応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 有明高専の数学 第4 巻;有明高専数学科編、プリント等
担当教員 田端 亮

到達目標

1.2 変数関数の偏微分に関する知識を習得し,関連する問題を解くことができる.
2.複素数に関する知識を習得し,関連する問題を解くことができる.
3.2 変数関数の2 重積分に関する知識を習得し,関連する問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12 変数関数の偏微分に関する知識を習得し,関連する発展的な問題までも解くことができる.2 変数関数の偏微分に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.2 変数関数の偏微分に関する知識を習得しておらず,関連する基本的な問題を解くことができない.
評価項目2複素数に関する知識を習得し,関連する発展的な問題までも解くことができる.複素数に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.複素数に関する知識を習得しておらず,関連する基本的な問題を解くことができない.
評価項目32 変数関数の2 重積分に関する知識を習得し,関連する発展的な問題までも解くことができる.2 変数関数の2 重積分に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.2 変数関数の2 重積分に関する知識を習得しておらず,関連する基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 この科目の内容は,2 年次までの解析学で学んできた微分積分を2 変数関数に拡張することを学びます.すなわち,2 つの変数を持つ関数について,その関数の微分と積分の計算およびその応用を学びます.
 工学の修得に,数学は必要不可欠です.工学の主たる部分は,数学的記法(新しい数式など)や数学的手法(新しい計算方法など)を用いて展開されるからです.また,工学の問題を解決するための論理的思考形態(筋道を立てた考え方)は数学のそれと類似のものだからです.
 したがって,この科目は,次の1),2),3)に重点を置いて,授業を行います.
1) 2変数関数および偏微分・2 重積分の意味を理解し,確実に計算ができること.また,それと1 変数関数の場合の微積分との関係を理解できること.
2) 偏微分・2 重積分を専門科目に応用できること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
 とくに,3)については,たとえば,例題の解法を理解し,その解法を類似の問題へアレンジして適用できるようになることは勿論のこと,新しい数式が専門科目に使われるときにすぐに応用できるようになること,さらに,数学や専門科目などの学問だけに限らず,日常のさまざまな場面でも,新しい数式などが利用できないかと考え続けることも含まれます.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習.
内容の理解と定着をはかるため,教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
注意点:
有明高専の数学 第1~3 巻の内容を理解している必要があります.
下記の「評価割合:成績」は,4回の定期試験を用いて評価します.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明・2 変数関数 2 変数関数の概念を理解し関連する基本問題を解くことができる.
2週 偏微分 偏微分の概念を理解し,その計算ができる.
3週 高階の偏微分・全微分 高次の導関数を求める計算ができる.
全微分可能および全微分の概念と意味を理解し,全微分の計算ができる.
4週 合成関数の微分 2 変数関数の合成関数の微分ができる.
5週 近似・誤差 2 変数関数の近似を理解し,近似式を求める計算ができる.
2 変数関数の誤差を理解し,その計算ができる.
6週 2 変数関数のグラフ 2 変数関数のグラフが曲面であることを理解し関連する基本問題を解くことができる.
7週 接平面・法線 2 変数関数のグラフの接平面・法線を理解し,求める計算ができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 極大・極小 2 変数関数の極大・極小を理解し,極値を求める計算ができる.
10週 条件付き極値問題 条件が付いた場合の極値を求める計算ができる.
11週 複素数の計算・極座標 複素数についての新しい記号等を理解し,複素数の計算ができる.
極座標の概念を理解し,直交座標と極座標の変換ができる.
12週 オイラーの公式 オイラーの公式を理解し,その応用計算ができる.
13週 複素平面と極形式 複素数が極形式で表されることを理解し,その変換計算ができる.
14週 n 乗根 複素数のn 乗根の求め方を理解し,それを求める計算ができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 領域 平面内の領域と不等式の関係を理解し,領域の図示や不等式の決定ができる.
2週 2 重積分の定義 2 重積分の概念を理解し,2 重積分の式を立てることができる.
3週 2 重積分の計算 2 重積分の計算方法を理解し,その基本的な計算ができる.
4週 2 重積分の計算 2 重積分の計算方法を理解し,応用的な計算ができる.
5週 積分順序の変更 2 重積分の順序変更ができる.
6週 2 重積分の変数変換 2 重積分の変数変換ができる.
7週 極座標を用いた2 重積分の計算 極座標を利用した2 重積分の計算ができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 2 重積分の広義積分 無限大が関係した2 重積分の計算ができる.
10週 体積(基本形) 2 重積分で体積が計算できることを理解し,その式を立てることができる.
11週 2 つのグラフの間の体積 2 つのグラフの間の部分の体積を計算できる.
12週 グラフで囲まれた体積 2 つ以上のグラフで囲まれた部分の体積を計算できる.
13週 曲面積(基本形) 曲面積の概念と計算式の導出を理解し,その計算ができる.
14週 グラフで囲まれた曲面積 2 つ以上のグラフで囲まれた部分の曲面積を計算できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000