到達目標
1 イオン交換,イオン伝導,電解,酸化還元などの原理、および無機化合物の合成,電池などの基礎理論を説明できる。
2 修得した原理や理論をもとに、得られた成果を正確に解析し,工学的に考察できる
3 日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各実験の原理や理論を正確に説明できる。 | 一部に軽微な誤りはあるが、各実験の原理や理論を説明できる。 | 各実験の原理や理論を説明できない。 |
評価項目2 | 得られた成果を正確に解析し,参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる。 | 得られた成果を正確に解析し,それを工学的に考察できる。 | 得られた成果を正確に解析できない。 |
評価項目3 | 得られた成果を正しい日本語による文章や,言いたいことが分かる図表を用いて論理的に説明できる | 得られた成果を日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる | 得られた成果を,日本語による文章や, 図表を用いて論理的に説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
無機化学では,原子の構造と原子間の結合,結晶性固体の構造,酸・塩基反応,酸化還元反応など溶液化学,電解質水溶液や可逆電池などの電気化学,錯体化学など広い範囲にわたって学びます.これらの基礎理論を,実験を通して学習すると効率よく理解することができます.この実験では一般的な現象や手法を利用した課題も扱います.
授業の進め方・方法:
全体9つの班に分け、9つのテーマをローテーションしながら実施する。1つのテーマは2コマ(2コマ×1週)である。各実験の目的、手法と注意事項、予想される結果に関する十分な予習を行うこと。また、適宜レポートに関する調査を書籍,文献やインターネットで行うこと。報告書の作成時間は講義時間中にはとれないので、時間外にも行うこと。また、実験内容および操作に関する試験を行うので学習しておくこと。
注意点:
1 無機化学の応用,実践としての科目で,無機化学だけでなく,分析化学及び化学の基礎知識も必要であり,実験内容を理解する上でそれらの科目を再度復習することも重要です.
2 教科書を読み,実験の目的,実験操作の概要を把握し,ノートにまとめておくこと.
3 レポートに関しては,読む者が理解しやすいように工夫して書くことが重要です.そのためには,課外の図書館における参考書調べなど必要となります.
4 指定するレポート期限を厳守すること
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション |
各実験の目的,操作,ならびに実験における注意事項を知る。
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2週 |
実験に使用する器具の確認と洗浄 |
実験に使用する器具の名称がわかる。器具の種類に応じた洗浄ができる。
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3週 |
【課題1】比色分析 |
1,10-フェナントロリンによる鉄の定量を行い,比色分析法及び装置の原理,さらに検量線の作成法とその利用法を理解できる。
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4週 |
【課題2】酸化還元電位差滴定 |
Na4・Fe(CN)6・10H2O 中の Fe(II)含量を測定する.この分析法の原理,データの表示法及び解析法についても理解できる。
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5週 |
【課題3】イオン交換 |
イオン交換樹脂を用いての硝酸ナトリウムの定量分析を行う.これらの分離分析法の理論に関しても理解できる。
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6週 |
【課題4】電池起電力測定と濃淡電池 |
単極電位およびダニエル電池の起電力測定を行う。また銀イオンの濃淡電池の起電力から塩化銀の溶解度を求める.電池に関しての基礎理論とその応用について理解できる。
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7週 |
【課題5】 炭酸マンガンの合成 |
無機合成の実験の 1 つとして,硫酸マンガンと炭酸アンモニウムの沈殿反応で炭酸マンガンを合成する.ここでは収率の計算もできる.
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8週 |
【課題6】二酸化マンガンの合成 |
【課題5】で得られた炭酸マンガンを用いて,酸化物を合成する.反応率を計算できる。
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2ndQ |
9週 |
【課題 7】電解製造法 |
電解法の応用例としてヨードホルムを製造する.ここではファラデーの法則を実験から理解できる。
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10週 |
【課題 8】 電量分析 |
銅,亜鉛の混合溶液中の分離定量を行う.電気分解と電極電位の関連性を理解できる。
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11週 |
【課題 9】 電離平衡 |
酢酸の当量導電率及び電離平衡定数の測定を行う.イオンの電気的な特性を理解できる。
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12週 |
実験の復習1 |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について,説明できる。
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13週 |
実験の復習2 |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について,説明できる。
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14週 |
テスト |
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15週 |
テスト返却と解説 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。 | 4 | |
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | |
物理化学実験 | 基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |