機能材料工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機能材料工学Ⅰ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 無機材料化学(第2版);荒川剛,江頭誠,鮫島宗一郎,平田好洋,松本泰道,村石治人/三共出版
担当教員 田中 康徳

到達目標

1.物理や化学の知識をもとに,機能材料の特性とその機能の発現原理について説明できる。
2.いくつかの機能材料の利用方法について説明できる。
3.機能材料の特性を踏まえ,製品の応用例を考案できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1学習した機能材料の特性とその機能の発現原理について、詳細に説明できるいくつかの機能材料の特性とその機能の発現原理について説明できる機能材料の特性とその機能の発現原理について説明できない
評価項目2いくつかの機能材料の利用方法について,その問題点や将来展望を含めて説明できる。いくつかの機能材料の利用方法について説明できる。機能材料の利用方法について説明できない。
評価項目3機能材料の特性を踏まえた製品の応用例を考案でき、コスト、応用にあたっての問題点、その問題点を解決するために必要な事項を指摘できる。機能材料の特性を踏まえた製品の応用例を考案できる。機能材料を用いた製品の応用例を考案できない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる
学習教育到達目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機能材料とは,金属,半導体,セラミックスなどの無機材料,プラスチックや色素のような有機材料,そしてこれらを合わせた複合材料などが,電気的性質,光学的性質,磁気的性質,機械的性質,化学的性質を生かし様々な機能を発揮する物質である.例えばコンピューターや携帯電話のような情報通信技術,太陽光発電に代表される新エネルギー技術,自動車や航空機などの輸送機関,環境汚染物質の分解あるいは廃棄物をリサイクルする技術,さらには建造物や衣服にいたるまで,機能材料の活躍の場を挙げれば暇がない.このようにこれらの機能材料は今日のテクノロジーを支え,さらに新しい機能材料の登場は明日の技術を切り開く基礎を与えうる材料なのである.本授業では,これらの中でもセラミックスと半導体材料を取り上げ,その特性と応用を理解する.
授業の進め方・方法:
 講義を中心とし,1回の授業ごとに授業内容のまとめをレポートとして提出してもらう。また,第14週には,各自で考案した機能材料を用いた新商品あるいは既存商品をプレゼンテーションしてもらう。
注意点:
無機化学の知識を有することが望ましい

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 バンド理論 バンド理論とは何か説明できる。
2週 導体、半導体、絶縁体 導体,半導体,絶縁体の違いについて、バンド理論を用いて説明できる。
3週 絶縁体 絶縁体の特性を説明できる
絶縁体の抵抗変化、絶縁破壊について説明できる
4週 誘電体 誘電分極のしくみと誘電損について説明できる
5週 圧電・焦電材料  圧電体・焦電体の原理とその応用を説明できる。分極処理について説明できる。
6週 半導体1 真性半導体と不純物半導体をバンド理論により説明できる。
p-n接合を説明できる
7週 半導体2 半導体の製法を挙げることができる。
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 超電導 超伝導の特性と応用について説明できる
10週 ガスセンサ ガスセンサ、酸素センサの原理を説明できる
臭いセンサの検知ガスと用途について挙げることができる
11週 燃料電池 燃料電池の原理を説明できる
燃料電池の種類と特性,用途を説明できる。
12週 蛍光体 蛍光体の発光機構について説明できる。
蛍光灯の原理を説明できる
13週 レーザ 自然放出と誘導放出の違いを説明できる
半導体レーザの発振原理を説明できる
14週 プレゼンテーション 機能材料の特性を踏まえて、新しい商品を考案し、説明できる
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。4後5
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。4
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801000100100
基礎的能力0000000
専門的能力8070010097
分野横断的能力0300003