生物工学基礎

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物工学基礎
科目番号 0027 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 化学/啓林館,生物/数研出版,センサー総合化学/啓林館,生物基礎/数研出版,三訂版 リードα生物基礎+生物/数研出版,改訂版 生物図録/数研出版,スクエア最新図説化学/第一学習社         
担当教員 出口 智昭

到達目標

1.炭水化物について,化学構造・性質を説明できること.
2.糖の代謝における物質の変化とエネルギーの出入りを結びつけて説明できること.
3.光合成・炭酸同化について説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1炭水化物について,生体内での機能と化学構造・性質を詳細に説明できること.炭水化物について,生体内での機能と化学構造・性質を説明できること.炭水化物について,生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて説明できない.
評価項目2代謝における物質の変化とエネルギーの出入りを結びつけて詳細に説明できること.代謝における物質の変化とエネルギーの出入りを結びつけて説明できること.代謝における物質の変化とエネルギーの出入りを結びつけて説明できない.
評価項目3基本的な光合成・炭酸同化について詳細に説明できること.基本的な光合成・炭酸同化について説明できること.基本的な光合成・炭酸同化について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生体を構成する成分には水,糖,タンパク質,脂質,核酸などがある.細胞,タンパク質,核酸,脂質については生物化学の授業において学習するため,本科目では主に糖についての基本的な構造および化学的性質を理解する.糖は生体内で分解されエネルギーを生産重要な物質であり,生体内における糖の代謝及びエネルギー生産についても理解する.これにより専門科目で引き続き開講される生物工学等に必要な化学的知識を身につけることを目標とする.
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。
購入した問題集を活用し,内容の理解の定着をはかる.
注意点:
2年生の基礎生物の内容を基礎とする科目であることから,生物基礎の理解度が低い学生は,復習し理解度をあげておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス説明.
糖の性質について
単糖と多糖の生物機能を説明できること.
2週 単糖類の構造と性質 単糖の化学構造を説明でき,各種の異性体について理解していること.
3週 単糖類の反応 単糖類の酸化反応や還元反応について説明できること.
4週 二糖類の構造と性質 グリコシド結合を説明でき,代表的な二糖類を説明できること.
5週 多糖類の構造と性質 代表的な多糖の構造や機能を例を説明できること.
6週 代謝反応(異化と同化).
生体内のエネルギー物質の構造と機能(ATP,NADH)
生体内での物質の代謝(異化や同化)の概要が説明できること.ATPなどの生体内でのエネルギー化合物について構造や機能を説明できること.
7週 糖の異化についてⅠ(嫌気呼吸、発酵とその応用) 嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵・解糖)の過程を説明できること.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 テスト返却.
糖の異化についてⅡ(解糖系)
中間テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する.
解糖系の概要を説明できること.
10週 糖の異化についてⅢ(好気呼吸:クエン酸回路、電子伝達系、酸素運搬について) クエン酸回路の概要及び電子伝達系における反応及びATPの合成を説明できること.
11週 糖新生について 糖新生の過程を理解し,グリコーゲンの生成,分解について説明できること.
12週 脂肪酸の分解とエネルギー生産 脂肪酸のβ-酸化の過程が理解できる.有機物の分解過程から呼吸基質や呼吸商が理解できる.
13週 光合成による糖の合成 各種の光合成色素の働きを説明できること.光化学系での反応や光リン酸化,カルビン・ベンソン回路など光合成の概要が説明できる.
14週 炭酸固定について 光合成細菌の光合成の反応,炭酸固定の過程を説明できること.
15週 学年末試験
16週 テスト返却と解説 期末テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。2
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000