概要:
この科目では,2年次の解析学1で学んだ微分積分をもっと様々な関数について行い,それらの応用として,関数のグラフの解析,面積・体積の計算法を学びます.
工学の修得に,数学は必要不可欠です.工学の主たる部分は,数学的記法(新しい数式など)や数学的手法(新しい計算方法など)を用いて展開されるからです.また,工学の問題を解決するための論理的思考形態(筋道を
立てた考え方)は数学のそれと類似のものだからです.
したがって,この科目では,次の1),2),3)に重点を置いて,授業を行います.
1) 様々な関数の微分積分の計算が確実にできること.
2) 微分・積分の応用として,関数のグラフの解析や面積体積の計算ができることを理解し,それらの計算ができること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
1) については,2学年の解析学1で学んだ微分積分の概念とそれらの計算方法などを確実に習得しなければなりません.
2) については,2学年の解析学1で学んだ微分を,グラフの接線を求めたりやグラフを描くことに応用したり,積分を,面積や体積を求めることに応用します.微分積分がそれらのことに応用できることを理解し,その計算方法を確実に習得しなければなりません.
3) については,たとえば,例題の解法を理解し,その解法を類似の問題へアレンジして適用できるようになることは勿論のこと,新しい数式が専門科目に使われるときにすぐに応用できるようになること,さらに,数学や専門科目などの学問だけに限らず,日常のさまざまな場面でも,新しい数式などが利用できないかと考え続けることも含まれます.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習によって授業を進めます。
内容の理解と定着をはかるため,教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
注意点:
2年次までの解析学で学んだ知識が前提となりますので、十分に復習したうえで授業に臨んでください。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
課題試験返却と解説・授業の概要説明,様々な関数の微分(復習) |
第2巻で学習した関数の微分の計算が確実にできる.
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2週 |
log|u(x)|の微分・逆三角関数の微分 |
・log|u(x)|に関係する微分計算ができる. ・逆三角関数に関係する微分計算ができる.
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3週 |
双曲線関数の定義と微分・対数微分法 |
・双曲線関数の定義を理解し,その計算や微分ができる. ・対数微分法の仕組みを理解し,その計算ができる.
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4週 |
陰関数,媒介変数表示関数の微分・高次の導関数 |
・陰関数等の微分方法を理解し,その計算ができる. ・高次の導関数を求める計算ができる.
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5週 |
ロピタルの定理 |
ロピタルの定理を用いて,極限の計算ができる.
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6週 |
関数の増減,グラフの概形,極値 |
導関数とグラフの関係を理解し,グラフの概形が書ける.
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7週 |
不等式・方程式への応用 |
グラフを利用して,不等式の証明や方程式の解の解析ができる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
精密なグラフ |
2次導関数を利用して,精密なグラフを書くことができる.
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10週 |
様々な関数の不定積分(復習) |
第2巻で学習した関数の不定積分の計算が確実にできる.
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11週 |
分数式の積分 |
分子が定数,分母に2次式が関係した関数の積分計算ができる.
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12週 |
再帰型の積分・積分の漸化式 |
・再帰型の積分ができる. ・漸化式を利用した積分計算ができる.
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13週 |
分数式の積分(部分分数展開) |
部分分数展開を利用した積分計算ができる.
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14週 |
1次式のルートの積分・三角関数の積分 |
・ルートの付いた関数の積分計算ができる. ・三角関数が関係した様々な関数の積分計算ができる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
課題試験返却と解説・様々な関数の定積分(復習) |
第2巻で学習した関数の定積分の計算が確実にできる.
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2週 |
種々の定積分 |
様々な関数の定積分の計算ができる.
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3週 |
広義積分 |
無限大が関係した定積分の計算ができる.
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4週 |
面積の基本事項 |
面積が定積分で計算できることを理解し,基本的な面積計算ができる.
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5週 |
グラフで囲まれた面積 |
2つ以上のグラフで囲まれた面積を計算できる.
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6週 |
体積の基本事項 |
体積が断面積の定積分で計算できることを理解し,その計算ができる.
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7週 |
回転体の体積 |
グラフを回転してできる回転体の体積の計算ができる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
定積分と和の極限 |
和の極限と定積分を利用して求める計算ができる.
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10週 |
y軸を基準にした面積 |
y軸を基準にして面積を計算できること.
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11週 |
陰関数・媒介変数表示関数のグラフの面積 |
陰関数等のグラフで囲まれた面積の計算ができる.
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12週 |
グラフで囲まれた部分の回転体の体積 |
2つ以上のグラフで囲まれた部分の回転体の体積が計算できる.
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13週 |
y軸のまわりの回転体 |
y軸に関する回転体の体積の計算ができる.
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14週 |
曲線の長さ |
グラフの長さの公式の成り立ちを理解し,曲線の長さを計算できる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。 | 3 | |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。 | 3 | |
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。 | 3 | |
微積分の基本定理を理解している。 | 3 | |
定積分の基本的な計算ができる。 | 3 | |
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。 | 3 | |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | |