到達目標
1.実験課題を理解し、必要な知識・技術を適切に用いて、決められた時間内に計画的に実験を終え、期限内に報告書を提出できる
2.得られたデータを正確に解析し、考察できる
3.図表を用いて得られた成果を日本語で正確に分かりやすく説明できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 実験課題の内容を正しく理解し、必要な知識を適切に用い、正しく機器を使用して、決められた時間内に計画的に実験を終え、期限内にしっかりした内容の報告書を提出できる | 実験課題の内容を理解し、実験を終え、期限内に最低限の内容を備えた報告書を提出できる | 実験課題を理解しておらず、実験を終えることができない。報告書が期限内に提出できない、またはできたとしても報告書の内容が参考書を写した内容(主旨)になっている、課題回答に不足があるなど報告書の体をなしていない。 |
評価項目2 | 得られたデータを正確に解析し、深く考察できる。 | 得られたデータを正確に解析し、考察できる。 | 得られたデータを正確に解析できない。 |
評価項目3 | 適切な最小限の図表を効果的に配置し、得られた成果を正しく分かりやすい日本語で記述できる。 | 適切な図表を用いて、得られた成果を正しく分かりやすい日本語で記述できる。 | 得られた成果を正しく分かりやすい日本語で記述できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生物反応工学の基礎となる酵素反応実験、分子生物学実験の方法を習得するとともに、実験を通して、酵素反応、分子生物学の基礎を習得する。
授業の進め方・方法:
本実験は、前半(酵素反応実験)と後半(分子生物学基礎実験)からなる。
実験の最初に実験のフロー図を板書し、説明してもらうので、実験の予習は欠かさないこと。また、実験の内容および操作に関する試験を行うので学習しておくこと。(以上、前後半共通)
酵素反応実験では、全体を4班に分け、班内で協力しながら実験を行う。また、4つの班で実験条件を変えた実験を行い、結果を持ち寄って、実験条件の検討を行う実験もあるので、実験内容に関しては予め打ち合わせしておくこと。
注意点:
【酵素反応実験】
酵素反応実験に必要な基本的な知識は生体触媒工学で習得済みの内容である。理解度が不十分な学生はしっかりと復習し、酵素反応速度論の考え方を身に付けておくこと。
【分子生物学基礎実験】
分子生物学実験に必要な基本的知識は生物化学および後期に並行して行う生物工学で習得する.生物化学の内容の理解が不十分な学生はしっかり復習しておくこと.また,本実験は組換え DNA 実験従事者の実習とするため,生物コース学生の卒業研究等にも必要になる.実験内容を十分に理解し,身に着けるように努力すること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
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2週 |
酵素反応実験(酵素の精製) |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料(今回はジャガイモ)から、酵素を抽出し、硫安沈澱、遠心分離により、目的の生体物質(今回は酸性ホスファターゼ)が精製できる。
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3週 |
酵素反応実験(生成物の定量(検量線の作成)) |
分光分析法を用いて、生体物質(本酵素反応の生成物質)を定量することができる。
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4週 |
酵素反応実験(比活性測定) |
酵素の活性を定量的に調べることができる。精製の各段階での活性を算出でき、比活性を算出して、酵素の精製を考察することができる。
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5週 |
酵素反応実験(酵素反応に及ぼす諸影響1) |
酵素の活性を定量的に調べることができる。酵素濃度、反応時間を変えた酵素反応実験の結果から、ミカエリス定数、酵素反応の最大速度を求めるための実験条件(酵素濃度、反応時間)を決めることができる。
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6週 |
酵素反応実験(酵素反応に及ぼす諸影響2) |
酵素の活性を定量的に調べることができる。ミカエリス定数、酵素反応の最大速度を実験データから算出し、それらの値から酵素反応を考察することができる。
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7週 |
酵素反応実験(試験およびレポート整理) |
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8週 |
分子生物学基礎実験(培地の作製と器具の滅菌) |
寒天培地・液体培地の作製ができる.培地および器具の滅菌を行い,滅菌方法の使い分けることができる.
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4thQ |
9週 |
分子生物学基礎実験(プラスミドによる大腸菌の形質転換) |
形質添転換および転換株の選択ができる.プラスミドの性質および形質転換株の選択の原理について考察できる.
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10週 |
分子生物学基礎実験(プラスミドの調製) |
形質転換株の増殖およびプラスミドの調製ができる.プラスミドの調製方法の原理および純度検定方法について考察できる.
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11週 |
分子生物学基礎実験(プラスミドのエンドヌクレアーゼ消化) |
制限酵素による DNA の切断ができる.エンドヌクレアーゼの性質を理解し,使用方法について考察できる.
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12週 |
分子生物学基礎実験(P CRによる目的遺伝子の増幅) |
細胞から DNA を抽出し,特異的遺伝子をPCR 法で増幅することができる.細胞からのDNA の抽出方法および PCR 法について理解し,考察できる.
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13週 |
分子生物学基礎実験(アガロースゲル電気泳動) |
アガロースゲル電気泳動による DNA 断片の分離および検出ができる.アガロースゲル電気泳動および DNA 検出の原理を理解し,得られた結果について考察できる.
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14週 |
分子生物学基礎実験(試験およびレポート整理) |
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15週 |
レポート、試験返却,後片付 |
実験全体の理解度を再確認し,確実に理解する.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 後8,後9 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | 後2 |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | 後3,後4 |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | 後4,後5,後6 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 50 |
専門的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |