到達目標
1 有機化合物の合成法を説明できる。
2 修得した原理や理論をもとに、得られた成果を正確に解析し、工学的に考察できる。
3 日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各実験の原理や理論、各操作方法を正確に説明できる。 | 一部に軽微な誤りはあるが、各実験の原理や理論、各操作方法を説明できる。 | 各実験の原理や理論、各操作方法を説明できない。 |
評価項目2 | 得られた成果を正確に解析し、参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる。 | 得られた成果を正確に解析し、それを工学的に考察できる。 | 得られた成果を正確に解析できない。 |
評価項目3 | 得られた成果を正しい日本語による文章や、言いたいことが分かる図表を用いて論理的に説明できる | 得られた成果を日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる | 得られた成果を,日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
有機化学実験は有機化合物の合成を自分自身で経験して、有機化合物の性質や反応性を知ることまた、化学技術者としてもっとも基本になる化学実験操作、定性反応などを修得することを目標としている。有機化学実験では、代表的な有機化学反応9課題を取り上げた。具体的には以下の項目を習得することが目標である。
1) 基本的な有機化合物の性質、代表的な定性反応を知る。
2) 有機化合物の基本的な合成操作であるエステル化、アミノ化、アセチル化、ジアゾ化、スルホン化、ハロゲン化などを理解する。
授業の進め方・方法:
10個の班に分け同時に同一テーマを実施する。各実験の目的、手法と注意事項、予想される結果に関する十分な予習を行うこと。また、適宜レポートに関する調査を書籍,文献やインターネットで行うこと。実験は何種類かのテーマを連続して行うことがあり、合成した化合物は次回の実験に用いるので勝手に廃棄しない。その際レポートは複数のテーマをまとめたものを提出する。報告書の作成時間は講義時間中にとるが、時間が足りない場合は時間外にも作成すること。また、実験内容および操作に関する試験を行うので学習しておくこと。
注意点:
有機化学実験はまだ習ってない分野もあるので、必ず予習をしておくこと。事前に安全の手引きや配布プリントの内容をよく読んでおくこと。教科書を読み、実験の目的、実験操作の概要を把握し、ノートにまとめておくこと。レポートに関しては読む者が理解しやすいように工夫して書くことが重要である。そのためには、課外の図書館における参考書調べなど必要となる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オリエンテーション |
各実験の目的,操作,ならびに実験における注意事項を知る。
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2週 |
基礎実験 |
実験に使用する器具の名称がわかる。器具の種類に応じた洗浄ができる。反応装置が組める。
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3週 |
【課題1】酢酸エチルの合成 |
酢酸エチルの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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4週 |
酢酸エチルの分析とレポート |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について説明できる。NMRとIRの分析結果から、生成物の純度について説明できる。
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5週 |
【課題2】5-ニトロサリチルアルデヒドの合成 |
5-ニトロサリチルアルデヒドの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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6週 |
【課題3】ニトロベンゾスピロピランの合成 |
ニトロベンゾスピロピランの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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7週 |
5-ニトロサリチルアルデヒドとニトロベンゾスピロピランの分析とレポート |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について説明できる。NMRとIRの分析結果から、生成物の純度について説明できる。
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8週 |
【課題4】 アニリンの合成 |
アニリンの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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4thQ |
9週 |
【課題5】 ヨードベンゼンの合成 |
ヨードベンゼンの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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10週 |
アニリンとヨードベンゼンの分析とレポート |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について説明できる。NMRとIRの分析結果から、生成物の純度について説明できる。
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11週 |
【課題6】アセトアニリドの合成 |
アセトアニリドの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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12週 |
【課題7】p-ニトロアニリンの合成 |
p-ニトロアニリンの反応のメカニズムを説明できる。実験操作を正しく行うことができる。
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13週 |
アセトアニリドとp-ニトロアニリンの分析とレポート |
各実験の原理、内容と注意点およびレポート課題の内容について説明できる。NMRとIRの分析結果から、生成物の純度について説明できる。
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14週 |
テスト |
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15週 |
テスト返却と解説 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | |
加熱還流による反応ができる。 | 4 | |
蒸留による精製ができる。 | 4 | |
吸引ろ過ができる。 | 4 | |
再結晶による精製ができる。 | 4 | |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | |
収率の計算ができる。 | 4 | 後16 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |