概要:
有機化学は生命科学から材料科学の広範囲にわたる現代物質科学の中心的・基礎的役割を担うたいへん重要な学問である。有機化合物の構造や性質あるいは反応性に関する基礎知識が、生命の働きやその作用機構の解明、高機能性材料の設計や創出、そして21世紀の課題である地球環境・エネルギー問題の解決などに必要不可欠と言っても過言ではない。
授業の進め方・方法:
本授業では有機化合物を官能基の違いによって分類し、それぞれの製法、性質、反応などについて系統的に学習する。様々な有機化合物の性質と反応性を理解し、その反応性や性質に関する問題を自分で解決することができるようになることを目標とする。です
注意点:
プロジェクタを用いた講義を主体とする。授業内容の理解度により、小テストを行うことがある。授業内容は教科書に沿っているので、必要に応じて教科書に追記し、ノートは問題を解く際に用いる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
アルコールI |
アルコールを命名できる。アルコールの性質を説明できる。
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2週 |
アルコールII |
アルコールの合成を説明できる。アルコールの合成における電子の移動を矢印を使って説明できる。
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3週 |
エーテルI |
エーテルを命名できる。エーテルの性質を説明できる。
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4週 |
エーテルII |
エーテルの反応性を説明できる。エポキシ度とは何かを説明できる。
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5週 |
芳香族の化学I |
芳香族を命名できる。性質を説明できる。
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6週 |
芳香族の化学II |
ベンゼンの構造を説明できる。
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7週 |
芳香族の化学III |
ベンゼンの反応を説明できる。
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8週 |
【前期中間試験】 |
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2ndQ |
9週 |
芳香族の化学IV |
ベンゼンの配向性や反応性を説明できる。
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10週 |
アルデヒドとケトンI |
アルデヒド及びケトンを命名できる。
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11週 |
アルデヒドとケトンII |
カルボニル基の構造的特徴を説明できる。
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12週 |
アルデヒドとケトンIII |
アルデヒド及びケトンの合成方法を説明できる。
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13週 |
アルデヒドとケトンIV |
カルボニル基の反応性を説明できる。
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14週 |
アルデヒドとケトンV |
アルデヒド及びケトンの反応性の違いを説明できる。
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15週 |
【前期末試験】 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
カルボン酸I |
カルボン酸とその誘導体をを命名できる。
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2週 |
カルボン酸II |
カルボン酸の酸性度についてその特徴を説明できる。
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3週 |
カルボン酸III |
カルボン酸の合成方法を説明できる。
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4週 |
カルボン酸IV |
カルボン酸誘導体のカルボニル炭素上での求核置換反応を説明できる。
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5週 |
カルボン酸V |
カルボン酸誘導体の反応と相互変換について説明できる。
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6週 |
エノラートのアルキル化I |
アルファ位では水素イオンが脱離しやすい理由を説明できる。
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7週 |
エノラートのアルキル化II |
求電子剤との反応による生成物を示すことができる。
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8週 |
【後期中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
エノラートのアルキル化III |
マロン酸エステル合成及びアルドール反応の反応機構を示すことができる。
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10週 |
エノラートのアルキル化IV |
クライゼン縮合及びマイケル付加反応の反応機構を示すことができる。
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11週 |
アミンとヘテロ環化合物I |
アミンの命名ができる。
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12週 |
アミンとヘテロ環化合物II |
アミンの基本的な構造と塩基性を説明できる。
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13週 |
アミンとヘテロ環化合物III |
アミンの反応と合成について説明できる。
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14週 |
アミンとヘテロ環化合物IV |
ヘテロ環化合物の構造や反応について説明できる。
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15週 |
【後期末試験】 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 共有結合について説明できる。 | 3 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | |