生物化学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物化学
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 化学/啓林館、センサー総合化学/啓林館、スクエア最新図説化学/第一学習社、生物基礎/数研出版、生物/数研出版、三訂版 リードα生物基礎+生物、改訂版 生物図録/数研出版
担当教員 小林 正幸,伊原 伸治

到達目標

1.炭水化物、タンパク質、核酸、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解できる
2.酵素の役割・性質、生体内における役割を理解できる
3.生物の遺伝情報の発現について理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1炭水化物、タンパク質、核酸、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解し、説明できる。炭水化物、タンパク質、核酸、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて概ね理解し、説明できる。炭水化物、タンパク質、核酸、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解していない。
評価項目2酵素の役割・性質、生体内における役割を理解し、説明できる。酵素の役割・性質、生体内における役割を概ね理解し、説明できる。酵素の役割・性質、生体内における役割を概ね理解していない。
評価項目3生物の遺伝情報の発現について理解し、説明できる。生物の遺伝情報の発現について概ね理解し、説明できる。生物の遺伝情報の発現について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学は生命現象と生体物質を化学によって説明する分野であり、近年発展の著しいバイオテクノロジーのみならず、広く生物の関わる工業技術の基礎となる。生物化学は、生体物質の生物化学と酵素の代謝に関する内容を含み、両方を関連付けて理解できることが必要である。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。
購入した問題集の該当箇所を各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。
注意点:
2年生の生物を基礎とする科目であることから、2年生の生物の理解度が低い学生は、2年生の生物の理解度をあげておくこと。
春季休暇、夏季休暇、冬期休暇あけに課題試験を実施する。配点や範囲については最初の授業で説明するので、聞きもらしがないように注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 課題試験
ガイダンス
2年生の生物の内容で理解不足であったところをテストで明確化し、その内容を正確に理解する。
原核生物、真核生物の違いが説明できる。
細胞小器官の構造とはたらきについて説明できる。
2週 生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) タンパク質、核酸、多糖、脂質の構成が説明できる。
3週 生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) 生体物質にとって重要な弱い結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用)の化学を理解している。
4週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) 脂質の機能をあげることができる。
脂肪酸の構造を説明できる。
5週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) トリアシルグリセロールの構造・反応を説明できる。
6週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) リン脂質がつくるミセル、脂質二重層について説明できる。
生体膜の化学的性質を理解している。
7週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) 生体膜の物質輸送について説明できる。
生体膜の性質(全透性、半透性)を理解している。
8週 中間試験
2ndQ
9週 テスト返却と解説
生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質)
中間テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質の生命活動の中心であることを理解している。
10週 生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質) タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を理解している。
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。
11週 生命現象を支えるタンパク質(タンパク質の構造、タンパク質の立体構造とはたらき) タンパク質のり立体構造(一次・二次・三次・四次構造)について説明できる。
12週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 酵素の構造と酵素-基質複合体について理解している。
13週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について理解している。
14週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 補酵素や補因子のはたらきを理解している。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説 期末テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
後期
3rdQ
1週 課題試験
遺伝子の実体
前期の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
遺伝子の実体が核酸であることを理解する。
2週 遺伝子の実体
ゲノムと遺伝子
遺伝子の実体が核酸であること、ゲノムと遺伝子の関係を理解する。
3週 ヌクレオチド,核酸の構造 ヌクレオチド、核酸の構造を理解する。
4週 DNAの二重らせん構造と塩基の相補性 DNAの二重らせん構造と塩基の相補的結合を理解する。
5週 染色体の構造、細胞周期と遺伝情報の分配 染色体の構造と遺伝情報の分配、細胞周期について理解する。
6週 DNAの半保存的複製DNAの構造と遺伝情報 DNAの半保存的複製を理解する。DNAの構造と遺伝情報の関係を理解する。
7週 RNAの種類とはたらき転写、RNAのスプライシング RNAの種類とはたらきを理解する。転写の概要を理解する。RNAのスプライシングの概要を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説 中間テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
10週 コドンと翻訳 コドンと翻訳の概要を理解する。
11週 転写調節
分化
転写調節の概要を理解する。
分化について理解する。
12週 バイオテクノロジー バイオテクノロジーの概要を理解する。
13週 バイオテクノロジーの影響 バイオテクノロジーの影響の概要を理解する。
14週 遺伝的多様性 遺伝的多様性の概要を理解する。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説 期末テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3前2,前3,後1,後2
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3後10
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3後5
分化について説明できる。3後5
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3前2
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3前2,前3
脂質の機能を複数あげることができる。3前4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3前4,前5
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前6
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前9
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3前10
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3前10
タンパク質の高次構造について説明できる。3前11
ヌクレオチドの構造を説明できる。3後3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3後4
DNAの半保存的複製を説明できる。3後6
RNAの種類と働きを列記できる。3後7
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3後10
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3前12
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3前13
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000