機器分析学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機器分析学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書:入門機器分析化学;庄野利之・脇田久伸 編著 三共出版 /教材:配布プリント
担当教員 大河平 紀司

到達目標

1.各分析機器について原理や装置を正しく説明することができる
2.各分析機器より得られる情報を正しく解析することができる
3.様々な物質を正確に分析する手法を提案することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各分析機器について原理や装置を正しく説明することができる各分析機器について原理や装置をある程度説明することができる各分析機器について原理や装置を説明することができない
評価項目2物質を分析機器にて測定した際に得られる情報を正しく解析することができる物質を分析機器にて測定した際に得られる情報をある程度解析することができる分析機器より得られる情報を解析することができない
評価項目3各分析機器の原理を理解し目的に応じた分析手法を正確に提案することができる目的にある程度応じた分析手法を提案することができる目的に応じた分析手法を提案することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分析化学の領域でも技術革新に対応して状態分析、極微量の分析、あるいは産業や経済の発展に伴う環境問題の解決に必要な、動態解析ともいうべき高度な分析技術、材料構造とその機能の相関の解析、生体関連現象の解析技術などが要望されるようになっている。本科目では、それらの解析に必要な分析機器の原理および知識を習得する。また演習を通して理解の程度を深めていくことと同時に、学生実験及び卒業研究でも積極的に分析機器を利用することができるように取り組む。
授業の進め方・方法:
板書中心
注意点:
本科目では基礎化学、物理、有機化学、無機化学、生物学等の総合的な基礎知識が必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
光と波長の関係
本科目の内容を理解する。
機器分析がどのようなものか理解する。
光の性質、エネルギーと波長の関係を理解する。
2週 吸光光度分析・蛍光光度分析 吸光光度分析の原理・装置の概要を理解する。特に、Lambert-Beer則の概念を理解し、それに基づく計算法を習得する。スペクトルの解析法を習得する。
蛍光光度分析の原理・装置の概要を理解する。スペクトルの解析法を習得する。
3週 赤外吸収スペクトル分析(1) 赤外線吸収スペクトル法の原理・装置を理解する。分子の
4週 赤外吸収スペクトル分析(2) 赤外線吸収スペクトルの解析法を習得する。
5週 原子吸光・発光分析 原子吸光分析、フレーム分析、発光分析の原理と装置の概要を理解する。検量線(絶対検量線法、標準添加法、内標準法)の作成法とその解析法を習得する。
6週 X線分析(1) X線の分類(固有X線、連続X線)とその性質、ブラッグの式について理解する。
7週 X線分析(2) 結晶構造の基礎理論(ミラー指数)を理解し、データの解析法を習得する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 磁気共鳴分析(1) 核磁気共鳴(1H-NMR)の原理と装置の概要を理解する。遮蔽効果、スピン-スピン相互作用について理解する。
10週 磁気共鳴分析(2) 1H-NMRスペクトルの解析法を理解する。
11週 質量分析(1) 質量分析(MS)の原理(イオン化法、フラグメンテーション)と装置の概要を理解する。
12週 質量分析(2) MSスペクトルの解析法を習得する。
13週 クロマトグラフィー 代表的なクロマトグラフィーの分類と特徴、原理、概要、および定性・定量分析に関する解析法を習得する。
14週 熱分析 代表的な測定法である熱重量測定、示差熱分析及び示差走査熱量測定について、原理と理論を理解する。
データの解析法を習得する。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前1,前2
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4前2,前3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4前13
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前2,前3,前6,前9,前11,前13,前14
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前7,前13
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前2,前4,前5,前7,前10,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000