高分子化学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 高分子化学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書:コンパクト高分子化学 機能性高分子材料の解説を中心として;宮下徳治 三共出版
担当教員 大河平 紀司

到達目標

1.低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について分子レベルで説明できる。
2.高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を説明できる。
3.高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について正しい語句を用いて分子レベルで正確に説明できる低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について正しい語句を用いて分子レベルである程度正しく説明できる低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について説明できない
評価項目2高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を正しい表現で正確に説明できる高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等をある程度正しく説明できる高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を説明できない
評価項目3高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について正しい表現で正確に説明できる高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開についてある程度正しく説明できる高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々の身の回りに存在するプラスチック、繊維、ゴムなどはすべて高分子(ポリマー)と呼ばれる物質で構成されている。例えばプラスチック製品としては、スーパーマーケットなどで見られるポリエチレンの包装紙、電子レンジ用のタッパー容器、トレイ用の発泡スチロール、飲料用品のペットボトル、電化製品の樹脂類など多くの例が挙げられる。繊維ではナイロンやポリエステルなど多くの合成繊維がある。ゴムでは自動車のタイヤが代表的に挙げられる。また、自然界では絹、羊毛、綿などの天然繊維や、穀物、材木、動物の肉、皮などはタンパク質やセルロースなどの天然の高分子からできている。また、遺伝情報をつかさどる遺伝子も核酸という高分子で構成されている。このように高分子から作られている物質は非常に多く、日常的に使用されている。
本科目では、このような高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
板書中心
注意点:
本科目では基礎化学、有機化学、無機化学、生物工学などの総合的な基礎知識が必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子の基礎(1) 高分子の一般的性質について理解する
2週 高分子の基礎(2) 高分子の分類、分子構造について理解する
3週 高分子の基礎(3) 高分子の分子量、熱的性質について理解する
4週 高分子の基礎(4) 高分子の力学的性質、重合法について理解する
5週 高分子の重合反応論(1) 逐次重合である重縮合、重付加について理解する
6週 高分子の重合反応論(2) 逐次重合である付加縮合、連鎖重合であるラジカル重合の特徴について理解する
7週 高分子の重合反応論(3) 連鎖重合であるラジカル重合の速度論、共重合について理解する
8週 高分子の重合反応論(4) 連鎖重合であるリビング重合、配位重合について理解する
2ndQ
9週 高分子材料(1) プラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂について、性質や用途などを理解する
10週 高分子材料(2) 繊維、ゴム・エラストマーなどの代表的な高分子材料について、性質や用途などを理解する
11週 機能性高分子(1) 電子・電気材料、光機能性材料、フォトレジスト材料等の高分子材料の応用について理解する
12週 機能性高分子(2) 光記録材料、薬用高分子、医用材料について、高分子材料のどのような特性が応用されているのかを理解する
13週 高分子の分子設計 高分子の分子設計法について理解する
14週 生体高分子 植物・動物世界の高分子、遺伝情報の高分子について理解する
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。4
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
無機化学セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。3
物理化学界面活性剤の種類と性質を説明できる。4
乳化とその実例を説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000