ベクトル解析

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 ベクトル解析
科目番号 0032 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 授業中に資料を配付
担当教員 髙本 雅裕

到達目標

1.ベクトルについての微分・積分を含む基本演算ができる.
2.ベクトル場の勾配・発散・回転について理解し,計算ができる.
3.積分公式について理解し,計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルについての微 分・積分を含む基本演 算が正確にできる.ベクトルについての 微分・積分を含む基本 演算ができる.ベクトルについての 微分・積分を含む基本 演算ができない.
評価項目2ベクトル場の勾配・発 散・回転について理解 し,その意味について 説明できる.ベクトル場の勾配・発 散・回転について理解 し,計算ができるベクトル場の勾配・発 散・回転について理解 できず,計算ができな い.
評価項目3積分公式ついて理解 し,その意味について 説明できる.積分公式ついて理解 し,計算ができる.積分公式ついて理解 できず,計算ができな い.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学的な量は,大概ベクトルで記述されます.物理や専門科目で扱われ
る量,例えば力,速度,電場,磁場等々は”大きさと方向”を持つ量です.
したがって,工学上あるいは自然現象を記述する理論式を簡略化するため
に,物理や工学の専門分野においては,扱う量をベクトル量の関数として
表現することがよく行われています.そこで本講義では,ベクトルの微
分・積分の定義と計算法や専門科目への応用計算などを行い,工学的な現
象をベクトル量でとらえて理解し,計算ができる力を養成することを目指
します.
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行います。
内容の理解と定着をはかるため,演習問題のいくつかを適宜レポートとし
て解答・提出してもらいます.
注意点:
有明高専の数学第1~4巻の内容を理解している必要があります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,ベクトルの
代数(ベクトル,内積)
の定義および計算の復
代数・幾何
で学習したベクトルの代数計算が確
実にできる.
2週 ベクトルの代数(外積)
の定義と計算の復習,演
代数・幾何で学習したベクトルの外積の計算が
確実にできる.
3週 ベクトルの微分・積分の
定義及び演習
ベクトルの微分・積分の意味を理解し,計算が
できる
4週 スカラー場・ベクトル場
の定義
スカラー場・ベクトル場の定義を理解できる.
5週 勾配の定義及び演習 スカラー場の勾配の意味を理解し,計算ができ
る.
6週 発散の定義及び演習 ベクトル場の発散の意味を理解し,計算ができ
る.
7週 回転の定義及び演習 ベクトル場の回転の意味を理解し,計算ができ
る.
8週 中間試験
2ndQ
9週 ・空間曲線のベクトル表
現の定義
・線積分
・空間曲線のベクトル表現が理解できる.
・線積分の意味を理解し,計算ができる
10週 スカラー場の面積分 スカラー場の面積分の意味を理解し,計算がで
きる
11週 ベクトル場の面積分 ベクトル場の面積分の意味を理解し,計算がで
きる.
12週 発散定理 発散定理の意味を理解し,計算ができる
13週 平面上のグリーンの定
平面上のグリーンの定理の意味を理解し,
計算
ができる.
14週 ストークスの定理 ストークスの定理の意味を理解し,計算ができ
る.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算ができる。3
公式等を利用して因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の基本的な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
2次方程式を解くことができる(解の公式も含む)。3
因数分解を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
基本的な連立方程式を解くことができる。具体的には、1次式と2次式の連立方程式を解くことができる。3
基本的な無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
基本的な1次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを理解している。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
基本的な関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む基本的な方程式を解くことができる。3
対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む基本的な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む基本的な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を理解している。3
基本的な円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則の違いを理解している。3
順列・組合せの基本的な計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた基本的な数列の和を計算することができる。3
いろいろな数列の極限を求めることができる(不定形の意味も理解している)。3
無限等比級数等の基本的な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、基本的な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解している。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解している。3
合成変換と逆変換を求めることができる。3
平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。3
いろいろな関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味を理解し、求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を使うことができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解している。逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表をかいて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
関数の最大値・最小値を求めることができる。3
基本的な関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次以上の導関数を求めることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、その導関数を計算できる。3
不定積分の定義を理解している。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分を求めることができる。3
定積分の定義を理解している(区分求積法)。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分の計算ができる。3
基本的な曲線で囲まれた図形の面積を求めることができる。3
いろいろな曲線の長さを求めることができる。3
基本的な立体の体積を求めることができる。3
2変数関数の定義域やグラフを理解している。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。3
基本的な関数について、2次までの偏導関数を計算できる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解している。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を計算することができる。3
2重積分を用いて、基本的な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解している。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
いろいろな確率を求めることができる。余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解している。3
条件付き確率を求めることができる。確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。3
1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000