状態密度と占有確率の意味を理解する.
11週 フェルミ分布 フェルミ分布とフェルミ準位の意味を理解する.
12週 ボルツマン分布と有効状態密度 ボルツマン分布と有効状態密度の意味を理解し,pn積一定の法則を導く.
13週 キャリア密度の温度依存性 これまで学んだ統計力学的知識あるいは物理的イメージをもとにキャリア密度の温度依存性を説明できる.
14週 キャリアの流れ 半導体中をキャリアが流れる形態(ドリフトと拡散)を理解する.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 pn接合ダイオードとは pn接合ダイオードの基本構造を理解する.
2週 整流性の原理 整流特性の機構をエネルギーバンド図に基づき定性的に説明できる.
3週 整流特性の導出 電流電圧特性の式の導出手順を説明できる.
4週 空乏層幅 空乏層の幅を定める要因を説明できる.
5週 空乏層容量 空乏層容量が生じる機構を説明できる.
6週 逆電圧降伏 降伏現象が生じる機構を説明できる.
7週 ショットキー接触 ショットキー接触のエネルギーバンド図を描画できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 バイポーラトランジスタとは バイポーラトランジスタの基本構造を説明できる.
10週 基本構造と動作原理 バイポーラトランジスタの動作原理をエネルギーバンド図などに基づき説明できる.
11週 電流増幅の物理 電流増幅率の導出手順を説明できる.
12週 各種接地回路 各種接地回路(ベース接地,エミッタ接地,コレクタ接地)における電流増幅率を導出できる.
13週 MOS型電界効果トランジスタとは MOS型電界効果トランジスタの基本構造を理解する.
14週 基本構造と動作原理 MOS型電界効果トランジスタの基本構造と動作原理を説明できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000